

ノンフライヤーで耐熱皿を選ぶ際、最も重要なのは「サイズ」と「素材」です。まず、お持ちのノンフライヤーのバスケット(かご)の内寸を正確に測り、それよりも一回り小さいサイズの耐熱皿を選びましょう。ギリギリの大きさだと、熱風の循環が悪くなり、加熱ムラや生焼けの原因になります。特に、高さがある皿はヒーターに近くなりすぎる可能性があるため注意が必要です。理想は、皿の周囲に2〜3cm程度の隙間が確保できるサイズです。
次に素材ですが、それぞれに得意な調理と不得意な調理があります。それぞれの特徴を理解して、作りたい料理に合わせて使い分けるのがおすすめです。
以下の表は、素材ごとの特徴をまとめたものです。ぜひ参考にしてください。
| 素材 | メリット | デメリット | おすすめの料理 |
|---|---|---|---|
| 耐熱ガラス | 中が見える、均一加熱 | 急な温度変化に弱い | プリン、ケーキ、ラザニア |
| 陶磁器 | 保温性が高い、デザイン豊富 | 熱伝導が緩やか、割れやすい | グラタン、ドリア、アヒージョ |
| セラミック | 遠赤外線効果、手入れが楽 | 衝撃に弱い | ローストチキン、焼き野菜 |
| シリコン | 軽くて割れない、扱いやすい | 油汚れが落ちにくい、傷つきやすい | パン、マフィン、蒸し料理 |
| 金属製 | 熱伝導が良い、丈夫 | 機種によっては使用不可、錆びる可能性 | 焼き魚、グリルチキン |
参考情報として、耐熱皿の素材や特性について詳しく解説している調理器具メーカーのサイトも役立ちます。以下のリンクでは、ADERIA(アデリア)の耐熱ガラス製品について、使用区分や特性が詳しく説明されています 。
ADERIA公式クックウェア紹介ページ
「ノンフライヤー用の耐熱皿が欲しいけど、まずは手軽に試したい」という方にとって、100円ショップは非常に魅力的です。実際に、ダイソー、セリア、キャンドゥなどの100均には、ノンフライヤーで使える可能性のある商品が数多く並んでいます 。しかし、代用品を選ぶ際には、いくつか重要な注意点があります。
最大の注意点は、「オーブン使用可能」の表示を必ず確認することです。「電子レンジ可」とだけ書かれているものは、オーブンでの使用はできません 。電子レンジのマイクロ波加熱と、オーブンのヒーターによる加熱では、温度の上昇の仕方が全く異なります。レンジ専用のものをオーブンで使うと、変形したり、最悪の場合、破損や溶解、有害物質が発生する危険性もあります。特にプラスチック製の容器は、ほとんどが電子レンジ専用なので注意しましょう 。
100均で見つけやすい代用品としては、以下のようなものがあります。
100均の商品を使う際は、安価なだけに品質にばらつきがある可能性も考慮しましょう。初めて使う前には、必ず容器にひび割れや傷がないかを確認する習慣をつけることが大切です。また、ニトリなどでも手頃な価格で使いやすい耐熱皿が見つかることがあります 。サイズが合うか心配な場合は、メジャーを持参してお店に行くと確実です。
耐熱皿を使うと、ノンフライヤーで調理できる料理の幅が格段に広がります。揚げ物だけでなく、焼く、蒸す、煮込むといった調理が可能になり、まるで小さなオーブンのように活用できます。ここでは、いつもの食事がもっと楽しくなる、少し意外な活用レシピを3つご紹介します。
難しそうに見えるフォンダンショコラも、ノンフライヤーと耐熱皿(ココット皿がおすすめ)を使えば意外と簡単に作れます。ポイントは焼き時間。短めに設定することで、中のチョコレートがとろりとした絶妙な状態に仕上がります。
🍴 材料(ココット皿2個分)
🍴 作り方
カマンベールチーズを丸ごと使った、見た目も華やかな一品。耐熱皿を使うことで、チーズが溶け出してもバスケットを汚さず、後片付けも簡単です。バゲットや温野菜、ソーセージなど、お好みの具材をディップして楽しんでください。
🍴 材料
🍴 作り方
アルミホイルやクッキングシートを敷いた耐熱皿を使えば、味噌だれが美味しいちゃんちゃん焼きも手軽に作れます。野菜から出る水分で蒸し焼き状態になり、鮭はふっくら、野菜は甘く仕上がります。
🍴 材料(1人分)
🍴 作り方
お気に入りの耐熱皿を長く安全に使うためには、日々のお手入れと正しい使い方がとても重要です。ちょっとした心がけで、耐熱皿の寿命は大きく変わります。ここでは、見落としがちな手入れのコツと、やってはいけないNGな使い方について解説します。
これらの点に注意するだけで、耐熱皿はキッチンで長く活躍してくれる頼もしいパートナーになります。正しい知識で、安全にノンフライヤー調理を楽しみましょう。
「耐熱」という言葉から、「熱に強い万能な皿」というイメージを抱きがちですが、そこにはいくつかの誤解や危険性が潜んでいます。「みんなやっているから大丈夫」「これくらいなら平気だろう」といった思い込みが、思わぬ事故につながることも。ここでは、ノンフライヤーで耐熱皿を使う際に陥りがちな「安全神話」と、その危険性について深掘りします。
多くの人が最も信頼を寄せているであろう「耐熱ガラス」。しかし、これは「割れないガラス」ではありません。前述の通り、耐熱ガラスの弱点は「急激な温度変化」です。例えば、熱いグラタンを取り出してすぐにシンクで水をかける行為は非常に危険です。ガラスが持つ「耐熱温度差(多くの製品で120℃程度 )」を超えると、内部の歪みに耐えきれず、突然「バーン!」という音とともに粉々に砕け散ることがあります。これは爆発的な割れ方(爆発飛散)をすることがあり、高温の破片が広範囲に飛び散るため、大やけどや怪我につながる可能性があります。
意外な落とし穴:調理台に飛び散ったわずかな水滴の上に、熱い耐熱皿を置いただけでも割れることがあります。必ず乾いた布巾や鍋敷きの上に置く習慣をつけましょう。
普段使っているお気に入りの陶器のお皿。「少し厚手だし、レンジも大丈夫だからノンフライヤーでも使えるはず」と考えるのは危険です。陶器には、土の種類や焼き方によって様々なものがあり、オーブンで使える「耐熱陶器」と、食器としての使用を前提とした「普通の陶器」は全くの別物です。耐熱性でない陶器を高温で加熱すると、膨張率の違いからひびが入ったり、釉薬(うわぐすり)が溶け出して有害物質が発生する可能性もゼロではありません。必ず底面などの表示を確認し、「オーブン可」「直火不可」などの指示に従ってください 。
ノンフライヤーは熱風で調理するため、火を使わずに安全と思われがちです。しかし、庫内は200℃以上の高温になります。そこに耐熱性でない皿や、アルミホイル、クッキングシートがヒーターに触れるような使い方をすると、発火のリスクが伴います。特に、紙やアルミホイルなどの軽いものを食材を乗せずに使用すると、熱風で舞い上がり、ヒーターに接触する危険性が高まります。
独自視点:マイクロ波との混同からくる危険性
意外な盲点として、「電子レンジでの温め」と「ノンフライヤーでの加熱」を混同してしまうことがあります。例えば、電子レンジではOKな「フタをしたままの加熱(蒸気口がある場合)」も、密閉状態になるノンフライヤーでは内圧が高まり危険です。また、電子レンジで使える「発熱シート」付きの冷凍食品用パッケージなどを、ノンフライヤーで使おうと考えるのは絶対にやめましょう。発熱の仕組みが全く異なり、異常加熱や発火の原因となります。
安全に使うためには、製品の取扱説明書を正しく読み、耐熱皿の素材の特性を理解することが何よりも大切です。便利な道具だからこそ、正しい知識を持って安全に使いこなし、料理を楽しみましょう。以下のリンクは、独立行政法人国民生活センターの公式サイトです。調理器具の安全性に関するテスト情報などが掲載されることがあるため、参考にすると良いでしょう。
独立行政法人国民生活センター

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