ヌクマムとナンプラーの違いと特徴と使い方

ヌクマムとナンプラーの違いと特徴と使い方

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ヌクマムとナンプラーの違い

ヌクマムとナンプラーの基本情報
🐟
原産国

ヌクマム:ベトナム発祥の魚醤 / ナンプラー:タイ発祥の魚醤

🧂
主な原材料

どちらもカタクチイワシなどの小魚と塩を発酵させて作られる

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発酵期間

ヌクマム:6~12ヶ月 / ナンプラー:12~18ヶ月

ヌクマムとナンプラーの成分と製法の違い

ヌクマムとナンプラーは、どちらも東南アジア料理に欠かせない魚醤ですが、その製法と成分には明確な違いがあります。

 

ナンプラーはタイ発祥の調味料で、カタクチイワシなどの小魚を塩とともに12~18ヶ月間漬け込み、じっくりと熟成・発酵させて作られます。熟成を終えて搾り出された液体に砂糖を加えて完成するのが特徴です。タイ語で「nam(液体)」と「pla(魚)」を組み合わせた名前が示すように、魚から抽出された液体調味料という意味を持っています。

 

一方、ヌクマムはベトナム発祥の魚醤で、同じくカタクチイワシなどの小魚を塩とともに漬け込みますが、発酵期間は6~12ヶ月とナンプラーよりも短いのが特徴です。ベトナム語の「Nước(液体)」と「mắm(塩辛)」に由来し、搾り出した液体をそのまま完成品とします。砂糖などを加えないため、より素材そのものの風味が強く出ています。

 

成分面での大きな違いとして、アミノ酸含有量があります。これは窒素含有率(°N)で表され、ナンプラーは10°N~20°N程度であるのに対し、ヌクマムは30°N~40°Nと高い数値を示します。この数値が高いほど旨味と香りが強く、価格も高くなる傾向があります。

 

ヌクマムとナンプラーの風味と塩分の特徴比較

ヌクマムとナンプラーは見た目が似ていますが、風味と塩分において明確な違いがあります。

 

ナンプラーは発酵期間が長く、製造過程で砂糖が加えられるため、魚の風味が比較的マイルドで、塩味とうま味のバランスが取れています。また、わずかに甘みを感じることもあり、全体的に穏やかな風味が特徴です。この特性から、タイ料理の繊細な味わいを引き立てる役割を果たしています。

 

対照的に、ヌクマムは発酵期間が短く、魚そのものの風味が強く出ています。アミノ酸含有量が多いため、より濃厚な旨味と香りを持ち、塩分も強めです。ナンプラーと比較すると、より力強い風味と存在感があり、料理に深みとコクを加えます。

 

塩分濃度についても違いがあり、一般的にヌクマムの方が魚に対する塩の割合が少ないものの、発酵期間が短いため塩味がより強く感じられることがあります。このため、料理に使用する際には量の調整が重要になってきます。

 

これらの風味の違いは、料理の好みや目的に応じて使い分けるポイントとなります。マイルドな味わいを求める場合はナンプラー、より強い旨味と風味を求める場合はヌクマムが適しているでしょう。

 

ヌクマムとナンプラーの料理別の使い分け方

ヌクマムとナンプラーは、それぞれの特性を活かした使い分けが料理の味を左右します。それぞれの調味料が最も活きる料理と使い方を見ていきましょう。

 

【ナンプラーが活きる料理】

  • パッタイ(タイ風焼きそば):炒め物の味付けとして使うと、食材の風味を引き立てつつも主張しすぎない
  • トムヤムクン:スープの複雑な風味のベースとして、他のハーブやスパイスとバランスよく調和する
  • ガパオライス:ひき肉炒めの味付けに使うと、程よい塩味と旨味が加わる
  • ソムタム(青パパイヤサラダ):ドレッシングの一部として、爽やかな風味を引き立てる

【ヌクマムが活きる料理】

  • フォー:スープの深い旨味のベースとして、牛骨スープと相性が良い
  • 生春巻き(ゴイクオン):つけダレの主役として、野菜の甘みを引き立てる
  • 鶏手羽のヌクマム風味揚げ:下味や仕上げのソースとして、鶏肉の旨味を増幅させる
  • 川魚の土鍋煮(カークホートー):魚の臭みを消しつつ、深い味わいを与える

【つけダレとしての使い方】
ヌクマムは特に「ヌクチャム」というつけダレの材料として重宝されます。基本的なレシピは以下の通りです。

  1. ヌクマム(大さじ2)
  2. 水(大さじ4)
  3. 砂糖(大さじ1)
  4. ライムまたはレモン汁(大さじ1)
  5. みじん切りのニンニク(1片)
  6. 輪切り唐辛子(お好みで)

これらを混ぜ合わせるだけで、生春巻きや揚げ物、ゆで野菜などに最適なつけダレになります。ナンプラーでも同様のつけダレが作れますが、より穏やかな風味になります。

 

料理の特性や好みに合わせて、これらの魚醤を使い分けることで、東南アジア料理の奥深い味わいを楽しむことができます。

 

ヌクマムとナンプラーの代用と相互互換性

ヌクマムとナンプラーは、それぞれ独特の風味を持ちますが、レシピによっては互いに代用することが可能です。ただし、風味の違いを考慮した調整が必要になります。

 

【ナンプラーをヌクマムで代用する場合】
ナンプラーをヌクマムで代用する際は、ヌクマムの方が風味が強く塩味も強いため、レシピで指定された量より少なめに使うのがコツです。具体的には、ナンプラー大さじ1に対して、ヌクマム小さじ2〜大さじ1程度を目安にします。また、ヌクマムの強い魚の香りを和らげたい場合は、少量の砂糖(小さじ1/4程度)を加えると、ナンプラーに近い風味になります。

 

【ヌクマムをナンプラーで代用する場合】
逆に、ヌクマムをナンプラーで代用する場合は、ナンプラーの方がマイルドな味わいのため、レシピで指定された量より少し多めに使います。ヌクマム大さじ1に対して、ナンプラー大さじ1と小さじ1程度が目安です。また、ナンプラーはヌクマムより甘みがあるため、レモン汁や酢を数滴加えると、より本格的な風味に近づきます。

 

【どちらも手に入らない場合の代用品】
両方とも手に入らない場合は、以下の代用品を検討できます。

  • 日本の魚醤(しょっつる、いしる、いかなご醤油など):風味は異なりますが、同じ魚醤として代用可能
  • 醤油+アンチョビペースト:醤油大さじ1にアンチョビペースト小さじ1/2を混ぜると、魚醤に近い風味になります
  • 醤油+かつお節:醤油大さじ2にかつお節小さじ1を浸して30分ほど置き、こした液体を使用

ただし、これらの代用品は風味が本物とは異なるため、料理の仕上がりも変わることを念頭に置いてください。本格的な東南アジア料理を楽しみたい場合は、可能な限り本物のヌクマムやナンプラーを使用することをおすすめします。

 

ヌクマムとナンプラーの保存方法と選び方のポイント

質の良いヌクマムやナンプラーを選び、適切に保存することで、その風味を最大限に活かすことができます。ここでは、選び方と保存方法のポイントを詳しく解説します。

 

【選び方のポイント】

  1. 窒素含有量(°N)をチェック
    • ヌクマム:高品質なものは30°N~40°N
    • ナンプラー:高品質なものは10°N~20°N
    • 数値が高いほど旨味と香りが強く、高級品とされています
  2. 原材料をチェック
    • 理想的には「魚と塩」のみのシンプルな原材料
    • 添加物や保存料が少ないものを選ぶと本来の風味を楽しめます
  3. 色と透明度
    • 良質なものは琥珀色~赤褐色で、比較的透明度が高い
    • 濁りが強いものや極端に暗い色のものは避けましょう
  4. 産地
    • ヌクマム:フーコック島産が最高級とされています
    • ナンプラー:タイ南部のラヨーン県産などが有名
  5. 用途に合わせた選択
    • 加熱調理用:中程度の品質(ヌクマムなら30°N前後)
    • つけダレ用:高品質(ヌクマムなら35°N以上)

【保存方法】

  1. 開封前
    • 直射日光を避け、冷暗所で保存
    • 未開封であれば1年以上保存可能
  2. 開封後
    • 必ず冷蔵庫で保存(10℃以下)
    • しっかり蓋を閉めて保存
    • 開封後は6ヶ月以内に使い切るのが理想的
  3. 保存容器
    • 元の容器のままでも問題ないが、気になる場合は清潔なガラス容器に移し替える
    • プラスチック容器は香りが移る可能性があるため避ける
  4. 注意点
    • 時間が経つと沈殿物ができることがありますが、品質には問題ありません
    • 使用前に軽く振ると均一になります
    • カビが生えたり、異臭がしたりした場合は使用を中止してください

良質なヌクマムやナンプラーを選び、適切に保存することで、東南アジア料理の本格的な味わいを長く楽しむことができます。特に高級品は風味が豊かで、少量でも料理に深みを与えてくれるため、料理の幅を広げたい方にはぜひ試していただきたい調味料です。

 

ヌクマムとナンプラーを活用した簡単アレンジレシピ

ヌクマムとナンプラーは東南アジア料理だけでなく、日本の家庭料理にも取り入れることで、新しい味わいを楽しむことができます。ここでは、日常的な料理に取り入れやすい簡単アレンジレシピをご紹介します。

 

【ヌクマム活用レシピ】

  1. ヌクマム風味の冷奴
    • 材料:豆腐1丁、ヌクマム小さじ1、ごま油小さじ1/2、刻みネギ、輪切り唐辛子
    • 作り方:豆腐に上記の調味料をかけるだけ。醤油の代わりにヌクマムを使うことで、深いうま味が加わります。

       

  2. ヌクマム鶏の唐揚げ
    • 材料:鶏もも肉300g、ヌクマム大さじ1、にんにくすりおろし1片分、しょうがすりおろし1片分、片栗粉適量
    • 作り方:鶏肉を一口大に切り、ヌクマムとにんにく、しょうがで30分漬け込み、片栗粉をまぶして揚げる。通常の唐揚げよりもコクのある味わいに。

       

  3. ヌクマム風味の野菜炒め
    • 材料:お好みの野菜(キャベツ、ピーマン、人参など)、ヌクマム小さじ2、砂糖小さじ1/2、にんにくみじん切り
    • 作り方:野菜を炒めた後、調味料を加えて手早く炒める。シンプルながらも深い味わいの一品に。

       

【ナンプラー活用レシピ】

  1. ナンプラーサラダドレッシング
    • 材料:ナンプラー大さじ1、レモン汁大さじ1、砂糖小さじ1、オリーブオイル大さじ2、みじん切りの青唐辛子
    • 作り方:全ての材料をよく混ぜ合わせる。グリーンサラダやトマトサラダにかけると、爽やかな風味が楽しめます。

       

  2. ナンプラーバター炒飯
    • 材料:ご飯茶碗1杯分、卵1個、バター10g、ナンプラー小さじ2、刻みネギ
    • 作り方:フライパンでバターを溶かし、溶き卵を加えて半熟状態にし、ご飯を加えて炒める。最後にナンプラーを回しかけて炒め合わせる。バターとナンプラーの意外な組み合わせが絶品。

       

  3. ナンプラー風味の茹で野菜
    • 材料:ブロッコリー、アスパラガス、インゲンなど好みの野菜、ナンプラー小さじ2、レモン汁小さじ1、ごま油小さじ1/2
    • 作り方:茹でた野菜に調味料を混ぜたものをかける。シンプルながらも深い味わいの