

釜揚げしらすには100gあたり約2.1gの塩分が含まれているため、追加の塩なしでアヒージョが完成します。
「アヒージョにしらす?」と最初は首をかしげる方も多いかもしれません。しかし実際に使ってみると、その理由がすぐにわかります。しらすはアンチョビに近い役割を果たし、オリーブオイルとにんにくの風味に旨みと塩味のベースをしっかり加えてくれるのです。
カマンベールチーズは加熱するととろりと溶け出し、しらすの旨みを含んだオイルと絡み合って濃厚なソース状になります。これがバゲットに絡んだときの絶妙なおいしさが、SNSでバズる理由です。これは使えそうです。
基本の材料(2〜3人分)は以下のとおりです。
食材費のトータルはスーパーで揃えると300〜400円台が相場です。カマンベール1個が200円前後、しらす1パックが100〜150円ほどなので、2〜3人のおつまみとしてはコストパフォーマンスが非常に高い料理といえます。
ここで注目したいのが「塩」の扱いです。釜揚げしらすには100gあたり約2.1gの塩分が含まれています(日本食品標準成分表より)。これはちょうどアヒージョ全体の塩味を決めるのに十分な量で、別途塩を加えると塩辛くなりすぎることがあります。「塩はしらすに任せる」が基本です。
しらす干しとちりめんじゃこは塩分が高めなので、分量の目安として参考にしておくと安心です。
実際の手順はとてもシンプルですが、いくつかのポイントを押さえると仕上がりが大きく変わります。作業時間はわずか5〜10分が目安です。
① 下ごしらえ
カマンベールチーズを6〜8等分に切ります。包丁に水を少し濡らすとギコギコせずにきれいにカットできます。にんにくは薄くスライスするか、みじん切りにします。薄切りにすると火が入りやすく、香りが早く立ちます。
② スキレットにオイルを入れて弱火にかける
スキレット(または小さめのフライパン)にオリーブオイルとにんにく、赤唐辛子を入れて弱火で加熱します。このとき必ず弱火にするのが鉄則です。強火にするとにんにくが焦げて苦みが出てしまいます。弱火がポイントです。
③ しらすを加える
にんにくの香りが立ち始めたら、しらすをオイルの中に加えます。しらすが油に浸ると旨みがオイルに溶け出し、全体の風味が底上げされます。
④ カマンベールを中央に配置し、フタをして1〜2分煮る
しらすを外側に寄せ、カットしたカマンベールをフライパンの中央に並べます。フタをして弱火のまま1〜2分待つと、チーズがとろりと溶け始めます。ミニトマトをこのタイミングで加えると、トマトの酸味がアクセントになります。
⑤ 仕上げと食べ方
チーズが溶けてきたら火を止めます。お好みでパセリや黒こしょうを散らし、スキレットのままテーブルへ。バゲットをたっぷりオイルに浸しながら食べるのが醍醐味です。スキレットが鉄製の場合は保温性が高く、最後まで熱々で楽しめます。
スキレットを持っていない場合は、直径20cm前後の小さなフライパンでも代用できます。ただし鉄製スキレットは熱がゆっくり均一に伝わるため、チーズが焦げずにとろりと仕上がりやすいという利点があります。ロッジやバーミキュラなどのスキレットがよく使われています。
誰でも失敗なしに作れるほろほろブロッコリーとしらすのカマンベールアヒージョレシピ(料理家・橋本彩さん)
実際に検索上位で支持されているレシピです。ブロッコリーをレンジで下処理する方法なども参考にできます。
「おつまみだから栄養は期待しない」という方も多いかもしれませんが、この一皿は栄養的にも注目できます。カマンベールチーズのカルシウム吸収率は約40%とされており、牛乳の約25%、魚の約25%と比べても高い水準です。
しらすにも骨の健康に貢献する栄養素が豊富に含まれています。釜揚げしらす100gにはDHAが約320mg、EPAが約120mg含まれており、これらは血液をサラサラにする効果や認知機能への良い影響が期待されています。カルシウムも100gあたり約210mgと豊富です。
つまりカマンベール+しらすの組み合わせは、カルシウムをチーズ由来と魚由来の2種類から同時に補える一品ということです。意外ですね。
| 食材 | 主な栄養素 | 主な健康効果 |
|---|---|---|
| カマンベールチーズ(100g) | カルシウム約460mg、ビタミンA、B2 | 骨粗しょう症予防、肌の健康、疲労回復 |
| 釜揚げしらす(100g) | カルシウム約210mg、DHA約320mg、EPA約120mg | 骨強化、血行促進、認知機能サポート |
| オリーブオイル(大さじ1) | オレイン酸(不飽和脂肪酸) | 悪玉コレステロール低下、胃粘膜保護 |
ただし食べすぎには注意が必要です。カマンベールチーズの1日の適量は40〜60g程度(1個の1/4〜1/3が目安)とされています。また、しらすの塩分が高いため、アヒージョ全体の塩加減を意識しながら楽しむのがベストです。高血圧が気になる方は特に、しらすの量を30g程度に抑え、追加の塩をしないことが大切です。塩加減に注意すれば大丈夫です。
チーズのカルシウム吸収率40%という数字の根拠が詳しく記載されています。
基本のカマンベール+しらすのアヒージョを覚えたら、次はアレンジを楽しんでみましょう。相性のよい具材を加えるだけで、毎回違った味わいが楽しめます。
アレンジの際に覚えておきたい原則は「火の通りにくい食材は先に、火の通りやすい食材はあとで加える」です。ブロッコリーは下処理必須、ミニトマトやしらすは後入れが基本です。
食べ終わったオリーブオイルも捨てないでください。しらすとチーズと野菜の旨みが溶け込んだオイルは、残ったバゲットに浸して食べたり、翌日のパスタソースに活用したりと使いまわしができます。オイルの再利用がポイントです。
夜に楽しんだカマンベールアヒージョの残りオイルを、翌朝のリゾットに変身させる方法があります。これはSNSでも一部のキャンプ料理愛好家の間で話題になっているアレンジで、家庭のキッチンでも簡単に再現できます。
残ったスキレットのオイルをそのまま弱火で温め直し、ご飯(茶碗1杯分・150g程度)を加えてオイルと混ぜます。水か白ワイン50mlを加えてご飯をほぐし、1〜2分炒めたら完成です。とろっとしたオイルがリゾット状にまとまり、前夜のしらすとチーズの旨みがご飯に移って格別のおいしさになります。
この方法には2つのメリットがあります。1つ目は食材を余らせないこと、2つ目はオリーブオイルをまるごと活用できること。オリーブオイルはそれ自体がオレイン酸を含む「おいしい油」なので、朝食に活用しても体への負担は少ないのです。
朝食のリゾットとして食べる場合は、スキレットに直接ご飯を入れる都合上、あらかじめ前夜からラップをして冷蔵庫に保存しておくと衛生的で安全です。翌朝に温め直せばOKです。スキレットのまま再加熱できるので洗い物も最小限に抑えられます。
残りオイルのアレンジとしては、ほかにもこんな使い方があります。
一品で夜も朝も楽しめるのが、カマンベールアヒージョ×しらすの最大の強みです。結論はフル活用がお得です。
さっぱり味!しらすとレモンのカマンベールアヒージョのレシピ(ぼくの料理ブログ)
残りオイルをパスタに活用するアイデアも紹介されており、アレンジの参考になります。