鉄分は、体内でヘモグロビンの材料となって、全身に酸素を運ぶという重要な役割を果たしている栄養素です。
赤ちゃんは出生時には体内に鉄を貯蔵しているのですが、成長していく中で5カ月頃までにはその貯蔵鉄を使い切ってしまいます。
鉄分が足りないと、赤ちゃんの成長や発達に影響を与える可能性があります。鉄欠乏性貧血になると、貧血による疲れやだるさが出やすくなるため、食欲不振になったり、寝つきが悪くなったりするんですね。
また、鉄欠乏性貧血は、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。早めに鉄分を補うことが大切です。
とくに母乳育児の場合は、母乳の鉄含有量が少ないため、6カ月頃から鉄欠乏を生じやすいともいわれています。必要量を補うために、適切な時期に離乳食を開始し、鉄を含む離乳食レシピや育児用ミルクなどを取り入れることが大切です。
赤ちゃんの体によさそうな母乳の方が鉄が不足してしまうんですね。
離乳食の開始が遅れている場合は、母乳だけではなく市販の鉄分が入ったミルクで鉄分を補うのが良いでしょう。
たとえば、市販の「明治ステップ」には、100gあたり1.25mgの鉄が含まれています。
参考)明治ステップ
といっても、赤ちゃんの1日の鉄の推奨量は6~11ヶ月男児で5.0mg、女児で4.5mgなので、ミルクだけでは足りないんですね。
鉄分を多く含む食材を使った離乳食で、鉄分が足りないようにしていきたいものです。
例えば、小松菜はアレルギーの心配がなく鉄分が取れる優秀な食材です。ただし、使えるのは離乳食中期(7~8ヶ月ごろ)以降なので、注意してください。
関連)小松菜で離乳食
鉄分の量が多い離乳食では、他に鶏レバーがあります。ベビーフードで鶏レバーのペーストが販売されています。
こちらも、使えるのは離乳食中期以降です。いきなりレバーを食べさせず、まずはお肉が食べられるかどうかを試してみてください。
関連)鶏レバーの離乳食
離乳食後期・完了期になると鉄分を取れる離乳食の多くが使用可能になります。使いやすいのは、魚系でしょうか。
まぐろは離乳食中期(7、8ヶ月頃)からいけますし、アジも離乳食後期から使えます。
関連)離乳食のまぐろ
大人は刺し身でもいけますが、赤ちゃんは食中毒にとても弱いので、かならず火を通しましょう。煮てパサパサになってしまう場合は、片栗粉でとろみを付けると食べやすいです。
ほぐしてとろみをつけた「みぞれあえ」がおすすめ。
完了期になれば、1cm大くらいの塊でまぐろのサイコロステーキにするのも良いでしょう。
赤ちゃんは、1日にどのくらい鉄分を接種すればいいのでしょうか?
厚生労働省の食事摂取基準によれば、6~11か月の男児は、毎日5.0㎎の鉄分を摂取することが推奨されています。
離乳食期になると、赤ちゃんの鉄分の摂取量が増加します。
この摂取目標を達成するためには、鉄を多く含む食材(ヘム鉄を積極的に摂取することを含む)または、レシピなどを参考に離乳食を調理する必要があります。
また、ビタミンCとの併用が必要な場合もあるので、すべての栄養素をバランスよく摂取するための注意が必要です。
鉄分不足が良くないのは事実ですが、「鉄さえ取ってれば大丈夫」というわけでもありません。
鉄の吸収に影響を与える栄養素として、ビタミンCが挙げられます。ビタミンCは鉄の吸収を促進し、身体に吸収される鉄の量を増やす効果があるため、鉄分を摂る際にビタミンCを豊富に含む食品を一緒に摂ることをおすすめします。
酸味のある果物には、ビタミンCが豊富に含まれています。例えば、オレンジやグレープフルーツ、レモンやライム、キウイフルーツなどが挙げられます。また、野菜にもビタミンCを含むものがたくさんあります。例えば、ブロッコリーやかぼちゃ、にんじんやトマトなどです。
たんぱく質も鉄の吸収に影響を与えます。良質なたんぱく質を同時に摂ることで、鉄分の吸収率を上げることができます。たんぱく質は肉や魚、卵、豆腐、納豆などに含まれています。特に、赤身の肉や魚には良質なたんぱく質が豊富に含まれているので、鉄分を摂る際には一緒に摂ると良いでしょう。
以上のように、鉄分を摂る際にはビタミンCや良質なたんぱく質を同時に摂ることを心がけると、より効果的に鉄分を吸収することができます。
離乳食で鉄分を摂取するためのおすすめ。