

市販のザアタルを使い続けると、年間で約1万円以上の出費になることをご存知ですか。
ザアタル(Za'atar)は、中東・地中海地域で何百年もの歴史を持つハーブ&スパイスのミックスです。国によって配合が異なりますが、主にタイム・オレガノ・スマック・ゴマ・塩を組み合わせたものが一般的とされています。
アラビア語で「タイム」を意味する言葉がそのまま名称になっており、特定のひとつのハーブを指すこともあれば、ミックス全体を指すこともあります。このため、「ザアタルとはどんな味?」という疑問を持つ方が非常に多いです。
風味の特徴は、酸味・香ばしさ・ハーブの清涼感が同時に広がる点にあります。スマックが加わることで柑橘系のさわやかな酸味が生まれ、ゴマの炒り香りが全体をまとめる構成です。それだけで食欲をそそる風味ですね。
ヨルダン・レバノン・パレスチナ・イスラエルなどでは、朝食のパンにオリーブオイルと一緒につけて食べるのが日常的な食文化です。日本でも近年、中東料理への関心が高まりとともに、料理好きの主婦層を中心に注目を集めています。意外ですね。
一般的なスパイスショップや輸入食材店ではひとつのブレンドが500円〜1,500円程度で販売されていますが、自家製なら材料費を合計しても1バッチ(約50g)あたり200〜400円程度に抑えることができます。つまり、コスパで見ると手作りが断然お得です。
基本レシピの材料は次のとおりです。ポイントは「スマック」の存在で、これがザアタルらしい酸味を生み出す核となります。
| 材料 | 分量(基本比率) | 役割 |
|---|---|---|
| 乾燥タイム(またはオレガノ) | 大さじ3 | ハーブの香り・土台 |
| スマック(酸味スパイス) | 大さじ1.5 | 柑橘系の酸味 |
| 白ゴマ(炒りゴマ) | 大さじ2 | 香ばしさ・食感 |
| 塩 | 小さじ1 | 全体の味のまとめ役 |
| クミン(お好みで) | 小さじ0.5 | 深みのある風味 |
この配合はあくまで「中庸のベース」です。レバノン風はタイムを多めにし、ヨルダン風はゴマを増やして香ばしさを強調するなど、地域や家庭によってアレンジが加えられます。
作り方の手順はとてもシンプルです。まず炒りゴマをフライパンで軽く乾煎りし、香りを引き出してから冷まします。次に全材料をボウルで混ぜ合わせ、スパイスが均一になるよう軽く指でほぐしながらなじませます。これだけで完成です。
特別な調理器具は不要。全行程で5分もかかりません。
乾燥ハーブを使う場合は「葉が細かく砕けているもの」を選ぶと混ざりやすく、仕上がりがなめらかになります。スーパーの製菓・スパイスコーナーで手に入るSBやギャバンの乾燥タイムで十分に代用できます。材料が揃えやすい点も手作りの魅力です。
ザアタルを手作りするうえで最大の壁は「スマックが近所で売っていない」という問題です。スマックはウルシ科の植物の実を乾燥させた酸味の強いスパイスで、日本の一般的なスーパーには置いていないことがほとんどです。厳しいところですね。
入手方法としては、以下の手段が現実的です。
スマックが手に入らない場合の代用として、よく使われるのが「レモン汁を少量混ぜる方法」または「ドライレモンピールパウダー」を使う方法です。酸味の方向性が若干異なりますが、十分においしく仕上がります。
レモン汁を使う際の注意点があります。液体を加えると保存性が大きく落ちるため、作ったら2〜3日以内に使い切ることが必要です。代用するなら粉末タイプが安心ということですね。
また、ザアタルには「タマリンドパウダー」を少量加えるレシピもあります。タマリンドはスマックよりも甘みと深みのある酸味が特徴で、レバノン南部の一部地域のザアタルに近い風味になります。
自家製ザアタルの保存で最も重要なのは「湿気と光を避けること」です。これが基本です。
スパイスミックスは水分と紫外線に非常に弱く、正しく保存しないと2週間ほどで風味が大幅に劣化することがあります。特に炒りゴマが酸化しやすいため、保存環境が味のもちを大きく左右します。
おすすめの保存容器と保存場所は次のとおりです。
まとめると、ガラス瓶×冷暗所が最強の組み合わせです。
なお、スマックの代わりにレモン汁を使ったレシピは「フレッシュザアタル」とも呼ばれ、保存には向きませんが、作りたての風味は市販品を超えることも多いです。その日に食べきる分だけ作ると、フレッシュな香りを最大限に楽しめます。
スパイスの鮮度を維持するうえで、「乾燥剤(シリカゲル)を小さなパックで一緒に入れる」方法も有効です。お菓子の袋に入っている乾燥剤を再利用する方も多く、実用的な知恵として覚えておくと役立ちます。これは使えそうです。
ザアタルが完成したら、さっそく料理に取り入れてみましょう。使い方は非常に幅広く、「スパイスとして足す」というより「調味料として使う」感覚が近いです。
最もシンプルで定番の使い方は「マナーシュ(ザアタルパン)」です。パン生地またはピタブレッドにオリーブオイル(大さじ2)とザアタル(大さじ1)を1:0.5の比率で混ぜてのばし、200℃のオーブンで8〜10分焼くだけです。朝食に最適ですね。
日本の食卓へのアレンジも簡単です。以下のような使い方が主婦に人気です。
ザアタルは「使い慣れたら手放せなくなる」と感じる方が多いスパイスです。最初は少量から試してみて、その香りと酸味のバランスに慣れていくのがおすすめの進め方です。
特に鶏肉との相性は抜群で、「ザアタルチキン」はレバノン料理の定番です。ヨーグルト・ザアタル・オリーブオイルで鶏肉を一晩漬けてから焼く方法は、ジューシーさと香り高さを両立した仕上がりになります。ヨーグルトの乳酸菌が肉を柔らかくするため、安価な胸肉でも満足のいく仕上がりになります。これは知っておくと得する知識です。
中東料理に慣れていない方でも、まずは「オリーブオイルに混ぜてディップ」から始めるのが一番失敗なく、ザアタルの風味を素直に楽しめる入り口です。一回試せばわかります。