

小さいヤリイカは内臓を取らずに丸ごと食べると、食中毒リスクが約3倍に跳ね上がります。
ヤリイカの下処理は、道具と下準備が整っているかどうかで作業時間が大きく変わります。小さいヤリイカは胴体が10〜15cm程度(はがきの横幅くらい)のものが多く、指先が入りにくいぶん、適した道具を用意することが特に重要です。
まず用意するものは以下の通りです。
使い捨て手袋は必須です。イカスミは石鹸で洗っても落ちにくく、1度ついてしまうと爪の間まで黒くなります。ドラッグストアで100枚入り200〜300円程度で購入できるので、常備しておくと安心です。
ボウルを2つ用意する理由は、流水で汚れを落とす作業と、皮むきの「湯引き」後に素早く冷やす作業を同時にスムーズに進めるためです。冷水をあらかじめ用意しておくのがポイントです。これだけで準備は十分です。
まな板はできるだけ広いものを使いましょう。小さいヤリイカでも、胴・足・ワタを広げながら作業するにはある程度のスペースが必要です。狭いまな板では墨袋を破きやすくなります。
下処理の中で最も「失敗した」という声が多い工程が、ワタ(内臓)の取り出しです。特に小さいヤリイカは胴が細く、墨袋も小さいため、少し力を入れただけで破れてしまいます。墨が飛び散ると、まな板どころかエプロンや壁まで汚れることがあります。
墨袋を破らずにワタを取るコツは「ゆっくり引き出す」の一言に尽きます。足(ゲソ)の根元をやさしく持ち、胴に向かって水平方向にまっすぐゆっくりと引き抜くだけです。斜めに引いたり急いで引いたりすると、内部で引っかかり墨袋が破れます。
具体的な手順は次の通りです。
墨袋が破れてしまった場合は、すぐに流水の下でボウルの中に入れて洗い流しましょう。水の中で作業すると、墨が飛び散らずに済みます。これは実用的なテクニックです。
万が一墨袋を破いてしまっても、焦らなければ大丈夫です。イカスミは水溶性なので、大量の流水ですすげばきれいになります。墨を落とすのにマジックリンなどの洗剤は不要で、水だけで十分対処できます。
肝(ワタ)はそのまま捨てるのではなく、アルミホイルに包んでバター炒めにしたり、パスタのソースに加えたりすると濃厚な旨みが楽しめます。捨てるのはもったいないですね。
ワタを取り出した後、胴の中に残っているのが「軟骨」です。ヤリイカの軟骨は細長い透明の板状で、まるでプラスチックのような見た目をしています。長さは胴体の8割程度(小さいヤリイカなら8〜12cm程度)あり、食感を著しく損なうため必ず除去します。
軟骨の抜き方は非常に簡単です。胴体を逆さに持って先端を下にし、胴の口(開口部)から指を入れて軟骨の端を探ります。指でつまんでそのままスライドさせるだけでスルリと抜けます。抜けにくい場合は竹串を使って引っかけると取り出しやすいです。これで軟骨処理は完了です。
軟骨を取り除いたら、次は胴体の内側を洗います。洗い方のポイントは「流水を使いながら指で内側をやさしくこすること」です。ぬめりと残った内臓の欠片を丁寧に洗い流します。ここで丁寧に洗えるかどうかが、料理の臭みをなくすカギになります。
胴体の外側には薄い皮があります。この皮は食べても問題ありませんが、刺身や炒め物にする場合は見た目や食感のために除去するのが一般的です。皮の処理については次のセクションで詳しく解説します。
洗い終わった胴体はキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取りましょう。水気が残ったまま調理すると油はねの原因になりますし、揚げ物では衣が剥がれやすくなります。水気をとることが大事です。
ヤリイカの皮は2層構造になっています。外側の赤茶色い薄皮と、その下の白い薄膜の2枚です。どちらも食べられますが、特に刺身にする場合は両方とも取り除くと口当たりが格段に滑らかになります。
生のまま皮をむこうとすると、小さいヤリイカは身が柔らかいため途中でちぎれたり、皮が残ったりして非常に手間がかかります。そこで活用したいのが「湯引き」という方法です。
湯引きの手順は以下の通りです。
ポイントは「5〜8秒」という短時間です。これは熱で皮だけに軽くダメージを与え、身は生のままキープする時間です。長くつけてしまうと胴全体に火が通り、食感が悪くなります。意外ですね。
氷水に入れてすぐに冷やすことで皮と身の間にわずかな隙間が生まれ、指でつまんだときにきれいにはがれます。用意した2つ目のボウルがここで活躍します。
湯引きをした胴体は、皮をむいた後に軽くキッチンペーパーで水気を拭けばそのまま刺身にできます。日本酒や薄口醤油と合わせると、ヤリイカ本来の甘みが際立ちます。これは使えそうです。
なお、皮むきを手で行う場合は、指先に塩を少しつけて行うと滑り止めになります。100円ショップで売っている「鱗取りグローブ」(表面がラバー加工のもの)も代用品として使えるので試してみてください。
ヤリイカのゲソ(足)の処理は、見落としがちな部分が2か所あります。それが「くちばし(トンビ)」と「吸盤の硬い輪っか」です。この2か所を除去しないと、食べたときに口の中に当たる硬い食感が残り、仕上がりの評価を大きく下げてしまいます。
くちばしは足の中央付近、丸くなった部分の中心に埋まっています。見た目は黒く小さな硬いゴムのようなもので、足を裏返すとすぐ見つかります。親指と人差し指でつまんで押し出すように取り除くと簡単に取れます。これが基本です。
次に吸盤の処理です。ヤリイカの吸盤の外周には、爪のように硬い「吸盤輪(きゅうばんりん)」が並んでいます。直径1〜2mmほどの小さなリング状の構造で、そのまま食べると歯に当たる感覚があります。
吸盤輪の取り方は「包丁の背でしごく」方法が最も手軽です。
この作業を面倒に感じる人も多いですが、炒め物や天ぷらにする場合でも吸盤輪を取ることで食感のクオリティが大きく上がります。所要時間はゲソ10本分で約2〜3分程度です。
ゲソは胴体に比べて旨みが強く、バター醤油炒めや唐揚げにすると特においしく仕上がります。下処理を終えたゲソは、胴体とは別にラップで包んで冷蔵保存しておくと、翌日の副菜や弁当のおかずにもすぐ使えて便利です。
まとめると、ゲソ処理で忘れてはいけないのはくちばしと吸盤輪の2点です。この2か所だけ押さえれば、ゲソまでおいしく食べられます。
下処理が終わったヤリイカを適切に保存することは、食材を無駄にしないためにも食の安全のためにも非常に重要です。冷蔵と冷凍で保存期間が大きく異なるので、使用予定に合わせて使い分けましょう。
冷蔵保存の場合、下処理済みのヤリイカはキッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取ってからラップで包み、保存容器に入れて冷蔵庫へ。保存期間の目安は1〜2日です。生のままでの保存は短期間が原則です。
冷凍保存の場合は、さらに長期の保存が可能です。目安は以下の通りです。
冷凍するときのコツは「小分けにして空気を抜く」ことです。ジッパーバッグを使い、1〜2回分ずつ分けて平らにして冷凍すると、使いたいときに必要な分だけ取り出せます。1つのバッグに全部まとめると、解凍のたびに全量使いきらなければならなくなります。
解凍は冷蔵庫に移して自然解凍(約3〜4時間)が最も品質を保てます。急ぐ場合はジッパーバッグごと流水解凍(約15〜20分)でも可能です。電子レンジの解凍モードは身が固くなりやすいので避けましょう。
保存のポイントは1つだけ覚えておけばOKです。「水気は徹底的に取ること」です。水気が残ったまま冷凍すると霜がつき、解凍後に旨みが水分と一緒に流れ出てしまいます。キッチンペーパーで丁寧に拭くだけで、解凍後のおいしさが格段に変わります。

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