ジャーキーの作り方
この記事でわかること
🥩
基本の作り方
ジャーキー作りの第一歩!肉の選び方から下処理、切り方のコツまで丁寧に解説します。
🌶️
味付けの秘訣
自家製スパイスの調合や漬け込み時間で、ジャーキーの味は無限大に広がります。
🔥
さまざまな乾燥方法
オーブン、フードドライヤー、燻製など、機材別の乾燥テクニックと仕上がりの違いを紹介します。
ジャーキー作り方の基本!牛肉の下処理と切り方のコツ
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自家製ジャーキーを美味しく作るための最初のステップは、何と言っても「肉の選び方」と「下処理」です。この工程を丁寧に行うことで、仕上がりの味や食感、そして保存性が格段に向上します。ジャーキー作りは、まさにここから始まっていると言っても過言ではありません。
まず、ジャーキーに最も適しているのは、
脂身の少ない赤身肉です 。脂身は乾燥させにくく、加熱すると酸化してしまい、保存中に嫌な臭いの原因となります 。そのため、できるだけ脂身が少ない部位を選ぶことが成功への近道です。
牛肉であれば、以下のような部位がおすすめです。
- 🥩 もも肉(内もも、外もも): 脂肪が少なく、赤身が中心でジャーキーに最適です。特に外もも(そともも)は、きめが粗く硬めですが、その分うま味が凝縮されています 。
- 🥩 らんぷ: 腰からお尻にかけての部位で、赤身で柔らかく、風味も良いのが特徴です 。
- 🥩 ヒレ: 最も柔らかい高級部位ですが、脂肪が少なく上品な味わいのジャーキーになります 。
農林水産省が定める食肉小売品質基準では、牛肉は11の部位に分類されており、それぞれの特徴を理解すると、より自分好みのジャーキー作りが楽しめます 。
次に、肉の「切り方」です。肉の繊維の方向に沿って切るか、断ち切るかで食感が大きく変わります。
- 繊維に沿って切る: 噛み応えのある、いわゆる「ジャーキーらしい」食感になります。手で裂きやすくなるのもこの切り方です 。
- 繊維を断ち切るように切る: 柔らかく、サクッとした食感に仕上がります。お子様や硬いものが苦手な方にはこちらの切り方がおすすめです。
厚さは
5mmから7mm程度が一般的です 。薄すぎると乾燥しすぎてポテトチップスのようになってしまい、厚すぎると乾燥に時間がかかり、中が生乾きになる可能性があります。均一な厚さに切るのが難しい場合は、ブロック肉を半冷凍状態にすると包丁が入りやすく、綺麗にスライスできます 。
最後に、スライスした肉の表面に残っている脂身や筋を、包丁の先で丁寧に取り除きます 。このひと手間が、臭みがなく美味しいジャーキーを作るための重要なポイントです。
牛肉の部位についてさらに詳しく知りたい方は、以下のリンクが参考になります。
農林水産省:牛肉の部位の紹介
ジャーキーの味を決める!自家製スパイスと漬け込みの秘訣
ジャーキーの醍醐味は、なんといってもその「味付け」にあります。市販品にはない、自分だけのオリジナルフレーバーを追求できるのが自家製ジャーキーの最大の魅力です。ここでは、味の決め手となるスパイスの選び方と、肉にしっかりと味を染み込ませるための漬け込み(
マリネ)の秘訣について掘り下げていきます。
漬け込み液のベースとなるのは、主に醤油、塩、
砂糖です。これらを組み合わせることで、味の骨格を作ります。
基本的な漬け込み液(ソミュール液)の材料例
| 調味料 |
役割 |
ポイント |
| 醤油 |
味のベース、風味付け |
肉の臭みを消し、深いコクと香ばしさを加えます。 |
| 塩 |
味付け、保存性向上 |
肉の水分を抜き、味を引き締め、雑菌の繁殖を抑えます。塩分濃度は正確に計量することが重要です 。 |
| 砂糖(三温糖など) |
味のまろやかさ、照り |
塩味を和らげ、味に深みを与えます。仕上がりの色艶も良くなります。 |
| 酒・ワイン |
風味付け、臭み消し |
肉を柔らかくし、風味を豊かにします。赤ワインを使えばビーフジャーキーに深みが出ます 。 |
もし、
調味料を一つずつ計量するのが面倒であれば、市販の「焼肉のたれ」や「
めんつゆ」をベースにするのも簡単な方法です 。
そして、ジャーキーの個性を引き出すのが多種多様な「スパイス」です。いくつかのスパイスを組み合わせることで、複雑で奥行きのある味わいを生み出すことができます。
- 🌶️ ブラックペッパー: ピリッとした辛みと爽やかな香りが特徴。ジャーキーには欠かせないスパイスです 。
- 🌶️ ガーリックパウダー: 食欲をそそる香りで、どんな肉とも相性抜群です 。
- 🌶️ オニオンパウダー: 優しい甘みとコクをプラスします 。
- 🌶️ クミン: エスニックな力強い香りが特徴。ラム肉などクセのある肉によく合います 。
- 🌶️ スターアニス(八角): 甘くスパイシーな香りで、特に豚肉との相性が良いです 。
- 🌶️ チリパウダー: 辛いもの好きにはたまらない、刺激的な辛さを加えます。
- 🌶️ ローズマリー: 爽やかな香りが特徴で、鶏肉や白身魚のジャーキーにおすすめです。
これらのスパイスを自分好みにブレンドしてみましょう。例えば、「醤油+ブラックペッパー+ガーリック」で王道の味、「焼肉のたれ+
コチュジャン+ごま油」で韓国風、「
ナンプラー+
レモングラス+チリ」でタイ風など、アイデア次第でバリエーションは無限に広がります。
調味液とスパイスを準備したら、
ジップロックなどの密閉できる袋に肉と一緒に入れ、よく揉み込みます 。この時、肉をボウルの側面に押し付けるようにすると、味が均一に染み込みやすくなります 。
漬け込み時間は、味の濃さを左右する重要な要素です。
- 1〜2時間: あっさりとした仕上がり。肉本来の味を楽しみたい場合におすすめです 。
- 一晩(8〜24時間): スパイスの風味が中までしっかりと染み込み、濃厚な味わいになります 。
冷蔵庫でじっくりと時間をかけて味を馴染ませることで、肉はより一層美味しくなります。この待つ時間も、美味しいジャーキーを作るための楽しみの一つと言えるでしょう。
ジャーキーの作り方別!オーブン・フードドライヤー・燻製での乾燥方法
漬け込みが終わった肉を、いよいよ乾燥させていきます。ジャーキー作りのクライマックスとも言えるこの「乾燥」工程には、いくつかの方法があります。それぞれに特徴があり、仕上がりの風味や食感が異なります。ここでは、家庭で実践しやすい代表的な3つの方法「オーブン」「フードドライヤー」「燻製」について、その手順とコツを詳しく解説します。
🔥 オーブンを使った作り方
家庭に最も普及している調理器具であるオーブンは、ジャーキー作りにも大活躍します。特別な機材を必要とせず、手軽に挑戦できるのが最大のメリットです。
- 準備: 漬け込んだ肉の表面の水分をキッチンペーパーで軽く拭き取ります。
- 並べる: オーブンの網に、肉が重ならないように並べます。網の下にアルミホイルを敷いた天板を置くと、滴る肉汁や脂を受け止めてくれて掃除が楽になります 。
- 乾燥: 予熱したオーブンで乾燥させます。ポイントは低温でじっくりと水分を飛ばすことです。一般的に100℃〜110℃で60分〜90分ほど加熱します。途中、30分に一度くらい肉を裏返すと、ムラなく乾燥させることができます。
- 確認: 竹串などを刺してみて、透明な肉汁が出てくれば完成の目安です。肉の厚さやオーブンの機種によって乾燥時間は変わるので、様子を見ながら調整してください。
🌬️ フードドライヤーを使った作り方
食品乾燥機(フードドライヤー)は、まさにジャーキー作りのための道具とも言えます。低温の温風で効率よく水分を飛ばすことができるため、肉のうま味や栄養素を損なうことなく、本格的なジャーキーを作ることができます。