

弱火で丁寧に焼くほど、カチョカヴァッロは溶けてドロドロになって失敗します。
カチョカヴァッロは、イタリアのナポリ地方を発祥とする、ひょうたん型が特徴の個性的なチーズです。「カチョ」はイタリア語でチーズ、「カヴァッロ」は馬を意味し、チーズを熟成させるときに袋に入れて吊るす様子が「馬の鞍に荷物をぶら下げる」姿に似ていることが名前の由来とされています。原料は馬の乳ではなく、一般的には牛乳です。
製法は、熱湯の中でチーズの生地を練りながら形を整える「パスタ・フィラータ製法」が用いられます。これはモッツァレラチーズと同じ製法で、手作業の工程が多いため大量生産が難しく、職人の技が光るチーズです。
カチョカヴァッロには大きく分けて2つの種類があります。
- ビアンコ:シンプルに熟成させたプレーンタイプ。牛乳の優しい甘みとミルクの風味が豊かで、くせが少ない。初めての方にも食べやすいタイプです。
- アッフミカータ:熟成後にさらに燻製にしたスモークタイプ。燻製の香りがチーズのうまみを底上げしてくれるため、ワインやビールとの相性が抜群です。
塩分が控えめで万人に食べやすい味わいのため、子どもから大人まで幅広く楽しめます。これが基本です。日本では花畑牧場(北海道)が製造する80gサイズの小ぶりなタイプが特に有名で、スーパーや通販でも手軽に入手できるようになりました。
「焼いて食べるチーズ」として知られるカチョカヴァッロですが、実は焼き方を間違えると一瞬でフライパンの上でとろけ広がり、ただのチーズの海になってしまいます。失敗の最大の原因は「温度管理のミス」です。
まず、切り方から解説します。焼く前に冷蔵庫でしっかり冷やしておくことが絶対条件です。常温に戻したチーズを焼くと、表面が焦げる前に中心部まで熱が伝わって液状化してしまいます。切る厚さの目安は1.5cm〜2cmが黄金比です。お菓子の「マリービスケット」の幅(約5cm)くらいを想像しながら、その3分の1程度の厚みが目安になります。
次に、フライパンはテフロン(フッ素樹脂)加工のものを使ってください。鉄のフライパンはくっつきやすく、剥がすときに皮が破れてしまいます。
| ステップ | ポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| ①冷やす | 焼く直前まで冷蔵庫で冷やす | 常温に戻すのはNG |
| ②カット | 厚さ1.5〜2cmに輪切り | 1cm以下は即溶け崩れ |
| ③フライパン予熱 | 強めの中火でしっかり予熱 | 弱火は厳禁! |
| ④触らない | 焼き色がつくまで動かさない | 動かすと皮が破れる |
| ⑤裏返す | 底が茶色になったら1回だけ | 何度も返すと形が崩れる |
どうしても形をキープできない場合は、焼く前に薄力粉を茶漉しで薄くまぶしてみましょう。粉がデンプン膜を作ってコーティングしてくれるので、驚くほど形を保ちやすくなります。これは使えそうです。
小麦粉をまぶすと若干カリッとした衣食感になり、それはそれで美味しいアレンジになるというメリットもあります。表面に気泡がふつふつと出てきたら、ひっくり返すサインです。そこまで待つのが原則です。
花畑牧場カチョカバロの失敗しない焼き方・焼き崩れ防止の温度管理と皮の食べ方について詳細解説 – チーズジャーニー
カチョカヴァッロは「焼かなければ食べられない」と思い込んでいる方も多いですが、そのまま食べても十分においしいチーズです。特に燻製タイプの「アッフミカータ」は、加熱せずにそのまま食べることで燻製特有の香りとチーズのコクを丸ごと楽しめます。
そのまま食べる場合の切り方は、薄めのスライス(3〜5mm程度)がおすすめです。薄く切ることで弾力のある歯切れの良い食感を楽しめ、ワインやクラフトビールのおつまみにぴったりです。ハムやサラミと一緒にカッティングボードに並べると、おしゃれなチーズプレートになります。
一方、焼いて食べる場合は厚めにカットするのが原則です。目的によって切り方を変えるのが、カチョカヴァッロをおいしく食べるための基本中の基本です。
そのまま食べる場合の具体的な楽しみ方を紹介します。
- 🍷 ワインのお供に:薄切りにしてプロシュート(生ハム)やドライフルーツと合わせる。バルサミコ酢を少したらすと風味が引き立ちます。
- 🥗 サラダのトッピングに:薄くスライスしてルッコラやトマトのサラダに乗せると、チーズの塩気が野菜の甘みを引き立てます。
- 🍺 ビールのつまみに:スモークタイプをそのままかじるのが一番シンプルで、クラフトビールとの相性が最高です。
冷蔵庫から出したてのカチョカヴァッロは少し硬めですが、室温で5〜10分ほど置くと食感がやわらかくなり、ミルクの甘みも感じやすくなります。そのまま食べるなら少し温めるのが条件です。
基本の焼き方をマスターしたら、次はアレンジレシピに挑戦してみましょう。カチョカヴァッロはくせが少なく塩分も控えめなので、和風・洋風どちらの調味料とも相性抜群です。
① 和風の王道!カチョカヴァッロの磯辺巻き
焼きあがった熱々のカチョカヴァッロに醤油を数滴たらし、パリパリの焼き海苔で巻いて食べます。ミルクの濃厚な甘みと醤油の香ばしさ、海苔の磯の風味が合わさって、「洋風のお餅」のような新感覚の味わいを楽しめます。子どもにも大人にも喜ばれる、家族全員で楽しめる食べ方です。
厚さ2cm強に切ったカチョカヴァッロを強火でしっかり焼き、焼きあがりにバターを小さじ1と粗挽き黒胡椒をたっぷりかけます。ステーキのような食べごたえがあり、赤ワインとの相性が抜群です。週末のちょっとした贅沢ディナーに最適です。
③ カプレーゼ風ホットグリル
焼いたカチョカヴァッロを厚切りトマトと交互に盛り付け、フレッシュバジルを散らしてオリーブオイルをかけます。仕上げに塩と黒胡椒で味を整えれば完成です。トマトの酸味がチーズの濃厚なミルク感を引き立て、ハレの日の前菜にもなります。
④ ピザ風トースト
食パンにカチョカヴァッロを薄くスライスして乗せ、トースターでこんがりと焼きます。お好みで市販のピザソースを塗ってから乗せると、手軽なピザトーストの完成です。朝食や子どものおやつにも使えます。
⑤ 焼きナスとのマリアージュ
縦半分に切ったナスをオリーブオイルで焼いてトロトロにしたら、その上に焼いたカチョカヴァッロを乗せます。ナスのとろけた食感とチーズのとろける食感が重なって、箸が止まらなくなります。夏の食卓にもおすすめのひと品です。
いずれのアレンジも、仕上げのひと手間で印象が大きく変わります。つまり、チーズ自体のおいしさが下地にあるから成立するレシピです。
カチョカヴァッロを無駄なく最後まで楽しむために、正しい保存方法を知っておくことが大切です。花畑牧場の代表的な80gサイズは、未開封であれば製造日から約120〜180日(製品によって異なる)と長めの賞味期限が設定されています。ただし、開封後はこの限りではありません。
開封後の保存手順
1. 切り口をラップでぴっちりと密閉する
2. ジップロックなどの保存袋に入れ、できるだけ空気を抜く
3. 冷蔵庫(10℃以下)に保管し、3〜4日以内に食べ切る
食べ切れない場合は、スライスしてから冷凍保存することも可能です。凍ったまま直接フライパンで焼けるので、解凍の手間も省けます。冷凍保存が使えるのは、カチョカヴァッロの便利なところです。
購入場所の選び方
カチョカヴァッロは以下の場所で購入できます。
- 🛒 スーパーやデパ地下:北海道物産展やチーズコーナーで取り扱いがある場合があります。常時在庫があるとは限りません。
- 🏬 カルディコーヒーファーム:時期によって輸入品のカチョカヴァッロを取り扱うことがあります。
- 🖥️ 通販(楽天市場・Amazon):クール便で確実に入手できます。送料がかかるため、ほかの商品とまとめ買いするとお得です。
- 🏢 コストコ:セット販売でお得に購入できる場合があります。まとめ買い向きです。
購入時に必ず確認したいのが、パッケージ裏面の「種類別」と「原材料名」の表示です。「種類別:ナチュラルチーズ」「原材料:生乳、食塩」のみのものが本来のカチョカヴァッロです。加工チーズや乳化剤入りの製品と混同しないよう注意してください。ここだけ覚えておけばOKです。
カロリーは100gあたり約350〜386kcalと高めですが、糖質はほぼゼロで、たんぱく質は100gあたり約20〜25gと非常に豊富です。ダイエット中でも糖質制限を行っている方であれば、1食あたり40〜50g(約140〜190kcal)を目安に取り入れることができます。ただし、他のチーズと比べると脂質が多めなので、食べ過ぎには注意に注意すれば大丈夫です。

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