

焼く前に油を引くと、チーズがフライパンに張り付いて全部溶け出してしまいます。
スカモルツァチーズはイタリア南部のカンパーニャ州・アブルッツォ州を発祥とするチーズで、モッツァレラを1日風乾させたあと数日間熟成させて作ります。名前の由来はイタリア語の「scamozzare(先端や首をひねって切る)」という動詞で、製造工程でチーズの首部分をひねって切り離す作業からきています。
そのまま食べるだけでも十分においしいのがスカモルツァの魅力です。モッツァレラと比べると水分量がやや少なく、ストリングチーズに似たキシキシとした弾力感があります。口に入れるとミルクのやさしい香りが広がり、ほんのりとした塩気があって、チーズが苦手な方でも食べやすいクセのない味わいです。
そのまま食べるときのおすすめの方法は、5〜8mmの薄切りにしてオリーブオイルと黒こしょうを少量かけるだけです。これが一番シンプルで、チーズ本来の風味を引き立ててくれます。トマトやバジルと合わせるカプレーゼ風も相性が抜群で、冷製でもおいしくいただけます。
つまりそのまま食べる場合は、シンプルな組み合わせが一番です。オリーブオイルは風味を邪魔せずコクを足してくれるので、チーズ専門店でも推薦されています。
| チーズ名 | 食感 | 風味 | 主なそのまま食べ方 |
|---|---|---|---|
| スカモルツァ | 弾力があってキシキシ | ミルキーでコクあり | スライス+オリーブオイル |
| モッツァレラ | やわらかくみずみずしい | さっぱり軽やか | カプレーゼ、サラダ |
| ブッラータ | 外側は弾力、中はクリーム状 | 濃厚でクリーミー | そのまま、蜂蜜がけ |
スカモルツァはワインやフルーツとも相性が良く、白ワインやスパークリングと合わせると食卓が一気に華やかになります。まずは一度、そのままシンプルに味わってみてください。
スカモルツァは焼いて食べることで、風味がぐっと増します。外側がカリッと香ばしく、中がとろりと溶け出す食感はたまりません。これがスカモルツァの最大の魅力と言えるでしょう。
焼き方の基本手順は以下の通りです。
「油なし・中火」が基本です。これを守るだけで形を保ったまま香ばしく仕上がります。
強火は厳禁です。表面だけが焦げて中まで熱が通らず、焦げ臭さが出てしまいます。また焼きすぎると形が完全に崩れてしまうので、焼き色がついた時点ですぐに取り出すことが重要です。焼いたスカモルツァは冷めると固くなるため、焼きたてをすぐに食べるのが鉄則です。
調味料はオリーブオイルと黒こしょうだけで十分に味わい深い一品になります。スカモルツァ自体にほどよい塩気があるため、余計な味付けは不要です。ルッコラや焼いたトマトを添えれば、見た目もおしゃれなイタリアンな一皿に仕上がります。
| 焼く場面 | NGな焼き方 | OKな焼き方 |
|---|---|---|
| 火加減 | 強火(表面だけ焦げる) | 中火(全体に均一に熱が通る) |
| 油 | 油を引く(形が崩れやすい) | 油なし(形を保てる) |
| 時間 | 長く焼きすぎ(溶けて崩れる) | 片面1〜2分(焼き色がついたら即取り出す) |
チーズ専門誌「dancyu」でも、別のフライパンでオリーブオイルを少量引いて強火でさっと焼く方法が紹介されています。これはプロ向けの応用技で、熱したフライパンに短時間で焼き目をつける方法です。家庭では油なし中火が失敗が少なくておすすめです。
スカモルツァの焼き方について、イタリア料理の専門サイトでも詳しく紹介されています。
dancyu|スカモルツァ・アフミカータのステーキ きのこソテー添え(プロのレシピも参考になります)
スカモルツァには大きく2種類があります。白くてミルキーな「ビアンコ(白)」と、燻製加工した「アフミカータ(燻製)」です。この違いを知っておくと、料理の場面ごとに使い分けができて格段に料理の幅が広がります。
アフミカータはスカモルツァを成形・乾燥させたあと、短時間だけ燻煙の工程を加えたものです。使用する燻材は小麦の藁が多く、強烈なスモーク臭にはならず食べやすい香りに仕上がっています。表皮がうっすらと茶色に染まり、見た目からもスモーキーな雰囲気が伝わってきます。
意外ですね。燻製と聞くと煙臭いイメージがありますが、アフミカータはむしろ食べやすい部類です。
アフミカータはもともと保存のために生まれたチーズです。保存期間が短いモッツァレラを長持ちさせるために、乾燥と燻煙で水分を飛ばしたのが起源とされています。燻製には防腐・殺菌効果があるため、冷蔵設備がなかった時代でも長期保存が可能でした。
ワインとのペアリングも、ビアンコとアフミカータで異なります。ビアンコには白ワインやロゼが合い、アフミカータには軽めの赤ワインやビールがよく合います。どちらのタイプも、スパークリングワインとの相性は良好です。
アフミカータの詳しい特徴はこちらでも確認できます。
ナポリピザ.jp|スカモルツァ・アッフミカータ—独特の歯ごたえが楽しめるチーズ
スカモルツァは日常の料理に気軽に取り入れられるチーズです。特別な食材や複雑な調理は不要で、いつもの食材にプラスするだけでおしゃれな一品に変わります。これは使えそうです。
以下の4つのレシピはどれも10〜15分以内で作れるものばかりです。
複数のチーズを混ぜると、さらに味に深みが出ます。北海道の白糠酪恵舎では、スカモルツァと旨み系チーズを組み合わせて使うことを推奨しています。スカモルツァが糸引き担当、旨みチーズがコク担当という役割分担で、ピザやグラタンが格段においしくなります。
スカモルツァを購入したあとの保存方法は、味を長持ちさせるうえで非常に重要です。間違った保存をすると風味が急速に落ちるだけでなく、食品衛生上のリスクも生じます。保存方法が条件です。
| 保存方法 | 期間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 常温 | 1日以内(15〜20℃以下) | 夏場は絶対NG。購入後すぐ冷蔵へ |
| 冷蔵(未開封) | 製造日から約6ヶ月 | 2〜5℃が理想。チルド室が◎ |
| 冷蔵(開封後) | 1〜2週間以内 | 密閉容器かラップで空気を遮断 |
| 冷凍 | 最大2ヶ月(−18℃以下) | 解凍は冷蔵庫でゆっくり。再冷凍は厳禁 |
特に気をつけたいのが夏場の常温放置です。30℃以上の環境ではわずか数時間でチーズの表面にべたつきや変色が現れることがあります。管理栄養士チームが監修したTABEDOKIの情報によると、高温下では内部の乳酸菌が活発化して腐敗が進みやすくなるとされています。スーパーやチーズ専門店で購入したら、エコバッグに入れたまま放置せず、帰宅後すぐに冷蔵庫に入れる習慣をつけることが大切です。
開封後は薄くスライスすることで表面積が増え、酸化が早まります。スライス済みのものは7日以内に食べ切るのが安全です。
冷凍保存は可能ですが、解凍後の食感がやや変わります。冷凍したスカモルツァは生食よりも加熱調理向きになるため、ピザのトッピングやグラタンの材料に活用するのがおすすめです。解凍は必ず冷蔵庫でゆっくり行い、一度解凍したものの再冷凍は品質低下につながるため避けましょう。
腐敗のサインとして、変色・異臭・表面のぬめり・カビが見られた場合は、賞味期限内でも廃棄してください。特に小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、より慎重に鮮度確認を行うことをおすすめします。
スカモルツァの保存方法については、こちらも参考にしてください。
TABEDOKI|スカモルツァ(チーズ)の賞味期限と正しい保存方法(管理栄養士監修)
スカモルツァはまだ全国のスーパーで気軽に買えるほど一般的ではありませんが、実は購入できる場所は複数あります。知っておくと便利です。
まず最も身近なのが、イオンやコストコなどの大型スーパーの輸入食材コーナーです。アフミカータタイプは特に輸入食品専門店(カルディ・成城石井など)で取り扱いがあることが多く、価格は100〜150g前後で500〜800円程度が目安です。
選ぶときのポイントは3つです。①真空パックで空気が入っていないもの、②パッケージに水分や気泡がたまっていないもの、③製造年月日が新しいもの。この3点を確認するだけで、鮮度のよいスカモルツァを選べます。
国産と輸入品ではそれぞれの特徴があります。国産は風乾後25日という短い賞味期限が新鮮さの証で、輸入品は真空パックによる長期保存が可能です。どちらも一長一短があるので、使い方や購入ペースに合わせて選んでみてください。
スカモルツァの国産品について、白糠酪恵舎の詳細が参考になります。
チーズ工房 白糠酪恵舎|スカモルツァ(国産チーズの製法・食べ方詳細)