

ノンフライヤーでねっとり焼き芋を作る際、品種選びは最も重要なポイントです。ねっとり系の代表格として人気なのが「安納芋」と「紅はるか」で、どちらも焼くと糖度が50度以上になり、クリーミーな食感が楽しめます。安納芋は種子島が原産で、皮が赤紫色の「安納紅」と淡い黄色の「安納こがね」の2種類があり、果肉はどちらもオレンジ色で濃厚な甘みが特徴です。
参考)https://www.ohisamakudamono.com/?mode=grpamp;gid=2134153
一方、紅はるかは2010年に登録された比較的新しい品種で、安納芋よりもさらに粘質性が高く、ベタッとするほどのねっとり食感が得られます。これはでんぷん量やでんぷんの溶けやすさ、βアミラーゼの活性の強さなどが影響しています。紅はるかの名前の由来は「これまでのさつまいもよりはるかに優れている」という意味で、病害虫への抵抗性や見た目の美しさ、甘みや食感にも優れています。
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従来主流だった「紅あずま」や「高系14号」はホクホク系で水分が少なく、昔は水分の多いねっとり芋は"水芋"として敬遠されていましたが、安納芋のブームを機にねっとり派が人気となりました。ノンフライヤーで焼き芋を作る際は、細長いさつまいもの場合は半分にカットすると、バスケットに複数本入れやすく均一に加熱できます。
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ノンフライヤーでねっとり焼き芋を作るための温度と時間設定には、大きく分けて2つの方法があります。一つ目は低温でじっくり糖化させる方法で、160度で30〜43分加熱します。さつまいものでんぷんを分解する酵素「βアミラーゼ」が働くには60〜65度以上の熱が必要で、70度前後の温度を長時間保つことでデンプン質がより糖化し甘みを引き出せます。
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二つ目は二段階調理法で、まず85度で60分以上加熱して糖化を促進し、その後170〜180度で15〜20分加熱して表面をカラッと仕上げる方法です。あるいは200度で20〜30分加熱した後、余熱で1時間程度放置することで、中までじっくり火を通してねっとり感を高める方法もあります。加熱中は竹串や爪楊枝を刺してスッと通るか確認し、まだ硬い場合は時間を延長します。
参考)https://ameblo.jp/k-hadu/entry-12879656090.html
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さつまいもの大きさや太さによって加熱時間は変わるため、直径3センチ以内なら上記の時間で十分ですが、それ以上太い場合は加熱時間を長めに設定する必要があります。予熱を行う場合は3分程度短縮できますが、予熱なしの場合は記載時間通りに設定するとよいでしょう。
参考)COSORIノンフライヤーを使って焼き芋を作ろう! - ベー…
ノンフライヤーでねっとり焼き芋を作るための下準備には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、さつまいもをよく水洗いして土や汚れを落とし、皮ごと調理するため表面をきれいにすることが大切です。洗った後の水気は切りすぎず、適度に湿った状態を保つことで水分が保たれ、ねっとり感が増します。
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さらにねっとり感を高めたい場合は、キッチンペーパーでさつまいもを包み、軽く水で濡らしてからアルミホイルで包む方法が効果的です。この二重包みにより、加熱中に水分が蒸発せず、まるで蒸し焼きのような状態になり、よりねっとりとした食感に仕上がります。アルミホイルだけで包むよりも、濡れたキッチンペーパーを使う方が圧倒的にねっとり度が高まるという報告もあります。
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参考)ノンフライヤーでしっとり甘々焼き芋
さつまいもが長い場合は10〜13センチ程度の長さにカットし、カットした個数分のキッチンペーパーとアルミホイルを用意します。アルミホイルは破れないようにしっかりと巻き、巻けていない部分がないように注意することが重要で、これを怠ると焦げや生焼けの原因となります。下準備が整ったら、ノンフライヤーのバスケットに重ならないように配置して加熱を開始します。
ノンフライヤーで焼き芋を作る際によくある失敗を避けるため、加熱方法にはいくつかの注意点があります。最も多い失敗は「焦げすぎる」「生焼けや硬さが残る」「一部だけ硬い」といったもので、原因はアルミホイルの巻き方が甘い、焼き時間が不十分、調理温度の管理ミスなどです。特にアルミホイルが破れていたり巻けていない部分があると、その箇所だけが焦げてしまいます。
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加熱中は一度バスケットを取り出して、さつまいもの位置を変えたり裏返したりすることで、熱の当たり方が均一になり焼きムラを防げます。ノンフライヤーは食材の配置が重要で、詰め込みすぎると熱風循環が妨げられ、均一に加熱されません。単層で間隔を確保して配置することで、すべての面に熱が行き渡ります。
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加熱後はすぐに取り出さず、バスケットを本体に戻して余熱で15分〜1時間程度放置することで、中までじっくり火が通りねっとり感が増します。バスケットやホイルはまだ熱いため、取り出す際はトングやクッキングミトンを使い、火傷に注意が必要です。焼き上がりの目安は竹串がスッと刺さることですが、糖分が多いねっとり系の品種は少し抵抗感があることもあるため、時間を目安にするとよいでしょう。
ノンフライヤーで作った焼き芋は、一度にまとめて作って保存しておくと便利です。加熱後すぐに食べても美味しいですが、冷蔵庫で冷やして食べると甘みがより際立ち、ひんやりとしたスイーツ感覚で楽しめます。さらに、一口大にカットして冷凍保存すれば、食べたい時に少しずつ取り出して600Wの電子レンジで2分程度温めるだけで、アツアツ柔らかな焼き芋が復活します。
冷凍保存する際は、完全に冷ました焼き芋をラップで個別に包み、ジッパー付き保存袋に入れて空気を抜いて冷凍庫に入れます。こうすることで風味を保ちながら約1ヶ月程度保存が可能です。解凍時は自然解凍でも電子レンジでもどちらでも美味しく食べられますが、電子レンジの方が短時間でねっとり感を保ったまま温められます。
アレンジとして、焼き芋にバターやアイスクリームをのせると、さらに贅沢なデザートになります。また、余った焼き芋はスイートポテトにリメイクすることもでき、皮を剥いてマッシュし、砂糖、バター、牛乳、卵黄を混ぜて成形し、オーブンやノンフライヤーで焼けば本格的なスイーツが完成します。ノンフライヤーは予熱時間が短く気軽に使えるため、少量のアレンジレシピにも向いています。
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日本調理科学会誌「焼き芋の甘さの秘密」- さつまいものでんぷん糊化とβアミラーゼによる糖化メカニズムについて詳しく解説されています
ねっとり系焼き芋の代表格!安納芋と紅はるかの違いと特徴 - 両品種の色、食感、甘さの違いが詳しく比較されており、品種選びの参考になります