

「ラープは辛くて難しい料理」と思っていませんか。実はラープのカロリーはわずか200kcalで、揚げ物の半分以下です。
ラープはタイ東北部(イサーン地方)を発祥とする、ひき肉とたっぷりのフレッシュハーブを合わせた温かいサラダ料理です。タイ語では「ลาบ」と書き、日本語に直訳するなら「粗挽き炒り米サラダ」と表現されます。
ポイントはひとつ。「油を一切使わない」という調理スタイルです。
一般的な肉料理のように炒め油を使うことなく、ひき肉を少量の水で茹でるか、焦げ付きにくいフライパンで乾煎りして仕上げます。そのため余分な脂質が少なく、ラープムー(豚ひき肉版)でも1人前あたり約200kcalと非常にカロリーが低いのが特徴です(参考:ダイエット中の低カロリータイ料理4選)。
もうひとつの大きな特徴が「カオクア(ข้าวคั่ว)」と呼ばれる炒り米粉を加えることです。もち米をフライパンで香ばしくなるまで乾煎りし、粗く砕いたこの粉が、ラープにナッツのような香ばしさとプチプチした食感を与えます。カオクアがなければ、ラープはラープとは言えないほど必須の存在です。
つまり、油を使わない+炒り米の香ばしさ+ハーブの清涼感が、ラープの「三本柱」です。
さらに面白いことに、「ラープ(ลาบ)」という発音はタイ語で「幸運・運」を意味する「ラープ(ลาภ)」と同じ読み方をします(綴りは異なります)。そのため「ラープを食べると幸運が訪れる」と信じられ、結婚式や誕生日などお祝い事の席に欠かせない縁起の良い料理とされています(参考:タイ料理の「ラープ/ลาบ」とは – HAPPY THAILAND)。
料理名に「幸運」が込められているとは、意外ですね。
ラープはメインに使う食材によって名前が変わります。使い分けを知るだけで、料理の選択肢がぐっと広がります。これが基本です。
主な種類は以下の通りです。
| 名前 | 使う肉 | 味の特徴 |
|---|---|---|
| ラープムー | 豚ひき肉 | 最もポピュラー。豚レバーや豚の皮を加えることも多くコクがある |
| ラープガイ | 鶏ひき肉 | さっぱりしていてクセが少なく初心者向き |
| ラープヌア | 牛ひき肉 | 肉の旨味が強く食べ応えあり |
| ラープペット | アヒルひき肉 | 脂の旨味が豊かで独特の風味 |
| ラープトート | 揚げミートボール | サクサク食感でお弁当やおつまみにも◎ |
| ラープウンセン | 春雨(肉なし可) | ベジタリアン向けのアレンジ版 |
日本の家庭で最も作りやすいのはラープガイ(鶏ひき肉)とラープムー(豚ひき肉)の2種類です。どちらも近所のスーパーで食材が揃い、調理時間は15分ほどで完成します。
ちなみにタイのコンビニでは「ラープの素」という調味料が17バーツ(約70円相当)で売られているほど日常的な料理です。日本でも無印良品のラープ手づくりキットや、楽天・Amazonで購入できる「ラープセット」を使えばより手軽に作れます。
初めて作るなら、ラープガイから試すのがおすすめです。
最初のハードルとなるのがカオクアの入手です。タイ食材専門店やAmazonで購入できますが、日本のもち米で簡単に代用できます。これは使えそうです。
カオクアの手作り方法はとてもシンプルです。フライパンに生のもち米(大さじ2程度)を入れて、中火で混ぜながら乾煎りします。4〜5分ほどで薄いきつね色になり、香ばしい香りが漂い始めたら完成のサインです。粗熱が取れたらフードプロセッサーかすり鉢で粗めに砕きます。ポイントは「焦がしすぎない」こと。深い茶色になるまで炒めると苦みが出てしまいます。
自家製カオクアは冷蔵庫で約1週間保存できます。
次に、ラープムーの基本レシピを4人分で紹介します。
作り方はシンプルです。
ハーブは火が通りすぎないよう、最後に加えるのが基本です。
なお、ライムが手に入る場合はレモン汁より断然おすすめです。ライムの方が香りが強く、タイ料理らしいキリッとした酸味が出ます。試食しながら味を整えましょう。
参考として、実際にタイ人シェフが教えるレシピはこちらが参考になります。
タイ出身シェフが教える「鶏肉ハーブサラダ(ラープガイ)」本格レシピ – ホットペッパーグルメ
ラープが「ヘルシー料理」と言われる理由は、油を使わないことだけではありません。使われるハーブのひとつひとつに、実際の健康効果が研究で確認されています。これは知っておきたい情報です。
まずミント(サラネー)には消化促進作用があります。ペパーミントに含まれるメントールは胃腸の筋肉をリラックスさせ、食後の胃もたれや腸の不調を和らげる効果があるとされています。食べ過ぎが気になる主婦にとって嬉しい素材ですね。
パクチー(コリアンダー)は独特の香りを苦手とする人も多いですが、抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富です。また体内の重金属を排出するデトックス効果も期待されています。
レモングラスは日本のスーパーではあまり見かけませんが、タイ料理においてカオクアと一緒に炒って使われることもあります。リラックス効果のある成分リナロールを含み、抗酸化作用も高いハーブです。
そして唐辛子に含まれるカプサイシン。体温を上げて代謝を促進するため、ダイエット中にも効果的な成分として知られています。
つまり、ラープ1皿でビタミン・抗酸化物質・代謝促進成分を一度に摂取できるということです。
加えて、ラープのメインとなるひき肉はたんぱく質が豊富で低脂肪。鶏ひき肉100gあたりのたんぱく質量は約17gで、筋肉の維持・代謝アップにも役立ちます。夕食に取り入れれば、ダイエット中でも満足感が高く食べ過ぎを防ぎやすい一皿です。
参考:タイ料理の健康効果とハーブの効能について詳しく紹介しています。
タイ料理の効能・ハーブとがん抑制・ヘルシーな理由 – kinkhao.net
ここからは、検索上位の記事では取り上げられていない独自の視点をお届けします。ラープは「タイ料理レストランで食べるもの」という固定観念を少し外してみると、日常の食卓への取り入れ方がぐっと広がります。
まず、ラープは「お弁当のおかず」に向いています。ラープは温かいうちも美味しいですが、常温になっても味が変わりにくい特性があります。ハーブの香りが弁当箱の中でさらに馴染み、翌朝詰めてもしっかりした味が楽しめます。ただし、ミントとパクチーはできれば食べる直前に添える方がフレッシュ感が保てます。
次に、ラープの「タコライス風ご飯」アレンジです。普通のご飯の上にラープをかけるだけで、アジアンどんぶりが完成します。お子さんが辛いものが苦手な場合は、粉唐辛子を抜いてマイルドに仕上げましょう。
レタス包みも人気の食べ方です。サンチュやサラダ菜にラープをのせてパリっと巻いて食べるスタイルは、糖質をほぼゼロに近づけながら満足感が高い食べ方です。お子さんと一緒に手巻き感覚で楽しめます。
また、タイの本場では「カオニャオ(もち米)」と一緒に食べるのが定番です。もち米をひとつかみ指で丸めて、ラープの汁をつけながら食べるスタイルはビールとも抜群の相性です。
日本では無印良品の「手づくりキット ラープ」が税込約650円(2025年時点)で販売されており、ライムソースと炒り米パウダーがセットになっています。初めてラープに挑戦する方は、まずこのキットで味のベースを確認してから自分でアレンジするのが失敗が少なくておすすめです。
参考として、プロが教えるラープサラダのレシピ動画が楽天レシピで紹介されています。

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