マロワール チーズの香りと味わいを楽しむ完全ガイド

マロワール チーズの香りと味わいを楽しむ完全ガイド

マロワール チーズの魅力と正しい食べ方を知ろう

マロワール チーズは、外皮を嗅いだだけで捨てたくなるほど臭いと感じる人でも、加熱すると匂いが激減して中身はむしろまろやかになります。


🧀 マロワール チーズ 3つのポイント
📌
外皮は臭くても中身は別物

強烈な香りは外皮のみ。アイボリー色の中身はクリーミーでまろやか。初めての人でも食べ始めたら病みつきになりやすいチーズです。

🔥
加熱すると格段に食べやすくなる

タルト・フラミッシュなどに入れて焼くと香りが穏やかになり、コクとうまみだけが際立ちます。初めての方でも試しやすい食べ方です。

🍺
ワインよりベルギービールが合う

産地がベルギー国境に近いため、ベルギービールとの相性が抜群。赤ワインも合いますが、コクのあるビールとのペアリングが本場スタイルです。


マロワール チーズとはどんなチーズか|歴史と産地の基礎知識


マロワール チーズは、フランス北東部のオー=ド=フランス地域圏にある小さな村「マロワル」で主に生産されるウォッシュタイプのチーズです。その歴史は非常に古く、960年頃にマロワル村のベネディクト派修道院の修道士たちによって作られ始めたと伝えられており、1000年以上の歴史を持ちます。


フランス王アンリ4世やフランソワ1世も好んだとされる、まさに「王のチーズ」です。


現在では農産物の品質保証制度であるAOP(旧AOC)の認証を1988年に取得しており、その品質と伝統製法が守られています。生産量は年間約3,843トン(2017年時点)と、ニッチながら根強い需要があります。


チーズの形は正方形(四角形)で、大きさによって4種類の呼び名があります。


- 🧀 マロワル(約720g):最大サイズ。フルネームで呼ばれる一番スタンダードなもの
- 🧀 ソルベ(約550〜575g):2番目のサイズ。バランスよく熟成しやすいと言われる
- 🧀 ミニョン(約350〜360g):3番目のサイズ。日本でも流通しやすい
- 🧀 カール/カール(約180〜200g):最小サイズ。1/4カットとも呼ばれる


日本では1/4カット(約200g)での輸入が多く、専門店やオンラインショップで手に入ります。価格の目安は100gあたり1,800〜3,300円前後で、スーパーよりもチーズ専門店やネット通販が確実です。


外皮のオレンジ色はかつて地下室での自然熟成によるものでしたが、現在は衛生管理された熟成室での製造が主流のため、フェルマン・ルージュと呼ばれるバクテリアを使って本来の色を再現しています。つまり現代のマロワールの外皮の色は意図的に作られた伝統の再現といえます。


美味しいチーズガイド「マロワール」:産地・AOC取得年・食べ方などの基本情報を網羅


マロワール チーズの香り・味・食感|外皮と中身の違いに驚く

マロワール チーズの最大の特徴は、外皮の香りと中身の風味のギャップです。外皮を嗅ぐと、クサヤや古漬けを連想させるような強烈なアンモニア臭があり、初めて嗅いだ人は思わず顔をしかめるほど。一日中冷蔵庫に入れておくと庫内に香りが広がることもあるため、二重にジップロックして保存するのがおすすめです。


外皮は臭くても、中身は別ものです。


アイボリー色の中身はトロリと流れるような柔らかさはなく、「むっちり」と表現されるしっかりした食感をしています。味わいはクリーミーで、甘み・塩味・コクが調和しており、後味に濃厚なミルク感が残ります。チーズの専門家たちも「香りは強烈なのに、口に入れると意外なほどまろやか」と口を揃えて評価するほどです。


ウォッシュチーズ独特の香りのもとは「リネンス菌」という微生物で、これは納豆菌と同じ枯草菌の仲間に分類されます。つまりあの香りは、発酵食品特有の「生きた菌の働き」によるものといえます。大豆を発酵させると納豆ができるように、牛乳を表皮の菌で熟成させるとマロワールのような濃厚な風味が生まれるわけです。


野澤組「ウォッシュチーズの魅力を全力で語る!」:リネンス菌の働きとウォッシュチーズの熟成の仕組みをわかりやすく解説


熟成期間は大きさによって異なり、最低でも3〜5週間かけて塩水で繰り返し洗いながら仕上げます。熟成が進むほど香りは強くなり、外皮の色も濃いオレンジ色になります。購入時は「外皮が湿っているもの」が熟成度が高く、より本場の味わいに近いとされています。


マロワール チーズの食べ方と料理レシピ|臭さを和らげる加熱のコツ

マロワール チーズが初めての方にとって一番大きなハードルは、やはり独特の香りです。でも実は、加熱するだけで臭いが格段に和らぎます。これを知っているかどうかで、マロワールに対する印象がまるで変わります。


加熱が基本です。


北フランスの郷土料理「タルト・フラミッシュ」は、マロワールを生かした最もポピュラーな食べ方で、パイ生地またはブリゼ生地にスライスしたマロワール、溶き卵、生クリームなどを合わせて180℃のオーブンで約35分焼きます。キッシュに近い仕上がりで、焼くことで香りが穏やかになり、チーズのコクとうまみだけが料理全体に広がります。具材にポワロー(西洋ネギ)を合わせることも多く、甘みとのバランスが取れた一品になります。


モンテ物産「フラミッシュ」レシピページ:マロワールチーズを使ったタルト・フラミッシュの本格レシピと焼き方のポイントを掲載


加熱以外の食べ方としては、以下の方法が主婦にも取り入れやすいです。


- 🥖 パンにのせて食べる:バゲットやライ麦パンに薄くスライスして。塩味が強いので薄めに切るのがコツ
- 🍯 はちみつやジャムと合わせる:甘みと塩気のコントラストが癖になる組み合わせ
- 🍽️ じゃがいもグラタンに使う:スライスして重ねて焼くだけで、本格的な北フランス風グラタンに


外皮の香りが気になる方は、外皮を取り除いて中身だけ使っても問題ありません。外皮が嫌いでも中身の味は楽しめます。


また、食べる30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておくことで、本来の風味と柔らかい食感が引き出されます。冷たいままだと固くなり、チーズ本来の風味が十分に感じられません。これは全チーズ共通の基本ですが、マロワールのように風味の強いチーズでは特に差が出ます。


マロワール チーズに合う飲み物|ワイン・ビールのペアリング

チーズと飲み物の組み合わせはとても奥深く、マロワールのようなクセの強いチーズほど、合わせる飲み物選びが重要です。ペアリングを間違えると、チーズの風味だけが先行してしまい、食体験が残念なものになってしまいます。


正しいペアリングで、味わいが2倍になります。


マロワールに合う飲み物の筆頭は、ベルギービールです。マロワールの産地であるフランス北部はベルギーとの国境に近い地域で、食文化的にもベルギーと深いつながりがあります。そのため、コクのあるベルギーの修道院系ビール(例:シメイ・ルージュ、デュベルなど)とは非常に相性がよく、お互いのうまみと香りが引き立て合います。


地ビールで洗って熟成させたマロワールも存在するほどです。


ワインを合わせるなら、フルボディの赤ワインが向いています。例えば北ローヌ地方のエルミタージュや、コート・デュ・ローヌのグルナッシュ主体のワインなどがマロワールの重厚さに負けません。反対に軽い白ワインや甘口のワインは、チーズの強さに押し負けてしまうことがあります。


日本酒との相性も密かに注目されています。濃醇辛口の純米吟醸や古酒など、旨味と香りがしっかりした銘柄ならマロワールのコクに寄り添います。フランスチーズに日本酒を合わせるのは一見奇抜に思えますが、発酵食品同士という共通点からか意外に調和します。これは使えそうです。


SAKE Street「チーズには日本酒を定番に!」:チーズタイプ別の日本酒ペアリング解説。ウォッシュチーズとの組み合わせ候補も紹介


マロワール チーズの主婦ならではの独自活用法|保存・使い切りのコツ

チーズ専門店やネット通販でしか手に入りにくいマロワールは、1カットで約100〜200g程度が一般的です。一度に使い切れない場合の保存方法と、余ったときの活用術を知っておくと、購入のハードルが下がります。


保存方法は少しだけ手間をかけるのが正解です。


チーズ用の包み紙(チーズペーパー)やワックスペーパーに包んでから、さらにジップロックに入れて冷蔵庫のチルド室または野菜室で保存します。普通のラップだけで包むと蒸れてしまい、香りが強くなりすぎたり、表面がベタついてしまいます。開封後の賞味期限の目安は約1〜2週間ですが、毎日少しずつ熟成が進むため、早めに使い切るのがベストです。


余ったマロワールは「少量で風味が出る」強みを活かしましょう。ポテトグラタンや白菜と豚肉のチーズ蒸しに、スライスして10〜20gのせるだけで市販のチーズには出せないコクが加わります。量が少なくて済む点はむしろ経済的といえます。


また、冷凍保存も可能ですが、食感がボソボソになるため、加熱用として使う分にのみおすすめします。生でそのまま食べる予定の分は冷凍しないほうが無難です。


マロワールを初めて購入するなら、オンラインのチーズ専門店で1/4カット(約100〜200g)から試すのが最もリスクが少ない方法です。国内では「フロマージュ FROMAGE」「チーズの三祐」「フェルミエ」などの専門通販サイトで取り扱っており、価格は100gあたり約1,000〜1,900円程度が相場です。フランス産の本物のAOP認証品かどうかをラベルで確認してから購入すると、品質的に安心できます。


チーズ通販 フロマージュ「マロワルAOP 農家製」:AOP認証農家製マロワールの購入ページ。1/4カットから購入可能で価格の目安も確認できる




Arla [冷蔵] ムラカワ アーラ カマンベールチーズ 125g