

甘味料は大きく「糖質系甘味料」と「非糖質系甘味料」の2つに分類されます。糖質系甘味料は砂糖やブドウ糖、果糖など糖質として分類される甘味料で、ほとんどの糖質系甘味料は天然にも存在していますが、食品の原材料として使われる場合は工業的に製造されています。一方、非糖質系甘味料は天然甘味料と人工甘味料(合成甘味料)に分けられ、砂糖の数十倍から数百倍の甘さを持つため、使用量が微量となりカロリーがゼロとされているものが多いんです。
参考)https://seitokogyokai.com/knowledge/class/
糖質系甘味料には砂糖以外にも、でんぷん由来の異性化糖や水あめ、砂糖や乳糖を原料にしたオリゴ糖などが含まれます。砂糖は100gあたり約99gの糖質を含み高カロリーですが、オリゴ糖は砂糖よりも低カロリーでありながらしっかりとした甘さが感じられるのが特徴です。糖質系甘味料は体内でエネルギーとして利用されるため、血糖値の上昇に影響を与える点には注意が必要なんですよね。
参考)https://www.mix-nuts.ichoice-coop.com/organic/syokuhintenkabutsu_kanmiryou-19/
糖アルコールは糖質系甘味料に分類される甘味料の一種で、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールなどがこれにあたります。アルコールという名前から酒類を連想するかもしれませんが、両者は全く違うものなんです。糖アルコールは糖質が持つカルボニル基に水素を添加(還元反応)した糖質の総称で、単糖を還元したソルビトールなどが代表的です。
参考)https://rd.bfsci.co.jp/sugaralcohol/
エリスリトールは果物やキノコ類のほか、醤油や味噌などの発酵食品に含まれており、甘さは砂糖の70~75%程度ですっきりとした味わいが特徴です。血糖値を上昇させないだけでなく、一度にたくさん口にしてもお腹が緩くなりにくいのがポイントなんですよね。キシリトールは白樺や樫の木から採れるキシランから作られ、砂糖と同程度の甘さ(甘味度97)があり、虫歯を予防する甘味料としてガムや飴などのお菓子類に使われています。糖アルコールは口の中で酸を作らないため、虫歯菌にとってはゼロカロリー食品のようなもので、虫歯になりにくい甘味料として注目されているんです。
参考)https://mamen.jp/archives/2957/
天然甘味料は植物の葉や果実などに含まれる甘味成分を抽出して作られた甘味料のことです。代表的な天然甘味料には、ステビア、羅漢果(ラカンカ)、甘草(カンゾウ)などがあり、それぞれ甘味の強さや特徴が異なります。
参考)https://sunao-seiyaku.com/manufacturing-and-sales/explanation-of-types-and-properties-of-sweeteners/
ステビアはパラグアイをはじめとする南アフリカ原産のキク科の植物で、葉の部分に甘味が集中しており、甘味は砂糖の200~300倍と言われています。植物性の天然甘味料として幅広く使われており、1gあたり4kcalのエネルギーを持っていますが、砂糖の300倍の甘さを持つため使用量が減り低カロリーが実現できるんです。羅漢果は中国南部が原産のウリ科の多年生つる植物で、果実はとても強い甘味を持ち、その甘さは砂糖の300~400倍と言われています。ミネラルをたっぷりと含んでおり、コクのある甘味が特徴的なんですよね。甘草は豆科の植物で漢方としても使われており、甘味は根の部分に集中し、砂糖の200倍程の甘さがあり、甘味が後に引くのが特徴的で漬物や惣菜などに多く使われています。
参考)https://allabout.co.jp/gm/gc/475108/
人工甘味料は化学合成によって人工的に作られた甘味料で、現在日本で使用されている合成甘味料にはアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アドバンテームの6種類があります。これらの人工甘味料は「カロリーゼロで血糖値にほとんど影響しない」という利点があるんです。
参考)https://pantry-lucky.net/blogs/column/artificialsweetener
アスパルテームはアミノ酸とフェニルアラニンを結合して作られる人工甘味料で、苦味が少なくスッキリとした甘さが特徴です。1gあたり4kcalのカロリー(砂糖と同じ)ですが、砂糖の180~220倍の甘味があるため、砂糖よりも使用量を減らしてカロリーを抑えることができるんですよね。日本では1983年に厚生労働省が添加物として使用を認可しており、飲料、卓上甘味料、ガム、キャンディなどに含まれています。
参考)https://www.aomori.coop/kenmin/news/detail.php?p=943
アセスルファムKやスクラロースも同様に、砂糖の数百倍の甘さを持ちながら低カロリーで、ダイエット食品や低カロリー飲料によく利用されています。人工甘味料は少量で強く甘みを感じられるため、多くの食品や飲料に活用されており、低カロリー、血糖値に影響しにくい、虫歯になりにくいといった機能性が重視されているんです。
参考)https://sweetener.jp/column/883/
厚生労働省が公表する食品添加物に関する情報では、これらの人工甘味料の安全基準が詳しく解説されています。
甘味料を選ぶ際は、低カロリー・糖質オフであることが重要なポイントです。アスパルテームやスクラロースといった人工甘味料は、カロリーゼロで血糖値にほとんど影響しないため、糖質制限中やダイエット中の方に適しています。一方、より自然な甘味を好む場合は、糖質ゼロの天然甘味料(例:ステビア、エリスリトール)を選択できます。これらも血糖値に影響を与えないため、健康的な選択肢なんです。
参考)https://www.myroutine.jp/protein/6003/
ラカントSやエリスリトールなどの糖質を含まない甘味料を活用するのがおすすめで、特に和食の照り焼きや甘い煮物など砂糖を多く使う料理では、代替甘味料の使用が効果的です。エリスリトールは血糖値を上昇させないだけでなく、一度にたくさん口にしてもお腹が緩くなりにくく、虫歯になりにくい甘味料としても注目されているんですよね。また、砂糖大さじ1杯で約9gもの糖質を含むため、糖質制限中は砂糖を多用する調理法はできるだけ避けましょう。
参考)https://www.familyset.jp/column/%E3%80%90%E4%BF%9D%E5%AD%98%E7%89%88%E3%80%91%E7%B3%96%E8%B3%AA%E5%88%B6%E9%99%90%E3%81%A7%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%84%E3%82%82%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7%E8%A1%A8%EF%BC%9A%E8%AA%BF/
甘味料は種類によって甘みや風味が大違いで、溶けやすさや甘みの強さによって使い分けるのがおすすめなんです。お菓子作りでは色味に影響しないものや焦げにくいものを選び、煮物ではコクや照りを出せるものを、飲み物には溶けやすく風味に影響しづらいものを選ぶのがポイントです。
参考)https://kawashima-ya.jp/contents/?p=52391
生クリームやクッキーには白砂糖やグラニュー糖が適しており、煮物には白砂糖、氷砂糖、三温糖のほか、アガベシロップ、はちみつ、オリゴ糖が合います。コーヒーにはグラニュー糖や角砂糖、アガベシロップが溶けやすく風味を損なわないため最適なんですよね。はちみつは砂糖の約1.3倍の甘みがあり、白砂糖より甘味やうまみを感じやすいため、結果として摂取する糖質量を減らしやすいのが特徴です。
参考)https://www.nas-club.co.jp/magazine/diet/sugar-substitute/
エリスリトールを使用したノンカロリーゼリーでは、果汁感をアップさせるためスクラロースとアセスルファムKを組み合わせることで、美味しい味づくりが実現できています。プロテイン飲料でも、エリスリトールを活用することで果汁感を引き出し飲みやすさに注力した製品開発が行われているんです。糖アルコールは高温でも分解や着色が起こりにくく、カロリーも低いことからスポンジケーキやソフトクッキー、低糖質チョコブラウニーなどに使用されることが多く、お菓子作りの幅が広がります。
参考)https://sweetener.jp/column/1218/
糖アルコールや非糖質系甘味料は、糖類と異なり微生物によって発酵されない、つまり酸を生成しないことから、虫歯予防に適しています。エリスリトールやキシリトールなどの糖アルコールは口の中で酸を作らないため、虫歯菌にとっては"ゼロカロリー食品"なので、たくさん摂り込んでもエネルギーや酸を作り出せないんです。スクロースとの区別もつかないため、糖アルコールが豊富に存在する環境では、そればかりを摂取してしまい、その結果、虫歯菌の活動が抑制されるんですよね。
参考)https://manamidentalclinic.com/blog/%E8%99%AB%E6%AD%AF%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%AB%E3%81%8F%E3%81%84%E3%80%8C%E7%B3%96%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/
オリゴ糖はお腹の調子を整えたい人にぴったりの甘味料で、胃酸や消化酵素で分解されずに腸まで届き、善玉菌を増やす働きがあります。ノンカロリーではありませんが、砂糖よりも低カロリーでありながら、しっかりとした甘さが感じられるため、体によい甘味料を探している人にはおすすめです。還元麦芽糖(マルチトール)はでんぷんを還元させることで得られる甘味料で、砂糖よりもおだやかな甘さで、体内でエネルギーとして利用されにくい特徴があります。
人工甘味料の安全性については、厚生労働省の食品添加物のページで詳しく解説されており、現在使用が認められている甘味料は、広範な安全性試験を経て安全性が立証されています。ただし、長期的に果糖を摂取するとインスリン抵抗性や脂肪蓄積に影響する可能性もありますので、控えめにしましょう。
参考)https://gateau-shirahama.com/lowcarb-sweetener/
甘味料に関する詳しい情報は、農畜産業振興機構の砂糖以外の甘味料についてのページでも確認できます。
虫歯は予防したいけれど甘いものはやめられないという方は、キシリトールやエリスリトール、ソルビトールなどが使用されたお菓子・スイーツを積極的に選んでいきましょう。