

クスクスをそのまま水で戻すと、実は加熱したときより栄養素が20%多く保たれます。
タブレサラダという料理名を初めて聞いた方も、「クスクスを使ったサラダ」と聞けばイメージしやすいのではないでしょうか。タブレとはクスクスに野菜やハーブを混ぜ、オリーブオイルとレモン汁で味付けするサラダのことで、フランスではスーパーのお惣菜コーナーに数種類が並ぶほど日常的な料理です。
主役の「クスクス」は、デュラム小麦のセモリナ粉を水でまとめて乾燥させた粒状の食品で、「世界最小のパスタ」とも呼ばれています。粒の大きさは直径1〜2mmほど、ちょうど細かいあられくらいのイメージです。
タブレの発祥地はレバノン共和国。岐阜県ほどの面積しかない小さな国で生まれたこのサラダが、アラブ世界からフランスへと渡り、今やフランスの国民食と呼ばれるほどの定番料理になりました。つまり中東生まれの料理が北アフリカの食材(クスクス)を使ってヨーロッパ風にアレンジされた、非常に国際的な料理なのです。意外な歴史ですね。
日本でも最近、カルディや輸入食材店でクスクスが手軽に購入できるようになりました。カルディでは「ジンダ ミディアム クスクス 340g」「ギャバン クスクス 500g」などが販売されており、価格は500円前後が目安です。お湯を注いで5〜10分蒸らすだけで食べられるため、忙しい主婦にとっても非常に使い勝手のいい食材といえます。
パリジェンヌが食べている「タブレ」のレシピ|フランス料理の隠れた定番(macaro-ni)
タブレサラダで一番多い失敗は「べちゃっとした仕上がり」です。これには明確な原因があります。それは水分量の調整ミスです。
クスクスの基本的な戻し方は、「クスクス1:お湯1」の割合が目安です。ただしタブレサラダの場合、後から野菜の水分やドレッシングが加わります。そのため、クスクスを戻すお湯の量は同量よりわずかに少なめ(8〜9割程度)に抑えるのが正解です。
手順は以下の通りです。
重要なポイントがあります。先に塩・オリーブオイルで味付けしてからお湯を注ぐと、クスクスに下味がしっかりついて格段においしく仕上がります。後から味をつけようとしても、クスクスの粒の中まで味が入りにくいのです。これが基本です。
また、ラップではなく蒸し器で蒸すと小麦粉のにおいが飛んで、よりきれいな風味に仕上がります。時間的な余裕があるときはぜひ試してみてください。さらに一般的にはあまり知られていない方法として、冷水に1時間ほど浸して戻す方法もあります。食感がより締まり、サラダとして食べたときにぷちっとした歯ごたえが残るのが特徴です。これは使えそうです。
クスクスをほぐすとき、フォークの背を使って横にこするように動かすと、小さな粒が均一にほぐれてきれいな仕上がりになります。一度覚えておけばOKです。
クスクスは「パスタの一種だから太りやすいのでは?」と思われがちですが、実は健康面で非常に優れた食材です。まずカロリーから見てみましょう。乾燥クスクス100gあたりのカロリーは約247kcalで、これは乾燥パスタ(約380kcal)と比べてかなり低い数値です。腹持ちのよさも特徴的で、少量でも満足感を得やすい食材です。
最も注目すべき点は食物繊維の豊富さです。クスクスに含まれる食物繊維の量は、なんと白米の7倍にも達するとされています(出典:イシペディア、BE-PAL)。白米1杯分の食物繊維をクスクスで摂ろうとすると、わずか7分の1の量で同じ量が摂れる計算です。食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘解消や代謝アップにもつながります。
腸活に取り組んでいる方にとって、タブレサラダはとても理にかなった一品です。クスクスの食物繊維に加え、トマトのリコピン、きゅうりのカリウム、パセリのビタミンKやビタミンCが一度に摂れます。パセリは乾燥タイプと比べて生のイタリアンパセリの方がビタミンC含有量が高く、タブレサラダの食材として最適です。
さらにクスクスにはマグネシウムが豊富に含まれており、マグネシウムは血糖値を下げるインスリンの働きを助ける役割があります。血糖値の急上昇を防ぐことで脂肪になりにくい体づくりにも貢献します。つまりダイエット中でも安心して食べられる食材ということです。
腸内環境を整えたい方は、クスクスのタブレサラダに水切りヨーグルト(ラブネ)をトッピングするアレンジもおすすめです。乳酸菌と食物繊維が同時に摂れ、中東風の本格的な味わいも楽しめます。
世界一最小のパスタには白米の7倍もの食物繊維が!|イシペディア(医師監修・クスクスの栄養効果についての解説)
基本のタブレサラダの材料と手順を紹介します。2〜3人分を目安にしています。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| クスクス(乾燥) | 120g |
| お湯 | 100〜110ml |
| トマト | 1個 |
| きゅうり | 1/2本 |
| 赤玉ねぎ(または普通の玉ねぎ) | 1/4個 |
| イタリアンパセリ | 1パック |
| オリーブオイル | 大さじ2 |
| レモン汁 | 大さじ1〜1.5 |
| 塩・こしょう | 各適量 |
作り方の流れはシンプルです。クスクスを先述の方法で蒸らしてほぐした後、野菜の下処理に移ります。トマトは種を取り除いてから角切りにするのがポイントです。種を残したままにすると水分が出てサラダがベチャベチャになるため、種を除くひと手間が仕上がりを大きく左右します。きゅうりも小さめの角切り、玉ねぎはみじん切り、パセリもみじん切りにします。
すべての材料とドレッシング(オリーブオイル+レモン汁+塩こしょう)をボウルで混ぜ合わせたら、ラップをして冷蔵庫で30分以上冷やします。食べる前に再度味を確認し、必要に応じて塩・こしょうで調整してください。冷やすことでクスクスにドレッシングの味がしっかりなじみ、格段においしくなります。これが原則です。
赤玉ねぎを使うと辛みが少なく生でも食べやすいため、特に子どもと一緒に食べる場合や、辛みが苦手な方にはおすすめです。普通の玉ねぎを使う場合は、みじん切りにしてから10分ほど水にさらすと辛みが和らぎます。
冷蔵庫保存では3〜4日間おいしく食べられます。ただし日が経つにつれて野菜が水分を出してやや縮んでくるため、なるべく2〜3日以内に食べ切るのが理想的です。作り置きしておけば、平日の忙しいランチや副菜の一品として重宝します。
基本のタブレサラダを覚えたら、アレンジの幅はかなり広いです。ここでは主婦が日常の食卓で試しやすい3つのアレンジと、あまり知られていない独自の活用方法を紹介します。
① ひよこ豆タブレ(たんぱく質アップ版)
クスクス120gにひよこ豆(缶詰)100gを加えるだけで、たんぱく質と食物繊維がさらに増量できます。ひよこ豆には大豆の2倍の葉酸が含まれており、妊娠中や育ち盛りの子どもがいる家庭でも積極的に取り入れたい食材です。缶詰を水洗いして水切りするだけで加えられるため、手間はほとんどゼロです。これは使えそうです。
② アボカド&レモンタブレ(美容重視版)
アボカド1/2個をサイコロ切りにしてレモン汁をからめ、基本のタブレに混ぜます。アボカドのビタミンEとクスクスのビタミンB群が組み合わさって、美肌・疲労回復に効果的な一品になります。変色防止のためにアボカドは食べる直前に加えましょう。
③ レバノン風ハーブたっぷりタブレ
本場レバノンのタブレはクスクスよりもパセリが主役です。みじん切りにしたイタリアンパセリを両手いっぱい分(約2カップ)たっぷり使い、クスクスの量を通常の半分(約60g)に減らします。緑鮮やかでハーブの風味が豊かな一品になり、パーティーの前菜としても映えます。厳しいですね、パセリを切る量はかなり多いですが、その分香りと栄養素のインパクトは抜群です。
独自アイデア:タブレをスープに溶かす「クスクススープ」活用
あまり知られていない活用法として、余ったタブレサラダをそのままスープのベースに使う方法があります。鍋に水400mlと鶏がらスープの素小さじ1を煮立て、そこに残りのタブレサラダを100g程度加えて軽く温めるだけです。クスクスがスープに溶け出してとろみがつき、リゾット風の一品に早変わりします。翌日のランチに一品加えたいときに特に便利です。冷蔵庫のタブレが余ったとき、捨てずに活用できるので食材ロスの面でも◎です。つまりタブレサラダは「作り置き→翌日アレンジ」まで考えて作ると、週の食費節約にもなります。
レバノン風タブレサラダ|鈴木康一さんの簡単オリジナルレシピ(婦人画報・本格レバノン風タブレの材料と作り方)