とちの実?なにそれ?
絵が独特な絵本として有名な「モチモチの木」のモデルが栃の木(とちのき)。栃の木になる実が「とちの実」というわけです。
「ほっぺたが落ちるほどウマイ」と本の中で言われていますが、今はあまり出回っていません。なぜ?
実は、収穫時期が限られている上に、食べられるようにするためのアク抜きがめちゃめちゃ大変。そのままだと渋くて食べられないんですね。見た目もクリっぽいし、渋い栗という感じの栃の実。
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アク抜きの手順:虫殺し→天日乾燥→貯蔵→ふくらまし→皮むき→ひび入れ→灰汁採取→加灰処理→水さらし→アク抜き確認→蒸す→搗(つ)く
引用:栃の実〈自然採取〉【生・乾燥】 | 天空彩園
今は、そんな面倒なことしなくても美味しいものがたくさんあるので、あまり食べられなくなったのではないでしょうか。
それでも、家でどうしても食べたいんだ!という場合は、必ずアク抜きを行う必要があります。
まず外殻を剥いた栃の実を2-3日間水に浸し、その後、大鍋に移し替えて熱湯をかけ、2-3時間放置します。その後、栃の実を流水で10日から2週間洗い流し、木灰と熱湯を加えてさらに2日間置きます。このプロセスを繰り返すことで、栃の実のアクが抜け、美味しく食べられるようになるのです。
当時、食べ物があまりない山間部では、貴重な食べ物だったみたいです。手間暇さえかければ美味しく食べられるので、子供にウマイものを食べさせてやりたいお母さんが苦労して作ったのでしょう。
表紙を見たことはあるけど、読んだことない、読んだはずだけど忘れたという人向けに解説。
この絵本の中で描かれているのは、実は食べられないとされていたトチノキの実を、先人たちの知恵を駆使して美味しい食材に変える様子です。それが「とちもち」です。
絵本「モチモチの木」では、おじいさんがトチノキの実を粉にして、美味しいお餅を作ります。これが「とちもち」の原型です。
これは、食べ物が豊富になかった時代に、先人たちが自然の恵みを最大限に利用するための知恵です。とちもちは、山里の味とも称され、その素朴な味わいが多くの人々に愛されてきました。
「モチモチの木」で描かれる「とちもち」の作り方は、現代でもそのまま受け継がれています。アクが強いトチノキの実を灰でアク抜きし、その後粉にしてお餅にする。この一連の流れは、絵本の中で詳細に描かれています。
そして、最も重要なのは、おじいさんが実際に「とちもち」を作るシーンです。これは、読者に対して「とちもち」の作り方を直接示すと同時に、その作り方が実際に可能であることを示す証拠でもあります。
この絵本が描く「とちもち」の魅力は、その独特の製法と、それが生み出す深い味わいにあります。
とちもちは、イチから作るよりもできたものを買ったほうが安いし楽なんですよね。
「栃の木」だから、栃木県とかの名産なんじゃないの?と思ったらそうでもなく、上記のとちもちは、新潟県産でした。