

鯨ベーコンをレンジで解凍すると、旨みが7割逃げてしまいます。
鯨ベーコンの原料となるのは、鯨の下あごから腹部にかけて広がる縞状の部位「畝須(うねす)」です。この部位は鯨の体のちょうど下側、お腹全体にあたる場所で、縞模様が特徴的な脂と肉の層が交互に重なった構造をしています。
市販の鯨ベーコンは、この畝須を塩漬けしたあと燻製加工(スモーク処理)したものです。加熱・燻製済みの加工品であるため、スライスしてそのまま「生」の状態で食べることができます。これは豚肉の生ベーコンとは全く異なる点で、多くの方が「火を通さないといけないのでは?」と思いがちですが、加熱は必須ではありません。つまり生食OKということですね。
鯨の種類によって、同じ畝須のベーコンでも味わいが大きく変わります。代表的なものは次の3種類です。
| 鯨の種類 | 特徴・風味 | おすすめの食べ方 |
|---|---|---|
| ミンク鯨 | 脂のノリが良く柔らかい。上品な風味。 | 薄切り生食・ポン酢 |
| イワシ鯨 | シャキッとした歯ごたえ。噛むほど旨みが出る。あっさり系。 | 薄切り生食・炙り |
| ナガス鯨 | 希少で高級。産地によって脂質が異なる。最もあっさり。 | そのまま・酢醤油 |
鯨の種類を知っておくだけで、購入時の選択肢が広がります。これは使えそうです。
購入時の商品ラベルで「ミンク鯨」「イワシ鯨」などの表記を確認しておくと、好みに合った味を選びやすくなります。特に初めて鯨ベーコンを食べる方には、クセが少なくマグロに近い感覚で食べられるミンク鯨がおすすめです。
冷凍で届く鯨ベーコンを美味しく生で食べるには、解凍の手順が最も重要です。解凍を間違えると旨みが大幅に失われてしまうので、ここだけは覚えておけばOKです。
鯨肉は温度変化に非常に敏感な食材です。急激な温度変化が起きると、肉の内部組織が壊れてドリップ(肉汁)が大量に流れ出てしまい、旨みも一緒に失われます。特にレンジでの解凍は絶対NGです。
ブロック状のベーコンを購入した場合は、完全に解凍しきる前の「半解凍」状態でカットするのがポイントです。完全に解凍すると柔らかくなりすぎて切りにくくなります。はがき(約10cm)の横幅程度の厚みに切ることを目安にしてみてください。
保存については、一度解凍したものの再冷凍は風味が大きく落ちるため、食べる分だけその都度解凍するのが原則です。残ったブロックは冷凍庫またはチルド室で保管し、なるべく早めに食べきりましょう。
参考:くじら日和(鯨ベーコンの解凍方法と食べ方の基本)
https://kujirabiyori.jp/hpgen/HPB/entries/26.html
解凍した鯨ベーコンをそのまま生で食べる際に、最も定番かつシンプルな方法が薄切りにしてタレを付けて食べるスタイルです。お刺身感覚で楽しめる食べ方で、食卓にそのまま出せるのが主婦にとって嬉しいところです。
まず基本の食べ方として、薄切りにした鯨ベーコンをお皿に盛り付け、以下のタレのいずれかで味わいます。
盛り付けの際は、お刺身と同じように山高に盛り付けると見栄えがします。万能ねぎや辛子、おろし生姜を添えるとより食欲が増します。これだけで立派な一品の完成です。
少し手を加えるなら、オニオンスライスやカイワレ大根を巻いてひと口サイズにすると、見た目もおしゃれで食べやすくなります。子どもが鯨ベーコンに慣れていない場合は、マヨネーズを少量添えると食べやすくなります。
なお、脂が気になる方には軽く湯通し(さっと茹でる)する方法も有効です。湯通しすることで余分な脂が落ち、さっぱりした食感になります。生食とはまた異なる食感が楽しめる方法として覚えておくと便利です。
参考:ハクダイ食品(鯨ベーコンの食べ方・タレの種類)
https://hakudai.com/archives/274
市販の鯨ベーコンを生で食べる場合、衛生面の注意点を理解しておくことは大切です。特にアニサキスについて気にする方も多いので、正しい知識を持っておきましょう。
アニサキスはクジラやイルカなどの海洋哺乳類を最終宿主とする寄生虫です。魚の体内に幼虫の状態で潜んでおり、未処理の生魚を食べた際に感染するリスクがあります。意外な点は、アニサキスの成虫はクジラの体内で生きる寄生虫という点ですね。つまり、クジラの肉そのものにアニサキスが寄生している場合がある、ということになります。
しかし、市販の冷凍鯨ベーコンについては、アニサキス対策の観点から重要なポイントがあります。アニサキスは「-20℃以下で24時間以上の冷凍処理」によって感染性を失います。市販品の多くはこの冷凍処理を経ているうえ、燻製加工まで施されているため、適切に管理されたものであれば安全性は高いです。アニサキス対策は冷凍が条件です。
注意すべきは以下のケースです。
市販の燻製加工済み鯨ベーコンを正規のルートで購入し、適切な方法で解凍して食べる分には、過度に心配する必要はありません。ただ、何か体調の変化があった場合は医療機関に相談することが大切です。
参考:農林水産省(寄生虫による食中毒とアニサキスの予防方法について)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/parasite.html
鯨ベーコンの原料である畝須(うねす)は、単においしいだけでなく、栄養面でも注目すべき食材です。主婦が毎日の食卓で意識しているヘルシーな食材選びに、鯨ベーコンが思わぬ助っ人になるかもしれません。
鯨ベーコンに豊富に含まれる主な栄養成分を確認してみましょう。
くじらの皮には100gあたりDHA・EPA合わせて約7,700mgが含まれており、約13gを食べるだけで1日の目標摂取量をクリアできると言われています。これはいいことですね。
ただし、鯨ベーコン(畝須)は脂肪分が多い部位でもあるため、食べすぎには注意が必要です。100gあたりのカロリーは約251kcalほど(製品によって異なります)。鯨の赤身が低カロリー・高タンパクであるのとは対照的に、畝須は脂肪分が高い部位である点は覚えておきましょう。適量を美味しく楽しむのが鉄則です。
参考:感鯨下関(鯨肉の栄養成分とDHA・EPA・DPAについて)
https://www.shimonoseki-kujira.jp/whale_nutrition.html