

クリームソースだけがフェットチーネに合うと思ったら、それは家族の食事機会を半分以上損しています。
フェットチーネは幅が約8〜10mmの平打ちロングパスタで、断面が長方形になっています。スパゲッティの直径が約1.7〜2.0mmであることと比べると、麺の幅はおよそ5倍以上。その分だけ麺の表面積が大きくなるため、ソースが全面に接触しやすく、「しっかり絡む」という特性を生かした料理が作れます。
もちもちとした食感もフェットチーネの大きな魅力です。これは主に「デュラムセモリナ」という硬質小麦を原料としているためで、噛み応えが強く、口の中でソースと一緒に咀嚼することで旨みが増します。食べ応えがあるので、家族の満足感も高い一皿に仕上がりやすいです。
イタリア語で「小さなリボン(fetta=帯・切れ)」を意味するフェットチーネは、1908年のローマで生まれたと言われています。シェフのアルフレードが体調の優れない妻のためにバターとチーズをたっぷり絡めたパスタを作ったのが起源で、その後1920年代にアメリカへ渡って世界中に広まりました。つまり元々は「濃厚なソースと組み合わせる」ことを前提に広まったパスタなのです。
| パスタ種類 | 幅・太さ | 向いているソース |
|---|---|---|
| フェットチーネ | 約8〜10mm(平打ち) | クリーム系・ボロネーゼ・和風バター醤油 |
| タリアテッレ | 約5〜8mm(平打ち) | カルボナーラ・白ワイン煮込み系 |
| スパゲッティ | 直径約1.7〜2.0mm | オイル系・アマトリチャーナなど幅広く |
| パッパルデッレ | 約20〜30mm(平打ち) | 赤ワイン煮込みの肉ソース |
幅広パスタは、濃度のあるソースが基本です。逆に言えば、オイルベースのさらっとしたソースはフェットチーネとの相性がそれほど良くありません。フライパンで炒めたペペロンチーノ風のソースは麺に絡まりにくく、物足りない仕上がりになりやすいので注意が必要です。
参考:パスタとソースの選び方について、実際のレストランシェフの視点から詳しく解説されています。
パスタに合わせるソース選び ロングパスタ編②(リングイネ・フェットチーネなど)|il calice
クリームソースはフェットチーネとの相性が最もよいとされるソースの代表格です。生クリームのコクと脂分が、幅広の麺全体に均一にまとわりつき、口に入れた瞬間からリッチな味わいが広がります。これが合う理由です。
定番の濃厚カルボナーラは、卵黄・粉チーズ・生クリーム・ベーコンで構成されます。ポイントは「火を止めてからソースを絡める」こと。卵黄が固まりすぎると、なめらかさが失われてザラッとした食感になってしまいます。フライパンを火から外し、茹でたフェットチーネを加えてから余熱で和えるのが正解です。
クリームソースの中でも特に人気が高いのが「きのこのクリームソース」です。しめじ・舞茸・エリンギなど3種類以上のきのこを合わせると、それぞれの風味が重なって深みが出ます。きのこを一度しっかり炒めて水分を飛ばしてから生クリームを加えると、ソースが水っぽくなる失敗を防げます。これは使えそうです。
もう一つ試してほしいのが「ゴルゴンゾーラのクリームソース」です。ゴルゴンゾーラはイタリアのDOP(原産地名称保護)指定を受けた青カビチーズで、少量でも非常に濃い風味が出ます。生クリーム100mlに対してゴルゴンゾーラ30〜40gが目安。クリームと混ぜながら弱火で溶かし、茹で汁を少し加えて濃度を調節します。フェットチーネの幅広な麺面にしっかり絡み、チーズの旨みが口いっぱいに広がります。
クリームソースが基本です。
日本パスタ協会のデータによると、「パスタは高カロリーで太りやすい」と思っている女性は約7割にのぼります。しかし実際にはパスタのGI値は41と低く、白米(88)やうどん(85)と比べて血糖値の上昇が緩やかです。クリームソースはカロリーが高めですが、フェットチーネ自体は消化吸収がゆっくりなため、腹持ちが良く食べすぎを防ぐ効果も期待できます。
参考:パスタのGI値や栄養価についての詳しいデータが掲載されています。
「フェットチーネにはクリームが定番でしょ」と思っている方も多いですが、実はトマト系ソースも非常によく合います。フェットチーネの幅広な面にトマトソースが絡み、酸味と甘みがもちもちの麺とよく調和します。意外ですね。
シンプルなトマトソースを作る場合は、缶詰のホールトマト(400g缶1個)を潰し、オリーブオイル・にんにく・塩で煮詰めるだけでOKです。ベーコンや玉ねぎを加えるとコクが増します。このトマトソースを少し濃いめに仕上げておくことがポイントで、ゆるいと麺に絡みにくくなります。
ボロネーゼはトマトソースの一種のように思われがちですが、厳密には「ラグー・アッラ・ボロネーゼ」という別料理です。ボローニャ商工会議所で公式に定められたレシピでは、牛ひき肉・パンチェッタ・玉ねぎ・人参・セロリ・トマトペースト・赤ワイン・肉のブイヨンを使います。本来はタリアテッレで食べるのが正統とされていますが、フェットチーネの幅と食べ応えも肉の旨みを引き立てるため、非常によく合います。
一方、ミートソースとボロネーゼの違いは「ひき肉の粗さ」にあります。
市販のパスタソースを使う場合、フェットチーネに合わせるなら「ボロネーゼ系」か「トマトクリーム系」が特においすすめです。日清製粉ウェルナの「青の洞窟 ボロネーゼ」はイタリア人が選ぶパスタソースランキングで1位を獲得したことがあり、237点という高評価を得ています。フェットチーネの幅に負けない濃厚さが魅力です。
つまりトマト系もフェットチーネの強力な相棒です。
参考:フェットチーネやタリアテッレに本格的なソースを合わせるレシピと解説が詳しく掲載されています。
「フェットチーネ」とは?歴史やおいしい食べ方3選|ニューオークボ
「フェットチーネ=イタリアン」という思い込みは、日々の献立を狭めています。実は、バター醤油を使った和風ソースは、フェットチーネのもちもちした食感と非常によくなじみます。これは検索上位にはほとんど出てこない独自の着眼点ですが、実際に試すと「なぜ今まで知らなかったの」と感じるほどのマッチングです。
定番の「きのこバター醤油フェットチーネ」は、しめじ・舞茸・エリンギをバターで炒め、醤油・みりんで味付けするだけの10分レシピです。ポイントは「仕上げにバターを追加する」こと。フライパンで最初に炒める際にバターを使い、最後にもう一かけのバター(5g程度)を麺に絡めることで、つやつやのコーティングができ、ソースが麺に美しく絡みます。
和風ソースの場合は特に「めんつゆ」との相性が良いです。めんつゆ(2倍濃縮)大さじ2+バター10g+きのこ類という組み合わせで、大人も子どもも喜ぶ味付けになります。この比率が条件です。
また、たらこや明太子を使った和風クリームソースもフェットチーネによく合います。たらこクリームを作る際は、生クリーム50mlにたらこ1腹(約40〜50g)を混ぜ、バター5gと醤油少々を加えると本格的な仕上がりに。フェットチーネの幅広な麺にたらこクリームが均一に絡み、見た目も華やかな一皿になります。
さらに意外なのが「アボカドソース」との組み合わせです。アボカド1個(約100〜150g)を潰し、粉チーズ大さじ2・レモン汁少々・塩・こしょうで和えるだけで、濃度のあるクリーミーなソースになります。アボカドは加熱不要なので、茹でたフェットチーネと絡めるだけで完成です。乳製品不使用で仕上がるため、生クリームが苦手な方にも喜ばれます。
キユーピーの「あえるパスタソース きのこバター醤油 鶏肉の和風仕立て」はそのままフェットチーネに和えるだけで完成する市販品で、時短調理にも活用できます。平日の夕食に時間をかけられない日は、市販ソースを賢く使いながらフェットチーネの食べ応えを活かすと、15分以内で満足感の高い一皿が作れます。
フェットチーネを家で茹でると「麺同士がくっついて固まった」という失敗はよく起こります。これは麺の幅が広い分だけ表面積が大きく、でんぷんが糊化しやすいためです。知らないと毎回失敗してしまうので、正しい手順を覚えておきましょう。
まず、茹でるお湯の量は「フェットチーネ100gに対して最低1リットル以上」が必要です。一般家庭でよく使われる小さめの鍋(18cm前後)は水量が少なく、麺を入れた瞬間に湯温が下がりすぎて茹でムラや麺のくっつきが起きやすくなります。できれば24cm以上の大きな鍋を使うのがおすすめです。
塩の量は「お湯1リットルに対して約10g(小さじ2杯弱)」が目安です。プロの料理人はお湯の約2.5%という濃いめの塩水で茹でることが多く、この塩分濃度によってパスタ自体に下味がつき、ソースとの一体感が生まれます。塩が少なすぎると、麺が水っぽくぼんやりした味になるので注意です。
茹でている間の最初の1〜2分間は特に麺がくっつきやすいため、菜箸などで絶えずかき混ぜるようにします。生パスタのフェットチーネは茹で時間が約3分と短いので、投入直後から目を離さないようにしましょう。乾麺タイプは表示時間より1分短めに引き上げ、フライパンでソースと絡める際に余熱で仕上げるとアルデンテの食感が保てます。
ソースを絡める際のコツとして「茹で汁を捨てずに取っておく」ことも重要です。茹で汁には塩分とでんぷん質が溶け込んでいるため、ソースが薄まったときや濃度を調整したいときに大さじ1〜2杯加えるだけで自然にソースがまとまります。これは絶対に覚えておきたいプロの技術です。
麺の茹で汁が条件です。
フェットチーネにソースを絡める際は、ソースが入ったフライパンに麺を投入し、中火で15〜20秒程度一緒に炒めながら全体を和えます。麺がソースをしっかり吸収し、麺とソースが一体化した本格的な仕上がりになります。茹でた麺をそのままお皿に盛ってソースをかけるだけでは、ソースが麺の上にのるだけでうまく絡みません。この手順の違いだけで、味の完成度が大きく変わります。
参考:フェットチーネを家庭で美味しく仕上げる方法について、元イタリアン料理人が詳しく解説しています。
家でフェットチーネを美味しく茹でる"さじ加減"|ホットペッパーグルメ

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