ワタラッパン スリランカ生まれのプリンを自宅で作る方法

ワタラッパン スリランカ生まれのプリンを自宅で作る方法

ワタラッパンとはスリランカの伝統プリンです

ワタラッパンは「スリランカ生まれ」と思っている方が多いですが、実はもともとマレー系の人々がスリランカに持ち込んだお菓子です。


この記事の3ポイントまとめ
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ワタラッパンとは?

ジャガリー(椰子砂糖)・ coconッツミルク・卵・スパイスを蒸して作るスリランカの定番スイーツ。日本でいえばプリンに近い食感です。

日本の材料で作れる

本場のジャガリーは黒砂糖で代用OK。cocナッツミルク缶はスーパーやカルディで手軽に入手できます。

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スパイスの健康効果も

使うカルダモンは「スパイスの女王」と呼ばれ、消化促進・口臭予防・抗炎症などの効果が期待されています。


ワタラッパンの起源:スリランカに渡ってきた18世紀のスイーツ

ワタラッパンの歴史は、1700年代初頭まで遡ります。当時、オランダの植民地時代にインドネシアやマレー半島からスリランカへ移住した「スリランカ・マレー人」が持ち込んだデザートがルーツとされています。つまり、ルーツはマレー料理にあるわけです。


もともとはイスラム教徒のコミュニティで、「イード・アル=フィトル(断食明け祭り)」などの宗教的な祝祭時に作られる特別なお菓子でした。意外ですね。現在はスリランカ全土で幅広く愛されており、結婚式・誕生日・来客時のもてなしスイーツとして登場するのが定番です。


シンハラ語では「වටලප්පන්」と表記し、タミル語では「வாட்டபாலம்」と書きます。スリランカの2大公用語どちらにも固有の名前があるほど、国民的なお菓子として根付いています。つまりスリランカの「国民スイーツ」というわけです。


日本経済新聞によれば、スリランカ人留学生がこう語っています。「もともとはマレーシアから渡来したマレー人が生み出したお菓子」であり、スリランカでは「イスラム教徒以外にとっても、特別なときに食べるお菓子になった」とのこと。


ワタラッパンの材料:ジャガリー・cocナッツミルク・スパイスの組み合わせ

ワタラッパンに欠かせない材料は大きく分けて4種類です。それぞれに役割があります。


材料 本場の素材 日本での代用品
🍬 甘味料 ジャガリー(キトゥルヤシの蜜を固めた椰子砂糖) 黒糖・ cocナッツシュガー
🥛 液体 ococナッツミルク 市販の ococナッツミルク缶(400ml)
🥚 凝固材 卵(4〜5個) そのまま使用可
🌿 スパイス カルダモン・ナツメグ・シナモン パウダー品がスーパーで入手可能


ジャガリーは「キトゥルヤシ(孔雀椰子)」の花蜜を煮詰めて固めた伝統的な砂糖で、スリランカ産のものを「ハクル」と呼びます。これは精製されていない天然の砂糖で、黒砂糖に近い風味を持ちます。これが基本です。


日本ではジャガリーそのものを手に入れにくい場面もありますが、黒砂糖で代用できます。ただし現地で食べるワタラッパンとは若干風味が変わるので、可能であれば cocナッツシュガー( cocナッツシュガー)を使うと本場に近い仕上がりになります。


仕上げにカシューナッツやレーズンをトッピングするのも定番のスタイルです。これはこれで美味しいです。


材料(10個分) 分量
ococナッツミルク 400ml(缶1本分)
170ml
ヤシ砂糖(黒糖でも可) 250g
5個
カルダモンパウダー 小さじ1/3
ナツメグパウダー 小さじ1/4
小さじ1/4
バニラエッセンス 2滴


ワタラッパンの作り方:失敗しない蒸し方のコツ

作り方はシンプルですが、いくつかポイントを押さえておくと、なめらかな仕上がりになります。大切なのは「火加減と温度管理」です。


まず cocナッツミルクと水を鍋に合わせ、ヤシ砂糖(または黒糖)を加えてぬるま湯程度(40〜50℃)に温めながら砂糖を完全に溶かします。このとき沸騰させないことが重要です。沸騰すると卵液と合わせたときに固まりやすくなります。


次に別のボウルで卵を割り、カルダモン・ナツメグ・塩・バニラエッセンスを加えてよく混ぜます。泡立てるのが目的ではないため、白身をほぐすイメージで静かに混ぜましょう。砂糖液が指で触れるくらいの温度に冷めたことを確認してから卵液と合わせます。卵液が熱でかたまるのを防ぐためです。


合わせた液体をザルで一度こし、小さなカップに注ぎます。アルミホイルでふたをして蒸し器へ。沸騰後は蓋とフタの間にスプーンを挟んで蒸気の逃げ道を作り、弱火で20〜25分蒸します。


✅ 失敗しないポイントまとめ


  • 砂糖液は沸騰させない(砂糖が焦げる・卵が固まる原因になる)
  • 卵液と砂糖液を合わせるときは砂糖液が40℃以下であることを確認する
  • 蒸すときは極弱火にして「す(気泡の穴)」が入らないようにする
  • 容量100mlのカップなら目安は約22分。大きめの容器なら25分以上かけると安定する
  • 竹串を刺して何もついてこなければ完成。冷蔵庫でよく冷やしてからいただく


スが入ってしまった場合も、冷やすと縮まるので味には問題ありません。現地スリランカでもスの入ったワタラッパンはよく見られます。それで問題ありません。


▶ NDISH(世界の料理)ワタラッパンのレシピページ|詳細な分量・手順・材料のコツについて参考


ワタラッパンのスパイスが持つ健康効果:カルダモンとナツメグの力

ワタラッパンには、ただ美味しいだけでなく、スパイス由来の健康効果も期待できます。スイーツなのに身体にも嬉しいです。


🌿 カルダモン(スパイスの女王)


カルダモンはアーユルヴェーダで「最も安全な消化促進剤」とされています。主成分の「テルピニルアセテート」が胃液や胆汁の分泌を促し、消化を助けます。食後のもたれ感や胃酸過多にも効果的です。また「1.8シネオール」という成分による抗炎症・抗ウイルス作用もあり、呼吸器のトラブルにも有効とされています。口臭を抑える効果もあるため、食後に食べると一石二鳥ですね。


🌿 ナツメグ


ナツメグは少量で強い香りを持ちますが、鎮静作用もあります。脂肪の消化を助け、体内のフリーラジカルを減らす収斂剤としても知られています。ただし多量摂取は副作用が出ることがあるので、少量使いが基本です。


🌿 ジャガリー(椰子砂糖)の栄養価


ジャガリーは精製砂糖とは異なり、カルシウム・亜鉛・鉄分・カリウムなどのミネラルが豊富に残っています。精製された白砂糖のGI値が約110であるのに対し、非精製の黒糖・ cocナッツシュガーのGI値は35〜55と低めです。血糖値の急激な上昇を抑えながら甘みを楽しめる点で、白砂糖より身体への負担が少ないとされています。


▶ アーユルヴェーダナビ「カルダモン」|アーユルヴェーダの名医によるカルダモンの効能・使い方について詳解


これらのスパイスが複合的に組み合わさることで、ワタラッパンは「甘さの中に複雑な深みがある」独特の味わいになっています。一口食べると普通のプリンとは明らかに違う余韻が残ります。これが美味しさの正体です。


ワタラッパンを日本で楽しむ方法:カルディ商品・アレンジ・おすすめの食べ方

スリランカに行かなくてもワタラッパンを楽しむ方法は、実は3つあります。


① カルディのワタラッパン風商品を試す


2024年からカルディ(KALDI)が「スパイス香る ococナッツミルクプリン」という商品を販売しています。これはワタラッパンをイメージして作られたもので、黒砂糖の甘みにスパイスを効かせた ococナッツミルクプリンです。1個約288円(税込)・78g・約102カロリーと低カロリーなのも嬉しいポイントです。手軽にワタラッパンの世界観を味わえる手がかりになります。


② 自宅で手作りする


上記のレシピをもとに自宅で作ることができます。ococナッツミルク缶と黒糖はスーパーでも手に入り、カルダモン・ナツメグのパウダーはカルディや輸入食品店で購入可能です。10個分まとめて作っても冷蔵庫で3〜4日保存できます。家族のおやつや来客のもてなしにも使えます。


③ 日本国内のスリランカレストランで食べる


都内や主要都市にあるスリランカ料理店の一部でワタラッパンを提供しています。訪問前に提供しているか確認するのがベストです。ネットで「スリランカ料理 ワタラッパン 近く」と検索してみてください。


食べ方のアレンジアイデア


  • 🍵 スリランカ産の紅茶(セイロンティー)と一緒に楽しむ:濃厚な甘みとさっぱりした紅茶が絶妙にマッチします
  • 🍦 温かいまま食べる:蒸し上がったばかりは柔らかくムース状に近い食感で、これも美味しいです
  • 🥜 カシューナッツを上にトッピングする:香ばしさとコクが加わり、本場スリランカ風に近づきます
  • 🍋 仕上げにシナモンパウダーを少量ふりかける:香りが立ってデザート感が増します


スリランカの紅茶といえばウバやヌワラエリヤなど世界的に名高い産地のものが豊富です。ococナッツミルクの濃厚さと紅茶のタンニンが合わさると、不思議なバランスで味が整います。スリランカ人が「紅茶と一緒に」食べるのには、きちんと理由があるわけです。


▶ ユウキ食品「ワタラッパン」|スリランカ料理家カピラ・バンダラさん監修の本場に近いレシピを紹介