アラゲキクラゲの食べ方・下処理と栄養を逃さない調理法

アラゲキクラゲの食べ方・下処理と栄養を逃さない調理法

アラゲキクラゲの食べ方・下処理から栄養まで完全ガイド

乾燥アラゲキクラゲは生のまま食べると食中毒になる危険があります。


📋 この記事の3つのポイント
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アラゲキクラゲとは?

国産きくらげ流通の大半を占める品種。表面に細かい産毛があり、肉厚でコリコリ食感が特徴。生・乾燥どちらも調理可能。

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必ず加熱が大原則

生・乾燥問わず、調理前の湯通し(30秒〜1分)が食中毒予防に必須。炒め物・煮物なら下ゆで不要でそのまま調理OK。

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栄養を逃さないコツ

ビタミンDは脂溶性のため、油と一緒に炒めると吸収率アップ。天日干し1時間でビタミンD量が大幅に増加する。


アラゲキクラゲの食べ方・基本知識と普通のキクラゲとの違い


スーパーで「きくらげ」として並んでいるもののほとんどが、実はアラゲキクラゲという品種です。一般財団法人日本きのこセンターの調査によると、国内のきくらげ類生産量は2007年の約114.8トンから2022年には約2,997.2トンへと15年間で約26倍に急増しており、その増産の中心を担ってきたのがアラゲキクラゲです。栽培が比較的容易で、生産者が取り組みやすかったことが大きな理由です。


アラゲキクラゲと通常のキクラゲ(Auricularia auricula-judae)は、見た目がよく似ていますが、学名が異なる別の種類のきのこです。アラゲキクラゲ(Auricularia polytricha)の最大の特徴は、かさの表面に細かな産毛がたくさん生えていること。この産毛が白っぽく見えることから「裏白キクラゲ」と呼ばれることもあります。


つまり「アラゲキクラゲ」と「キクラゲ」は別物ということですね。


一方、市場に流通する乾燥きくらげ(シロキクラゲを含む)のほとんどは現在も中国産が主流です。国産が増えているのはアラゲキクラゲだけと覚えておくと、スーパーで商品を選ぶ際の目安になります。


また、アラゲキクラゲには黒色タイプと白色変異種(白いアラゲキクラゲ)があります。白いアラゲキクラゲはシロキクラゲと混同されることがありますが、別種です。炒め物や煮物など日常的な和洋中の料理に幅広く使えるのが、アラゲキクラゲの大きな魅力です。


参考:アラゲキクラゲの基礎知識と国産生産量データについて詳しく紹介されています。


一般財団法人日本きのこセンター「アラゲキクラゲを知っていますか?」


アラゲキクラゲの食べ方・生と乾燥の正しい下処理

アラゲキクラゲの下処理は、生か乾燥かで手順が異なります。ここを正しく理解しておくことが、おいしく安全に食べるための第一歩です。


生アラゲキクラゲの下処理


生のアラゲキクラゲをサラダや和え物など非加熱の料理に使う場合は、必ず沸騰したお湯で30秒〜1分の湯通しが必要です。炒め物や鍋料理など加熱調理する場合は下ゆでは不要で、石づきを包丁で切り落とすだけでそのまま調理に使えます。


石づきが必須です。


石づきとは、きのこの根元にあるかたい部分のことで、市販品はすでに除去済みのものも多いですが、かたい箇所があれば包丁で取り除いてください。湯通しの手順は以下のとおりです。


手順 内容
生アラゲキクラゲを軽く水洗いする
石づきを包丁で切り落とす
沸騰したお湯で30秒〜1分くぐらせる
ザルに上げ、粗熱を取る


乾燥アラゲキクラゲの下処理(戻し方)


乾燥アラゲキクラゲは、乾シイタケなどと比べて戻し時間が短いのが特徴です。冷水を使った場合でも30分〜1時間で十分に戻すことができます。急ぐときは36〜38℃程度のぬるま湯を使えば15〜20分ほどで戻せます。


冷水でじっくり戻すのが基本です。


ぬるま湯を使うと時短にはなりますが、栄養や風味が水に溶け出しやすく、食感も柔らかくなりすぎることがあります。プリプリとした本来の食感を楽しみたい場合は、冷水で冷蔵庫に入れたまま6〜8時間ほどかけてゆっくり戻すのがおすすめです。乾燥きくらげ5gに対して水300ml程度が目安の分量です。


品質が良いものであれば、8時間水に浸けると重さが約10倍にふくらみます。はがきの横幅(約10cm)ほどの小さな乾燥きくらげ数枚がボウル一杯に膨らむイメージです。


参考:生・乾燥きくらげの下処理・保存方法を野菜ソムリエプロが詳しく解説しています。


ニチレイフーズ「きくらげの保存と下処理方法」


アラゲキクラゲの食べ方・乾燥の戻し方と冷凍保存の活用術

「乾燥アラゲキクラゲを買っても、使い切れずに余らせてしまう」という悩みは多くの方が持っています。これを解決する方法が、まとめ戻し+冷凍ストックのコンビです。


手順はシンプルです。乾燥アラゲキクラゲをまとめて水で戻し、一口大や千切りなどに切っておきます。湯通しを済ませてから水気をしっかりとキッチンペーパーで拭き取り、1回分ずつ小分けにして冷凍用保存袋に入れて冷凍するだけです。


これは使えそうです。


冷凍保存した場合の保存期間は約1ヵ月。炒め物やスープに入れるときは、凍ったまま直接加えることができるので非常に手間いらずです。サラダや和え物など加熱せずに使いたい場合は、調理の3時間ほど前に冷蔵庫に移して解凍してから使います(20g程度の場合)。


反対に、生アラゲキクラゲの冷蔵保存期間は約1週間です。保存の際はラップで包むか、保存容器に水を張って冷蔵庫に入れておくとプリプリとした食感が長持ちします。しなしなになってしまった場合は、一晩水に浸けると食感が戻ることがあります。


なお、乾燥アラゲキクラゲは常温で長期保存が可能ですが、開封後は湿気を避けて密封した状態で保管してください。東京都の食品衛生調査において乾燥きくらげからサルモネラ菌が検出されたという報告もあるため、戻した後は必ず加熱調理することが条件です。加熱は75℃以上で1分以上を目安にしてください。


  • 🧊 冷凍保存:下処理後に小分けして約1ヵ月保存可能
  • 🌡️ 冷蔵保存:ラップに包んで野菜室で約1週間
  • 🔥 加熱の目安:75℃以上・1分以上が食中毒予防の基準
  • 📦 乾燥品:開封後は密封容器に入れ湿気に注意


アラゲキクラゲの食べ方・ビタミンDを最大化する天日干しと油の使い方

アラゲキクラゲには、乾燥品100gあたりのビタミンD含有量が約128.5μgという、全食品の中でもトップクラスの数値が含まれています。これは干ししいたけのビタミンD量の約7倍に相当します。しかし、このビタミンDを効率よく摂取するにはちょっとしたコツがあります。


天日干しでビタミンDを大幅アップ


日本きのこセンターの研究によると、生のアラゲキクラゲを天日干しする前のビタミンD含量はほぼ検出できないレベルですが、たった1時間の天日干しで乾燥重量1gあたり3.7μgまで急増することが確認されています。乾燥重量100gに換算すると370μgとなり、食品標準成分表の値の2.5倍以上です。


意外ですね。


生のアラゲキクラゲを購入したら、調理前にザルや網に広げて1〜2時間ほど天日に当ててみてください。天日干しの際は、毛が生えて白っぽく見える面ではなく、黒くてツルツルした面を上にして日光に当てる方がビタミンDが効率よく増えます。


ビタミンDは油と一緒に調理すると吸収率アップ


ビタミンDは脂溶性ビタミンです。脂質と一緒に摂取することで腸管からの吸収率が大幅に上がります。炒め物にする際にごま油やオリーブオイルを使うだけで、それが実現できます。きくらげと卵の中華炒め(木須肉)は、この原理を自然に活用した理にかなった一品です。


1日の目安量はどのくらい?


ビタミンDの1日の食事摂取基準(目安量)は18歳以上の男女ともに8.5μgです。天日干しで増やしたアラゲキクラゲであれば、乾燥重量わずか2.3g程度でこの量をまかなえる計算になります。ただし、1日の摂取量の目安は乾燥きくらげで5〜6g(戻した状態で30〜40g程度)とされています。毎日少量ずつ続けることが大切です。


参考:アラゲキクラゲを天日干しした時のビタミンD量の変化データが掲載されています。


一般財団法人日本きのこセンター「アラゲキクラゲを知っていますか?(ビタミンD研究データ)」


アラゲキクラゲの食べ方・食物繊維・鉄分など主婦が押さえたい栄養効果

アラゲキクラゲをキッチンに常備しておく理由は、ビタミンDだけではありません。主婦の健康管理という観点から、特に注目すべき栄養成分が3つあります。


食物繊維:千切りキャベツ1袋より1枚で上回る量


乾燥アラゲキクラゲ4.7g(生に換算すると約47g)1個分に含まれる食物繊維量は3.7gです。スーパーでよく見かける千切りキャベツ150g入り1袋の食物繊維量が3.0gですから、アラゲキクラゲ1個でそれを上回る計算になります。


これはなかなか大きいですね。


アラゲキクラゲの食物繊維の約9割は不溶性食物繊維で、腸内で水分を吸収して膨らみ、便のボリュームを増やすことで腸の動きを活性化します。便秘や肌荒れに悩む女性にとって、日々の食事にちょい足しするだけで腸内環境改善が期待できる食材です。


鉄分:貧血に悩む女性の味方


乾燥アラゲキクラゲ100gあたりの鉄分量は約9.5mgで、レバーと比較しても遜色ないレベルです。月経・妊娠・授乳などで鉄分が不足しやすい女性にとって、低カロリーで効率よく鉄分が摂れるアラゲキクラゲは心強い存在です。


鉄分の吸収率を高めるには組み合わせが条件です。きくらげに含まれる鉄分は非ヘム鉄(植物性)で、単体では吸収されにくい性質があります。ビタミンCが豊富なピーマンやトマト、または豚肉鶏肉などの動物性たんぱく質と一緒に料理することで、体内への鉄分の吸収がスムーズになります。


βグルカン:免疫力維持と血糖値コントロールに


アラゲキクラゲには、食物繊維の一種であるβグルカンも含まれています。βグルカンは白血球の働きをサポートして体の防御力を高める機能があり、さらに食後の血糖値上昇を緩やかにする効果も期待されています。食事の最初にアラゲキクラゲを含む料理を食べる「ベジタブルファースト」の考え方を取り入れると、より効果的に活用できます。


  • 🌿 食物繊維:千切りキャベツ1袋より1個で多く摂れる
  • 🩸 鉄分:乾燥100gあたり約9.5mg、レバー並みの含有量
  • 🦠 βグルカン:免疫調節・食後血糖値の上昇抑制に有効
  • 🦴 ビタミンD:カルシウムの吸収を促し骨粗しょう症予防に貢献


参考:きくらげの栄養成分と効能、油との組み合わせ方など調理ポイントが詳しく掲載されています。


ふるなび「きくらげの栄養とうれしい効能|種類・選び方・効率的な食べ方も」


アラゲキクラゲの食べ方・今日から試せる簡単レシピ3選

アラゲキクラゲをどのように料理に使えばいいかわからないという方に向けて、主婦の日常調理に溶け込みやすいレシピを3つ紹介します。いずれも下処理さえ済ませてしまえば10分以内で作れるものです。


① きくらげの刺身(わさび醤油)


生アラゲキクラゲを30秒〜1分ほど湯通しし、冷水でしめてから食べやすい大きさに切ります。器に盛り付け、わさびと醤油を添えれば完成。プリプリとした食感を最もシンプルに楽しめる一品で、副菜があと1品欲しいときにすぐ作れます。ポン酢で食べてもさっぱりとおいしくいただけます。


② アラゲキクラゲと卵の中華炒め


乾燥アラゲキクラゲを水で戻して細切りにし、ごま油で炒めた後に溶き卵を合わせます。鶏ガラスープの素と醤油で味を整えるだけで、ご飯のすすむおかずになります。ごま油を使うことでビタミンDの吸収率もアップします。豚肉を加えると鉄分の吸収率もさらに高まる、栄養の面でも優れた組み合わせです。


③ アラゲキクラゲご飯(炊き込みタイプ)


乾燥アラゲキクラゲを水で戻して粗めのみじん切りにし、炊飯器に米・水・醤油・みりんと一緒に入れて炊くだけです。きのこ独特の強い香りや風味が少ないアラゲキクラゲは、炊き込みご飯にしても臭みが出にくく、雑穀ご飯のような感覚で食べられます。しらすやちりめんじゃこを混ぜ込むとカルシウムも補えて、ビタミンDとの相性も抜群です。


アラゲキクラゲは味にクセがないのが原則です。炒め物・スープ・サラダ・鍋・デザートと、どんな料理にも自然に溶け込みます。特定の料理専用のきのこではないと覚えておくだけで、食卓への登場頻度が一気に上がるはずです。


参考:アラゲキクラゲを使った簡単レシピや食べ合わせのコツが紹介されています。


きのこ家「はじめての生きくらげ〜調理&保存方法ガイド〜」




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