生協に出資金を預けていると、配当という形で利息がつきます。
超低金利の現在、銀行に預けるよりもよっぽどお得感があります。利率は、生協にもよりますが、年0.1%~0.5%くらいまで期待できそう。
ただし、貯金とは大きく違う点があります。
しかし、もしも生協が倒産した場合、出資金を保護するような法律がないのがデメリット。
「倒産したので、出資金もなくなりました」と言われても、文句は言えないということです。
銀行なら、1000万円までは預金保険制度(ペイオフ)により、預金は法律で保護されますが、生協はそういうのナシ。
ただ、現在まで破綻した生協はあるのは事実ですが、出資金が0になって戻ってこなかったということはないんですね。
(資金繰りが苦しくて、出資金の返還にかなり時間がかかったという例はあります。東京南部生協など)
関連)東京南部生協 口コミ
実際には、受け皿となる別の生協が組合員を引き受け、出資金も引き続き受け皿の生協にあずけているという形になっています。
正確に言うと、出資金を保護する法律はないが、破綻によって出資金が消失したという事例はないんですね。
結論、それでもやっぱり、今後も出資金が消失することは絶対ありえないという保証にはなりませんし、完全に貯金の代わりに使うのは微妙かな…といえるでしょう。
利息にしても、銀行よりだいぶ利率が高い…とは言っても、100万円預けても年利0.1%なら1,000円ですし、出資金の最大限度額も決まっています。
それらのデメリットを踏まえて、出資金はちょっとしたヘソクリ程度に考えておくのが良いでしょう。
生協という仕組みは、出資金を支払うことで組合員になり、有利な金額で買い物できます。生協やるなら出資金出すべしと法律で決まってるんですね。
生協の出資金は、預けると配当がつきます。コープデリの2022年の配当実績で年0.5%でした。でも、銀行にあずけるよりは少しマシ。
銀行の預金につく金利は本当にひどくて、銀行の中で普通預金の金利ナンバーワンのあおぞら銀行でさえ、金利は年0.2%です。
関連)あおぞら銀行公式サイト
大した配当もつかないのに、増資する意味って?
うちでは、たまった小銭を生協の出資金に入れています。
配当は大したことないけど、手数料ナシで預けられるんですね。
最近は銀行でも、小銭を自分の口座に入れるのにあほみたいな手数料取ってくるようになったじゃないですか。
そこで、近所のコープ店舗に小銭を持ってって、増資(100円単位)すると…手数料なし!生協好き!
ただ、現金を出資できるのは、コープデリのような店舗アリの大きめ生協だけみたいですね。銀行口座経由で出資するとなると、結局銀行に手数料取られますし…。銀行めぇ!
あと、コープデリの場合は買い物でついたポイントを増資分として出資金に組み込めるんです。
将来、生協を解約したときにたまってたポイントが現金としてもらえるってワケ!
(だけど、ポイントを増資に組み込めない生協もある…)
また、解約しなくても減資といって、出資金の一部を現金化することもできます。
まー、ぶっちゃけ小銭の預け先としてコープデリをありがたく使ってます。生協は組合員目線で考えてくれるはずなので、今後も小銭預け入れに手数料とらないでいて欲しいですね。
関連)コープデリの評判
もうちょっと詳しく見ていきましょうか。
関東のメジャーな生協、コープデリによると、生協の出資金とは以下のようなもの。
出資金とは、加入時に出資をお願いしている資金のことです。
出資金をお支払いいただくことで組合員となり、コープの事業をご利用いただくことができます。
出資金は、他団体における入会金や会費、寄付金などとは異なります。
コープのあらゆる事業の元手になる資金として運用され、脱退時に全額払い戻されます。
引用元:出資金とは何ですか? | よくある質問|コープデリeフレンズ
出資金は、生協のことを定めた法律、通称生協法=消費生活協同組合法の中で定められています。
生協は、組合員から集めた出資金を運営費として使っているんですね。
生協を利用するためには組合員になる必要があり、
組合員になるには一口(ひとくち)以上の出資をする必要があり、
組合員の責任は、出資金額を限度額とする、となっています。
関連)消費生活協同組合法
んー、責任?どういうことなんでしょうか?
生協を利用するには「組合員になる」っていう条件があって、えっ!なんか変な責任とか発生するの?やだなー!
ってことを気にしなくても、最大の責任は出資金額まで!って限定されているんですね。
500円出資したとしたら、何が起こったとしても、せいぜい出資した500円を失うだけで済むということです。
出資金は、生協に加入時に最低口数分を支払い、あとから追加で出資金を支払う「増資」や、いったん出資したお金を一部返金してもらう「減資」が可能です。
支払済みの出資金には、配当がつきます。1年の生協の運用状況に応じて、出資金に利子がつく感じです。
また、退会時には出資したお金が返金されます。
実際、生協には出資金をどのくらい支払えばいいのでしょうか?
出資金のノルマのようなものがあるかどうかは、生協によって大きく違います。
例えば、生活クラブの場合は「5万円を目処に増資をお願いします」ということになっています。
加入時は最低口数の出資金支払いでいいけど、月々積み立てる感じで少しづつ出資金を増資して、最終的には一人当たり5万円になるようにしてくださいということですね。
関連)生活クラブの評判
かと思えば、コープみらい(コープデリ)では、最低出資金のみでノルマのようなものはなし、という生協もあります。
一口(500円)さえ払えば、加入できます。
生協での買い物時につく、ポイントを出資金に増資することができるので、家計を圧迫せずに出資金を増やせるようになっています。
引用元:ポイントは何に使えるの?
関連)コープデリの評判
また、パルシステムでは「買い物のたびに200円づつ増資」になっています。出資最低金は500円~1,000円(地域により差あり)。
特に何も変更せずに注文すると、自動的に200円増資されるので「勝手に増資されてる!?」という声もあるようです。
知らずに出資金が増えてる…という人も少なくないかも。200円とは言え、トラブルにならないのかな。
なお、注文用紙の場合でも、ウェブでの注文の場合でも「増資しない」で注文することは可能です。
関連)パルシステムの評判
生協では、出資した金額に対して、毎年配当を受け取ることができます。
配当ってどのくらいもらえるんでしょうか? 現金が入ってくるの?
配当は現金でもらえるわけじゃなく、出資金に自動的に増資される形になります。
退会時には、配当分も含めて返金されます。
また、配当率は「銀行の利息よりはマシだけど、投資としてはそうとう効率が悪い」利率。
2021年の具体的な配当率は以下の通りでした。
0.5%
0.2%
0.1%
配当率は、ウェブサイトなどで公告されます。
参考)
生活クラブの2021年配当
コープデリの2021年配当
パルシステムの2021年配当
まあ、生協は組合員のために販売する組織なので、メチャメチャ利益が上がって配当がドーン!ともらえることはないでしょう。
生協に払い込んだ出資金が、元本割れすることはあるのでしょうか?
例えば、加入している生協が破綻すると、出資金が戻ってこない可能性はあります。
目一杯増資していて、出資金が戻ってこないとなると大きなデメリットですね。
ただし、生協という運営形態は、税金面でも優遇されていますし、比較的破綻しにくいです。
また、万が一生協が破綻しても、近くの生協に吸収という形になることが多いようです。
例えば、東京南部生協は破綻しましたが、東都生協に事業譲渡をおこなっていて、組合員に損がないようになっています。
関連)東京南部生協との組織合同のお知らせ
関連)東京南部生協の口コミ
同一エリアに、他の大きめな生協がある場合は受け皿になる可能性が高いと思います。
北海道では、組合債の乱発に粉飾決算で派手に「やらかした」釧路市民生協も、同一エリアの「コープさっぽろ」が受け皿になっています。
関連)コープさっぽろとトドックの違い
生協の出資金は、生協を退会時に全額返金されるほか、減資の手続きをおこなうことで、出資金の一部を現金で受け取ることができます。
返金には書類の記入と提出が必要で、実際に返金されるまでそれなりの時間がかかります。
例えば、生活クラブは以下のような感じ。
脱退後、2ヶ月で振り込まれるんですね。引っ越し以外で脱退する場合は「自由脱退」という扱いになり、年度末の90日前は脱退できない、というシバリが発生します。
出資金は、生協の運用資金なので、そうそう気軽に返金できないってことなんでしょうね。
以上を踏まえると、すぐに現金化したいようなお金は、出資金として生協に入れないほうが良いと思います。