ウチダザリガニの生息地と北海道の外来種問題を知る

ウチダザリガニの生息地と北海道の外来種問題を知る

ウチダザリガニの生息地と生態・外来種問題を徹底解説

死んだウチダザリガニを川に捨てると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。


📌 この記事でわかること3つ
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ウチダザリガニの主な生息地

北海道を中心に全国へ広がる分布状況と、どんな水辺に多く生息しているかを解説します。

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触れると法律違反になる理由

特定外来生物に指定されているため、生きたまま持ち帰るだけで違法になります。知らないでは済まされません。

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駆除と食べ方の最新情報

自治体や地域住民による駆除活動の実態と、食用として活用する動きについて紹介します。


ウチダザリガニの生息地はどこ?北海道から全国への広がり


ウチダザリガニは、もともと北アメリカ原産のザリガニです。日本には1926年(大正15年)に食用目的で北海道・摩周湖に放流されたのが最初とされています。その後、自然繁殖によって北海道全域へと分布を拡大しました。


現在、最も多く生息しているのは北海道です。阿寒湖・屈斜路湖・摩周湖周辺の河川、釧路湿原の水路など、冷涼な水辺を中心に大規模な個体群が確認されています。水温が低く、水がきれいな環境を好む傾向があります。


北海道以外でも分布が確認されています。長野県の千曲川水系、滋賀県の琵琶湖周辺、岐阜県の一部河川など、本州各地でも生息が報告されています。これは釣りや観賞目的での不法放流が主な原因とされています。


つまり、「北海道だけの問題」ではないということです。


全国的な分布の現状については、環境省が定期的に調査・公表しています。最新の確認状況は以下のリンクから確認できます。


環境省|特定外来生物(甲殻類)ウチダザリガニの解説ページ


ウチダザリガニの生態と特徴|ニホンザリガニとの違い

ウチダザリガニの体長は成体で約10〜15cmほどになります。10cmというと、ちょうどはがきの横幅(14.8cm)より少し短い程度です。在来種であるニホンザリガニが最大でも約8cmほどであることと比べると、一回り以上大きいことがわかります。


体色は茶褐色から暗赤色で、はさみの付け根付近に白い斑点模様があるのが特徴です。これが「ウチダ(内田)」という名前の由来にもつながる識別ポイントとなっています。


繁殖力が非常に高い点も問題です。1匹のメスが1回の産卵で約200〜400個の卵を抱えます。ニホンザリガニの産卵数が約50〜60個程度であることと比べると、その繁殖力の差は歴然です。


意外ですね。これほどの差があるとは。


さらに、ウチダザリガニは雑食性で、水草・水生昆虫・小・カエルの卵まで何でも食べます。在来の水生生物の生息環境を根こそぎ破壊してしまうため、生態系への影響が極めて大きいとされています。ニホンザリガニが生息している地域にウチダザリガニが侵入すると、ほぼ確実にニホンザリガニが駆逐されてしまいます。


ニホンザリガニとの詳しい比較については、下記の国立環境研究所の情報が参考になります。


国立環境研究所|侵入生物データベース「ウチダザリガニ」詳細情報


ウチダザリガニは特定外来生物|知らないと罰金100万円のリスク

ウチダザリガニは2006年に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づき、特定外来生物に指定されました。これが非常に重要なポイントです。


特定外来生物に指定されると、以下の行為がすべて法律で禁止されます。



  • 🚫 生きたまま捕獲して持ち運ぶ(運搬)

  • 🚫 自宅や施設で飼育する

  • 🚫 別の場所に放す(野外放出)

  • 🚫 売買・譲渡する

  • 🚫 輸入する


違反した場合、個人であれば1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は最大1億円以下の罰金が科される可能性があります。これは決して遠い話ではありません。


「川で捕まえた子どもに持って帰らせた」「かわいいから水槽で飼ってみた」という行動が、知らないうちに法律違反になることがあります。罰金だけが問題ではありません。


特に注意が必要なのは、「死んだ個体を川に捨てる行為」です。死骸であっても水中に放棄することは、卵が残っている可能性があることから問題視されています。捕獲した個体は必ず陸上で処分し、可燃ごみとして適切に廃棄することが求められます。


外来生物法の詳細と罰則規定は以下で確認できます。


環境省|外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)の概要


ウチダザリガニの駆除活動の実態|北海道の取り組みと市民参加

北海道では環境省・北海道庁・各市町村が連携して、ウチダザリガニの駆除事業を継続的に実施しています。釧路湿原国立公園内では、罠(もんどり)を用いた大規模な捕獲調査が毎年行われており、年間で数万匹単位の捕獲が報告されています。


これは使えそうです。市民も参加できる仕組みがあります。


たとえば北海道・弟子屈町(てしかがちょう)では、住民ボランティアによる駆除活動が実施されており、捕獲したウチダザリガニを食材として活用するイベントも開催されています。「駆除しながら食べる」という取り組みが、参加者のモチベーション維持に役立っているとされています。


ただし、駆除活動に参加する場合でも、環境省または自治体から「防除実施計画」の認定を受けた団体の活動に限り、捕獲・処分が合法的に認められます。個人が勝手に捕獲して処分する行為は、たとえ駆除目的であっても原則として外来生物法に抵触する可能性があります。駆除参加は必ず公認の活動を通じて行うことが原則です。


北海道内の駆除活動に関心がある場合は、お住まいの市町村の環境担当窓口か、下記の北海道庁の外来種対策ページに問い合わせるのが確実です。


北海道庁|ウチダザリガニ(特定外来生物)の駆除・対策情報


ウチダザリガニは食べられる?主婦が知っておくべき食用・調理の注意点

「駆除した外来種なら食べてもいい」というイメージは広まっています。ウチダザリガニも食用として注目されており、フランス料理では「シグナルクレイフィッシュ」として高級食材扱いされることもあります。身はエビに近い風味で、ボイルやアヒージョ、パスタなどに活用できます。


ただし、食用目的であっても個人が勝手に捕獲することは禁止されています。これが基本です。


公認の駆除イベントや飲食店での提供、自治体が配布する個体を調理する場合には問題ありません。最近では北海道内の道の駅や観光施設で、ウチダザリガニを使ったメニューを提供している店舗も増えています。たとえば弟子屈町や標茶町(しべちゃちょう)の一部施設では、観光客向けに試食・販売が行われています。


調理する際に注意すべきことがあります。必ず十分な加熱処理(75℃以上で1分以上)を行うことが重要です。淡水性の甲殻類には寄生虫(肺吸虫など)が含まれる場合があり、生食や不十分な加熱は健康被害につながるリスクがあります。



  • 🍳 必ず十分に加熱する(75℃以上・1分以上)

  • 🧊 生食・半生は絶対NG(寄生虫リスクあり)

  • 📋 公認活動または公認販売ルートで入手したものだけ調理する

  • 🗑️ 廃棄する際は調理後の殻も可燃ごみへ(川や自然環境への廃棄は禁止)


「食べてみたい」という気持ちは自然なことです。ただし入手ルートと加熱処理の2点だけは必ず守ってください。観光で北海道を訪れる際に、現地のイベントや飲食店で食べてみるのが最も手軽で安全な方法です。


ウチダザリガニの食用利用に関する詳しい事例は、下記の農林水産省の外来種食用利用レポートでも紹介されています。


農林水産省|外来種の食用利用に関する事例集(PDF)






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