

マースダム チーズは加熱してもそのままでも旨みが増しますが、冷凍してから解凍するとたんぱく質が最大30%失われます。
マースダム チーズは、オランダのNIZO(オランダ酪農研究所)が1970年に開発したセミハードタイプのナチュラルチーズです。正式な原語表記は「Maasdam」で、オランダのチーズの中ではゴーダ、エダムに次いで人気のある品種として位置づけられています。
このチーズの最大の見た目的特徴は、チーズ内部に開いた丸い穴です。この穴は「チーズアイ(チーズの眼)」と呼ばれ、直径1cmから5cm程度のものが複数存在します。穴あきチーズといえばアニメやイラストに登場するイメージが強いですが、衛生管理された製造工程で意図的に作られるものです。
この穴が生まれる仕組みはこうです。生乳を温め、乳酸菌・レンネット(たんぱく質を固める酵素)・プロピオン酸菌を加えて高温で熟成させます。このとき、プロピオン酸菌が発酵の過程で炭酸ガスを発生させ、そのガスの気泡がチーズの内部に閉じ込められて固まることで、あの独特の穴ができあがります。穴の直径が0.5cm未満の場合は熟成が不十分なサインであり、大きな穴ほど長い熟成期間を経た証拠とも言えます。つまり、穴のサイズが熟成度の目安です。
もうひとつの穴の成因として「メカニカルホール」と呼ばれるものもあります。製造工程で型入れする際にカード(凝固した牛乳のたんぱく質)の隙間に空気が入り込んだもので、これはプロピオン酸菌による穴よりも小さなプツプツとした穴です。さらに、生乳に微量に含まれる干し草由来の微生物も穴の形成に関係するという研究も報告されており、チーズの世界の奥深さを物語っています。
マースダムは、同じ穴あきチーズの代表格であるスイスのエメンタールチーズに味が似ていますが、いくつかの点で異なります。エメンタールは木の実のような独特の癖があり、苦手な人もいます。一方、マースダムはナッツのような甘みとマイルドな旨みが特徴で、水分含有量も高いことからエメンタールより柔らかく食べやすい仕上がりです。チーズフォンデュのレシピでエメンタールの代わりに使われることもあるほどです。これは使えそうです。
外見は全体的にクリーム色から黄みがかった色で、ワックスまたは天然のクラストで覆われています。形状は中央が膨らんだ円盤形で、直径約35cm・高さ約12cm・重さ10〜12kgほどが標準的なホールサイズです。
マースダムの熟成期間は90〜180日が一般的で、若いタイプ(1か月熟成)と成熟したタイプがあり、成熟したものほどスパイシーでナッツのような甘い後味が際立ちます。なお、チーズ全体をまるごと購入した場合は保存状態が安定しますが、カットされたものを購入する際は、薄くスライスしてわずかに曲げてみて、割れたり指にべたついたりしなければ品質が良好なサインです。アンモニア臭がするものは劣化している可能性があるため注意が必要です。
チーズプロフェッショナルへの道(Cheese Plus!):マースダムの原語表記・タイプ・形状・熟成期間・脂肪含有量など、専門的なチーズ情報が掲載されています
マースダム チーズ100gあたりのカロリーは約360kcalです。脂質は約28g(脂肪分45%)、たんぱく質は約23.5g、炭水化物はほぼゼロという構成になっています。カロリーはやや高めですが、炭水化物がほとんど含まれていない点が特徴的です。
注目したいのがカルシウム含有量です。マースダムを含むセミハード系チーズは、チーズに含まれる栄養素の中でもカルシウムが牛乳の約6倍に凝縮されているとされています。成人女性の1日あたりカルシウム推奨量は約650mgとされており、妊娠中は900mg、授乳中は1100mgまで引き上げられます。日常の食事でこの量をカバーするのは難しいため、マースダムのような乳製品から効率よく補える点は見逃せません。
たんぱく質も100gあたり約23.5gと豊富です。たんぱく質は筋肉や細胞・血液を作るために欠かせない栄養素であり、成人女性の1日推奨量である50g(目安)の約47%を、マースダム100gだけでカバーできる計算です。しかも体内への吸収速度が速いため、運動後の回復食や、育児で疲れた体に素早くエネルギーを補給したいときのスナックとしても有効です。
さらにビタミンAをはじめとするビタミンB群、メチオニン・リジン・トリプトファンといった必須アミノ酸も含まれています。これらは神経系の健康維持や免疫機能のサポートに関与しています。チーズは腸内での吸収率が高く、カルシウムの吸収率は約40%とも言われており、同量の野菜の約20%より優れています。カルシウム吸収には効率の差があるということですね。
一方で、注意点も正直にお伝えします。マースダムは脂質が高めのため、過剰摂取はカロリーオーバーになりがちです。また、乳糖不耐症の方には向きません。胃腸の弱い方も食べ過ぎに注意が必要です。目安は1日30〜50g程度(スライスチーズ約2枚分)を適度に取り入れるのが現実的です。30〜50gが基本です。
雪印メグミルク「チーズと健康」:チーズに含まれるカルシウムと骨粗しょう症・神経機能との関係について詳しく解説されています
| 栄養素 | マースダム100gあたり | 目安 |
|---|---|---|
| カロリー | 約360kcal | 成人女性1日約2,000kcal |
| たんぱく質 | 約23.5g | 1日推奨量50g(成人女性) |
| 脂質 | 約28g | 脂肪分45% |
| 炭水化物 | ほぼ0g | — |
マースダム チーズの味わいは、ナッツのような甘みとマイルドなコク、そしてほのかな酸味が特徴です。さわやかな後味があり、ヨーグルトに似た乳酸の風味も感じられます。苦みは穏やかで、チーズ初心者にも食べやすいと評価されることが多く、子どもにも抵抗感なく受け入れられやすいチーズのひとつです。
熟成が進んだ「成熟タイプ」では、よりスパイシーで深みのある風味になり、ナッツ感が増します。若いタイプはあっさりとしてミルク感が前面に出るため、好みや使い途に合わせて選ぶのがポイントです。意外ですね。
選ぶときに役立つのが「穴の大きさ」です。穴の直径が0.5cm未満のものは熟成が不十分なサインとされています。一方、穴が大きくしっかりと形成されているものは、プロピオン酸菌が十分に働いた証で、風味も豊かな傾向があります。穴の大きさが選び方のカギです。
スーパーなどで購入するときは、以下のポイントを確認するとよいでしょう。
- 表面がべたついていないか(ぬめりは劣化サイン)
- アンモニア臭がしないか(腐敗のサイン)
- 色が均一でくすんでいないか
- スライスした断面にカビや異色がないか
購入後にそのまま食べるなら、冷蔵庫から出して常温に15〜20分ほど置いてから食べると、チーズ本来の風味がよりよく感じられます。冷たいまま食べると香りが立ちにくいため、もったいない食べ方になってしまいます。常温に戻してから食べるのが原則です。
なお、マースダムはスライスタイプとブロックタイプがあります。ブロックタイプは自分でカットでき、料理によって厚みを調整できるため汎用性が高く、コスパも良いことが多いです。スライスタイプはサンドイッチや軽食にそのまま使えて便利です。使い道に合わせて選んでください。
マースダム チーズは加熱すると溶けやすく、伸びが良いのが特徴です。そのためチーズフォンデュやグラタン、ピザのトッピングなど、加熱料理との相性が非常によく、「エメンタールの代用品」としても積極的に使われています。エメンタールと比べて価格が手ごろで、くせがないため家族全員が食べやすい点も、主婦の強い味方です。
具体的な使い方の場面をいくつか挙げます。
- サンドイッチ・トースト:スライスしてパンに挟むだけ。ハムやトマトと組み合わせると風味がよく馴染みます
- チーズフォンデュ:白ワインと合わせて溶かすだけで本格的な仕上がりに。マースダムはエメンタールより溶けやすく扱いやすいです
- グラタン・キッシュ:加熱すると表面がきれいにとろけ、焼き色もつきやすいため仕上がりが美しくなります
- サラダのトッピング:薄切りにして野菜と合わせると、ドレッシング不要でも旨みが出ます
- チーズプレート:ブドウ・ナッツ・蜂蜜・梨・オリーブと組み合わせると、おもてなしのおつまみとして映えます
加熱せずそのまま食べる場合は、白ワインや軽い赤ワインとの相性も良く、チーズプレートに並べるだけで食卓が一気に華やかになります。
レシピの発展として、家庭でチーズフォンデュをするときにマースダムとゴーダを半々に使うと、風味に深みが出てより本格的な仕上がりになります。フォンデュは15分程度で作れるため、週末の家族のイベントにもぴったりです。これは使えそうです。
また、パスタやリゾットにすりおろして使うと、コクのある仕上がりになります。溶けやすい特性を活かして、スープやポテトグラタンの仕上げに加えるだけでも、料理のレベルが格段に上がります。
Nature Kiosk Facebook:調理時間15分で作れるマースダムを使った家庭用チーズフォンデュのレシピが紹介されています
マースダム チーズの賞味期限は、未開封・冷蔵保存の状態で製造日から約90日(3か月)が目安です。開封後は約14日以内に食べ切ることを推奨します。14日が味と安全性のラインです。
常温での保存は推奨されません。温度が上がるとカビが繁殖しやすく、風味の劣化も早まります。どうしても持ち運びが必要な場面(ピクニックや外出先など)では、保冷バッグを使い、2時間以内に冷蔵庫へ戻すのが安全です。
冷蔵保存のポイントは以下のとおりです。
- 保存温度は0〜4℃が理想(冷蔵庫の野菜室ではなく、チーズ専用の引き出しや一般の冷蔵室が◎)
- 開封後はラップでしっかり密封し、密閉容器またはジッパー付き保存袋に入れる
- 切り口を空気に触れさせないことが風味劣化防止の基本
冷凍保存も可能で、-18℃以下で最大2か月保存できます。ただし、解凍後は食感がやや粉っぽくなるため、そのままかじるのには向かなくなります。グラタン・ピザ・スープなど加熱調理に使う分として冷凍しておくのがおすすめです。1回分ずつラップで小分けにしてから冷凍すると使い勝手が良くなります。
劣化のサインとして、表面にカビ(青・黒・緑色のもの)、アンモニアのような異臭、灰色や茶色への変色、べたつきやぬめり感が挙げられます。これらが見られたら、期限内であっても食べるのは避けましょう。なお、ごく一部だけ白いカビが生えた場合でも、その部分を大きめに取り除けば残りを使えることがありますが、異臭がある場合は全体を廃棄するのが安全です。
チーズの保存に関する意外な落とし穴として、「ラップだけで包んで野菜室に入れる」という方法は、チーズによっては水分が溜まってカビが生えやすくなる場合があります。チーズ専用のワックスペーパー(オーブンシート)で一度包んでからラップで覆うと、適度な通気性が保たれ、より長持ちします。保存はワックスペーパー+ラップが条件です。
TABEDOKI「マースダムチーズの賞味期限と正しい保存方法」:管理栄養士監修のもと、冷蔵・冷凍・常温それぞれの保存方法と腐敗の見分け方がわかりやすくまとめられています
FOODIE「ラップはNG!? チーズの正しい保存法を専門店が解説」:チーズ専門店が推奨するオーブンシートを使った保存法など、プロ目線の保存テクニックが詳しく紹介されています

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