

ノンフライヤーで玉ねぎチップスを作ると、なぜかべちゃっとしてしまう…そんな失敗経験はありませんか?実は、いくつかの簡単なコツを押さえるだけで、お店で売っているようなカリカリ食感の絶品チップスがご家庭でも作れるんです。今回は、失敗しないための下処理から、ノンフライヤーならではの加熱のポイントまで、詳しく解説します。
まず大切なのが、玉ねぎ選びです。春に出回る「新玉ねぎ」は水分が非常に多く、チップスには不向きです。通年出回っている、皮が乾燥した「黄玉ねぎ」を選びましょう。 甘みが強く、水分量が比較的少ないため、カリッとした仕上がりになります。
次にスライスの厚さです。スライサーを使うと、均一な薄さにできるのでおすすめです。1mm程度の薄切りを目指しましょう。 厚さがバラバラだと、薄い部分は焦げ、厚い部分は生焼けになり、食感が悪くなる原因になります。均一な厚さにすることで、火の通りが均一になり、全体がパリッと仕上がります。
スライスした玉ねぎは、5〜10分ほど水にさらしましょう。これにより、玉ねぎ特有の辛味やえぐみが抜け、甘みが引き立ちます。ただし、長時間さらしすぎると栄養素が流れ出てしまうので注意が必要です。
そして、ここが最も重要なポイントです。水にさらした後は、キッチンペーパーで玉ねぎの水分を徹底的に拭き取ってください。 表面に水分が残っていると、ノンフライヤーの熱風で蒸された状態になり、カリカリではなく「べちゃっと」した仕上がりになってしまいます。ペーパーで挟んで、上から軽く押さえるようにして、念入りに水分を取り除きましょう。急いでいる時は、耐熱皿に広げてラップをせずに電子レンジで2〜3分加熱し、水分を飛ばす方法も効果的です。
水分を拭き取った玉ねぎに、薄力粉や片栗粉を薄くまぶすのが、カリカリ食感への近道です。 ポリ袋に玉ねぎと粉(玉ねぎ1個に対し大さじ1程度)を入れて、空気を含ませてシャカシャカ振ると、手を汚さずに均一に粉をまとわせることができます。 このひと手間で、玉ねぎの表面に残ったわずかな水分を粉が吸い取り、衣の役割を果たして食感を劇的に向上させます。
ノンフライヤーは必ず予熱してから使いましょう。設定温度は160〜170℃がおすすめです。 高温すぎると表面だけが焦げてしまいます。バスケットに玉ねぎを並べる際は、決して詰め込みすぎず、重ならないように広げてください。熱風が全体に行き渡ることが、ムラなく仕上げるコツです。
まず170℃で8分ほど加熱し、一度バスケットを取り出して全体を優しく混ぜます。 これで上下を返し、火の通りを均一にします。その後、様子を見ながらさらに5〜7分追加で加熱します。お使いの機種や玉ねぎの量によって加熱時間は変わるので、焦げ付かないようにこまめにチェックしてくださいね。
手作りおやつで気になるのが、やはりカロリーと糖質ですよね。特にダイエット中や健康に気を使っている方にとって、罪悪感なく食べられるかどうかは重要なポイントです。果たして、玉ねぎチップスはヘルシーなおやつと言えるのでしょうか?市販のスナック菓子と比較しながら、その実態を見ていきましょう。
まず、主役である玉ねぎの栄養価を確認しましょう。一般的な玉ねぎ(中1個約200g)の可食部(約188g)あたりのカロリーは約62kcal、糖質は約13.0gです。 100gあたりに換算すると、カロリーは約33kcal、糖質は約6.9gとなります。 これは野菜の中でも特別低いわけではありませんが、食物繊維も含まれており、栄養価の高い食材です。
玉ねぎチップスの最大のメリットは、「揚げる」のではなく「焼く」という調理法にあります。油で揚げるフライドオニオンの場合、玉ねぎが油を吸収するため、カロリーが大幅にアップしてしまいます。一方、ノンフライヤーは少量の油、あるいは油なしで調理できるため、余分な脂質を大幅にカットできます。 素材のカロリー以上にカロリーが増える心配が少なく、とてもヘルシーに仕上がるのです。
分かりやすくするために、市販のポテトチップスとノンフライヤーで作った玉ねぎチップスのカロリーと糖質を比較してみましょう。
| 種類 | カロリー(100gあたり) | 脂質(100gあたり) | 糖質(100gあたり) |
|---|---|---|---|
| 市販のポテトチップス(うすしお味) | 約554 kcal | 約35.2 g | 約54.7 g |
| ノンフライヤー玉ねぎチップス(目安) | 約350 kcal ※1 | 約1.0 g ※2 | 約70 g ※1 |
※1 乾燥によって水分が飛ぶため、100gあたりの糖質量とカロリーの密度は生の状態より高くなりますが、油で揚げたものに比べると大幅に低カロリーです。
※2 オイルスプレーなどを使用しない場合。
上の表を見ると、その差は一目瞭然です。特に注目すべきは脂質の量です。ノンフライヤーで作る玉ねぎチップスは、ポテトチップスに比べて脂質を圧倒的に抑えることができます。糖質は乾燥することで密度が上がり、ポテトチップスと近い数値に見えますが、ダイエット中に特に避けたい「糖質+脂質」の組み合わせを回避できるのが大きな利点です。食物繊維も摂れるので、ダイエット中のおやつや、お子様のおやつとしても安心して選べますね。
シンプルな塩味だけでも十分美味しい玉ねぎチップスですが、せっかく手作りするなら色々な味を楽しみたくありませんか?味付けを少し変えたり、料理にプラスしたりするだけで、その可能性は無限に広がります。ここでは、マンネリ知らずで楽しめる、おすすめのアレンジレシピを5つ厳選してご紹介します。
玉ねぎの調理をするとき、茶色い皮は当たり前のように捨てていませんか?実は、私たちが捨ててしまっているあの皮には、実の部分よりもはるかに多くの栄養が含まれているのです。特に注目すべきは、ポリフェノールの一種である「ケルセチン」という成分。今回は、そんな玉ねぎの皮に秘められた驚くべきパワーと、捨てるなんてもったいない、目からウロコの活用法をご紹介します。
玉ねぎの皮の最大の注目成分は、強力な抗酸化作用を持つポリフェノール「ケルセチン」です。驚くべきことに、その含有量は普段私たちが食べている可食部の約20倍から30倍にもなると言われています。 このケルセチンには、私たちの健康に役立つ様々な効果が期待されています。
こんなにも素晴らしい成分を捨てていたなんて、もったいないですよね。ケルセチンは熱に強く、水に溶け出しやすい性質を持っているので、煮出して使うのが最も効率的です。
栄養満点の玉ねぎの皮、ぜひ今日から活用してみましょう。農薬などが気になる場合は、無農薬の玉ねぎを選ぶか、使う前によく水で洗ってください。
玉ねぎの皮2〜3個分と水1リットルを鍋に入れ、10分ほど煮出すだけで、栄養満点の黄金色の「オニオンだし」が完成します。 これを味噌汁やスープ、カレー、煮物などのベースに使うだけで、料理に深いコクと旨味、そして栄養をプラスできます。ご飯を炊くときに水の代わりに使うのもおすすめです。
洗ってよく乾燥させた玉ねぎの皮を、お茶パックに入れて熱湯を注げば、香ばしい「オニオンピールティー」の出来上がりです。 カフェインゼロなので、寝る前でも安心。少し飲みにくいと感じる方は、麦茶やほうじ茶と一緒に煮出すと飲みやすくなります。
玉ねぎの皮は、家庭菜園や観葉植物の肥料としても活用できます。容器に玉ねぎの皮と水を入れて1〜2週間ほど置いておくと、栄養分が溶け出した液体肥料が作れます。 これを水で薄めて植物に与えることで、化学肥料に頼らない天然の栄養補給が可能です。
玉ねぎの皮の栄養や活用法については、以下のサイトでも詳しく解説されています。
【参考】農林水産省:特集1 食材まるごと使い切る(2)