
生活クラブは食品の安全性へのこだわりが特に強い生協として知られています。国の基準よりも厳しい独自基準を設け、添加物の使用を厳しく制限しています。具体的には、国が認めている834品目の食品添加物のうち、わずか93品目しか使用を認めていません。これは生協の中でも指折りの厳格さです。
残留農薬についても国の基準の10分の1という厳しい基準を設けており、自前の検査室で検査・公開を行っています。この徹底した安全性へのこだわりは、小さなお子さんがいるご家庭や、食の安全に高い関心を持つ方々から強い支持を得ています。
生活クラブでは「自分たちのための食材を共同で仕入れ、各家庭で必要な分だけ消費する」というスタンスを取っています。組合員の共同運営という色合いが濃く、安心で安全な食材を追求する姿勢が明確です。
東都生協は「産直」(産地直結)を基本理念とし、生産者との直接的な結びつきを大切にしている生協です。青果物、米、精肉、卵、牛乳に関しては100%産地直結を実現し、全国約200の産地から安心安全な商品を届けています。
特に注目すべきは、東京に本拠地を置く生協の中で、化学合成農薬・化学肥料を使用せず栽培した野菜を一番多く取り扱っていることです。また、取り扱っている加工食品の約7割が国産原料60%以上を使用しており、日本の農業と食料自給率向上にも貢献しています。
東都生協には「東都ナチュラル」「わたしのこだわり」「米の精」という3つのオリジナルブランドがあり、安全で美味しい選りすぐりの商品を提供しています。商品の価格帯はスーパーより若干高い程度で、生活クラブと比べるとやや手頃な印象です。
両生協の価格帯と配送料は、利用する上で重要なポイントになります。
生活クラブの配送料(システム手数料)
東都生協の配送料(基本手数料+配達手数料)
価格帯については、最安商品の比較データを見ると興味深い傾向があります。
商品 | 生活クラブ | 東都生協 |
---|---|---|
卵10個 | 311円 | 289円 |
牛乳1ℓ | 288円 | 301円 |
お米5㎏ | 2,739円 | 3,542円 |
ほうれん草1束 | 220円 | 213円 |
生活クラブはお米が特に安く、東都生協は卵とほうれん草がやや安い傾向があります。2025年初頭の米不足による価格高騰の影響を受けにくいのが生活クラブの特徴で、独自ルートで仕入れているためと考えられます。
また、生活クラブでは配送料とは別に、情報誌購読料(毎月100円)、共済掛け金(毎月100円)、まち活動費(年2回で街ごとに異なる)などの費用が発生する点に注意が必要です。
両生協の取扱商品数には大きな差があります。
生活クラブ:約600品目(せっけんなど日用品の取り扱いもあり)
東都生協:食品・青果約900品目、雑貨400品目(合計約1,300品目)
東都生協の方が商品数は多いですが、ミールキットや離乳食に関しては生活クラブの方が充実しています。
項目 | 生活クラブ | 東都生協 |
---|---|---|
ミールキット | 毎週30種弱 | 毎週20種以上 |
離乳食 | カタログ4ページ | カタログ1ページ |
生活クラブのミールキット「ビオサポ食材セット」は、簡単に調理でき、野菜もたっぷり摂れると好評です。一方、東都生協は「手作りおかずキット」や日替わりの「夕食宅配」が人気を集めています。
2025年2月に発表された「ミールキット 首都圏ランキング」では、生活クラブが総合2位を獲得し、「料金」部門では2年連続1位、「利用のしやすさ」部門でも1位となりました。また「共働き世帯」部門でも1位を獲得しており、忙しい共働き家庭からの支持が厚いことがわかります。
両生協とも魅力的な加入特典や割引制度を用意しています。
生活クラブの加入特典
東都生協の加入特典(2025年4月現在の50周年記念特典)
※クレジットカード決済で出資金をお支払い+Web口座登録した場合に適用
割引制度の比較
生活クラブは子育て世帯(妊娠中〜小学校入学まで)の手数料が無料になります。
東都生協には以下の割引制度があります。
特に東都生協のシニア向け割引は手厚く、長期利用者への還元が充実しています。
両生協とも単なる食材宅配サービスにとどまらず、組合員活動や社会的な取り組みを重視しています。
生活クラブは組合員の共同運営という色合いが濃く、組合員自身が運営に参加する機会が多いのが特徴です。食の安全性を追求するだけでなく、環境問題や社会問題にも積極的に取り組んでいます。
東都生協は2025年に設立50周年を迎え、「Tohto Week 2024」などのイベントを通じて、産直・国産へのこだわりを知り、日本の食料問題について考える機会を提供しています。若手生産者との交流や、"おいしいものマーケット"の開催など、生産者と消費者をつなぐ活動に力を入れています。
両生協とも、単に商品を届けるだけでなく、食を通じた持続可能な社会づくりに貢献しようという姿勢が見られます。生活クラブはより理念的・運動的な側面が強く、東都生協は産直を通じた日本の農業支援に重点を置いている印象です。
それぞれの生協の特徴を踏まえると、以下のような方々におすすめできます。
生活クラブがおすすめな方
東都生協がおすすめな方
両生協とも出資金1,000円が必要ですが、退会時には返金されます。また、両生協ともお試しセットが用意されているので、実際に商品を試してから決めるのも良いでしょう。
生活クラブは「人気食材500円セット」、東都生協は「10品まるごとお試しセット」「OISHIINAおためしセット」(各980円)が用意されています。2025年4月現在、東都生協は50周年を記念して特に充実した加入特典を提供しているため、この機会に試してみるのも良いかもしれません。
最終的には、あなたの食へのこだわりやライフスタイル、予算に合わせて選ぶことが大切です。両生協とも安全・安心な食材を提供することに変わりはなく、それぞれの特色を理解した上で選ぶと良いでしょう。
両生協の利用可能エリアと注文方法についても確認しておきましょう。
生活クラブの利用可能エリア
生活クラブは全国21都道府県で利用可能です。東京都を含む関東地方はもちろん、北海道、東北、中部、関西など広範囲をカバーしています。具体的には以下の地域です。
東都生協の利用可能エリア
東都生協は主に東京都とその周辺地域で利用可能です。
注文方法の比較
注文方法 | 生活クラブ | 東都生協 |
---|---|---|
インターネット | ○ | ○ |
注文用紙/注文書 | ○ | ○ |
電話 | ○ | ○ |
スマホアプリ | △ | ○ |
LINE | △ | ○ |
FAX | △ | ○ |
東都生協はスマホアプリやLINE、FAXなど多様な注文方法に対応しており、デジタルツールの活用が進んでいます。生活クラブもインターネットでの注文に対応していますが、東都生協と比べるとデジタル対応はやや控えめです。
両生協とも基本的な配送は週1回で、曜日は地域によって決まっています。東都生協の夕食宅配サービスは週1~5回の配達に対応しており、時間指定はできませんが、毎日の夕食を届けてもらうことも可能です。
不在時の対応も整っており、保冷材やドライアイスを使って玄関先で保管してくれるため、マンション住まいの方も安心して利用できます。
忙しい現代人にとって、ミールキットは大きな魅力です。両生協のミールキットの評価を見てみましょう。
2025年2月に株式会社oricon MEが発表した「2025年 ミールキット 首都圏ランキング」によると、生活クラブは総合2位を獲得しています。特に「利用のしやすさ」と「料金」の2項目で1位となり、「料金」は2年連続の1位を記録しました。また「共働き世帯」部門でも1位となっており、忙しい共働き家庭からの支持が厚いことがわかります。
生活クラブのミールキット「ビオサポ食材セット」は毎週30種弱のメニューがあり、簡単に調理でき、野菜もたっぷり摂れると好評です。食材に無駄がなく、使用されている材料がしっかり分かるので安心感があるという声が多く寄せられています。
一方、東都生協の「手作りおかずキット」は毎週20種以上のメニューがあり、産直・国産にこだわった食材を使用しています。また、日替わりの「夕食宅配」サービスも提供しており、調理の手間をさらに省きたい方に人気です。
両生協のミールキットは、時短になるだけでなく、食品ロスの削減にも貢献しています。必要な分量だけ用意されているため、余らせることなく使い切ることができます。特に1人暮らしや2人暮らしの方にとっては、食材を無駄に