エポワス チーズの食べ方と保存・ワインのコツ

エポワス チーズの食べ方と保存・ワインのコツ

エポワス チーズの食べ方・保存・アレンジを完全ガイド

実は、エポワスを冷蔵庫から出してすぐ食べると本来の風味の約30%しか感じられません。


🧀 この記事でわかること
🌡️
正しい食べ方の基本

常温に戻す時間・切り方・盛り付けなど、風味を最大限引き出すポイントをわかりやすく解説します。

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合わせる飲み物・食材

ワイン・日本酒・はちみつ・パンなど、エポワスの個性をさらに引き立てる組み合わせを紹介します。

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保存方法と注意点

ラップだけはNG!正しい包み方と冷蔵庫での置き場所、賞味期限を守るコツをプロ監修で解説します。


エポワス チーズとはどんなチーズ?基本の特徴


エポワスは、フランス・ブルゴーニュ地方のエポワス村で生まれたウォッシュタイプのチーズです。直径9.5〜11.5cm、高さ3〜4cm、重さ250〜350gほどの丸形で、木箱に入った状態で販売されていることがほとんど。表皮はオレンジ色〜赤茶色に輝き、熟成が進むほど中身がとろりとクリーム状に変わっていきます。


最大の特徴は、その強烈な香りです。チーズの表面を「マール・ド・ブルゴーニュ」という葡萄の搾りかすで作った蒸留酒で洗いながら4週間以上熟成させるため、独特のウォッシュ香が生まれます。「脱ぎたての靴下」「雑巾」などと表現されることもありますが、一口食べると香りとはまったく違う、牛乳のやさしい甘みと濃厚なコクが広がります。この"香りと味のギャップ"こそが、エポワス最大の魅力です。


美食家ブリア・サヴァランに「チーズの王」と讃えられ、ナポレオンも愛したと伝わるこのチーズは、一時は生産者が激減して絶滅の危機に瀕しました。20世紀半ばにベルトー社がこの危機を救い、1991年にはAOC(現AOP)を取得。今日エポワスを楽しめるのは、ベルトー社の尽力があってこそです。


固形分中の乳脂肪分は最低50%とリッチな配合で、コクの深さはトップクラス。チーズ好きなら一度は手に取ってほしい存在ですね。


雪印メグミルク チーズ辞典|エポワスの基本データ・特徴を確認できます


エポワス チーズの食べ方①常温に戻す時間と理由

エポワスを冷蔵庫から出してすぐ食べるのはもったいないです。冷たいままでは内部の油脂が固まっていて、チーズが本来持つクリーミーさや香りが十分に開いていません。これが基本中の基本です。


食べる30〜60分前に冷蔵庫から取り出し、室温に置いておくのが原則です。室温は目安として20℃程度を想定しています。夏場など気温が高い季節は短めの30分でも十分なことが多く、逆に冬場や冷房の効いた部屋では60分程度置いてもよいでしょう。


常温に戻すと、中がとろりと柔らかくなって香り成分が活性化され、口に入れた瞬間の広がり方がまったく変わります。「なんか思ったより美味しくない」と感じたことがある場合、冷たいまま食べていた可能性が高いです。


戻すときはラップを緩めにかけるか、蓋付きの器に入れて乾燥を防ぎましょう。直射日光の当たる場所は避けてください。香りが気になる場合は、別室で戻してから食卓に持ってくる方法も使えます。常温に戻すだけで、味の満足度が大きく変わります。


エポワス チーズの食べ方②切り方とスプーンの使い方

切り方は見た目と味の両方に影響します。基本は、ホールの中心を起点に放射状に切り分けるやり方です。ちょうどホールケーキを切るイメージで、外側のやや固めの皮と、中心のとろりとした部分を1切れの中に一緒に含められるのがメリット。


一口サイズの目安は1〜2cm幅程度。はがきの短辺の約4分の1ほどの幅です。薄く切りすぎると風味が飛びやすく、厚すぎると重たく感じます。このサイズ感が原則です。


熟成が進んでいてとろとろになった場合は、スプーンで中身をすくって取り分ける方法もおすすめです。外皮は香りが強いため、それが苦手な方は中身だけをくりぬいて食べても問題ありません。チーズの外皮を食べるか食べないかは完全に好みで大丈夫です。


切るときは薄刃のよく切れるナイフを使うと断面が崩れにくくなります。刃に穴が開いたタイプのチーズナイフも向いています。切るたびにナイフをさっと拭くと、断面がきれいに仕上がります。これは使えそうです。


エポワス チーズの食べ方③パン・はちみつ・ワインとの合わせ方

エポワスの食べ方として最もポピュラーなのは、バゲットにのせてワインとともに楽しむスタイルです。バゲットやカンパーニュのような素材の風味が強すぎないパンを薄切りにして、軽くトーストすると香ばしさが加わってさらに相性が増します。


はちみつを少量添えると、エポワスの塩気とコクをうまく和らげてくれます。ただし量はポイント的に垂らす程度が肝心で、多すぎるとチーズの個性が隠れてしまいます。ジャムを合わせるならイチジクやベリー系の酸味あるものが合います。


ワインを選ぶなら、同郷のブルゴーニュワインが最高のマリアージュとされています。若めのエポワスにはコート・ド・ボーヌの辛口白ワイン、熟成が進んだものにはコート・ド・ニュイの赤ワインが相性抜群です。ナポレオンも愛したとされる「ジュヴレ・シャンベルタン」との組み合わせは、特に憧れの一皿として知られています。


もっと手軽に楽しむなら、スパークリングワインもおすすめです。泡と酸味がエポワスの強い香りを旨味に変換してくれる効果があります。日本酒との意外な相性もよく、軽めの純米酒や吟醸酒を合わせると、米の甘みがチーズの塩味を包み込んでくれます。つまり、合わせる飲み物の選択肢は思ったより広いです。


All About|エポワスの食べ方・ワインとのマリアージュについて詳しく解説されています


エポワス チーズの正しい保存方法|ラップだけはNG

エポワスを買ってきたあと、そのままラップだけで包んで冷蔵庫に入れていませんか?実はこれが風味を落とす最大の原因の一つです。


伊勢丹新宿店のナチュラルチーズ専門店「フロマジュリーHISADA」の店長・榎島功さんによると、ラップで直接包むのはNGとのこと。理由は2つあります。①ラップの石油臭がチーズに移ってしまう、②発酵食品であるナチュラルチーズの呼吸や水分調節が妨げられる、この2点です。


正しい手順はこうです。まずオーブンペーパー(クッキングシート)でチーズを包み、さらに木箱ごとラップで覆います。そのあとファスナー付きの保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保管してください。野菜室を使うのは、冷蔵室よりも温度変化が少なく、湿度も保ちやすいからです。


蒸れを防ぐため、2日に1度はラップを外して短時間空気に触れさせるのも大切なポイントです。においが冷蔵庫内の他の食材に移る心配がある場合は、密閉度の高い容器を活用しましょう。保存期間は状態によりますが、適切に管理すれば1〜2週間程度は楽しめます。


FOODIE(三越伊勢丹)|チーズ専門店監修の正しい保存方法が詳しく解説されています


エポワス チーズを温めて使う料理アレンジ|主婦にも簡単

エポワスは加熱するとぐっとまろやかになり、濃厚なチーズソースとして使えます。難しい調理は不要です。シンプルな温め方から試してみましょう。


最も手軽なのが、オーブンやトースターで軽く温める方法です。耐熱容器にエポワスをのせ、180℃で10〜15分が目安。表面が泡立って中がとろりとしてきたら完成です。そこにバゲットを浸したり、温野菜をつけて食べると、それだけで豪華なひと皿になります。


蒸かしたじゃがいもにとろりと溶かしたエポワスをかけるだけでも、フランスの家庭料理のような一品に仕上がります。このじゃがいも×エポワスの組み合わせは、穀物とチーズの王道の掛け合わせで、ウォッシュチーズ独特のコクが加わることで感動的な味わいに変わります。


パスタやリゾットに使うときは、火を止めてから最後に混ぜるのがコツです。高温で長時間加熱すると風味が飛んだり油分が分離することがあります。少量ずつ加えてバランスを見てください。塩分が強いため、他の調味料は控えめにするのが条件です。


もし溶けすぎて分離してしまった場合は、少量の生クリームを加えながら低温でゆっくり混ぜ直すと再び滑らかになります。焦らず弱火で対処するだけで大丈夫です。


エポワス チーズの値段・購入先と主婦目線のコスパ活用術

エポワスはナチュラルチーズの中では比較的高価な部類に入ります。ワンホール(250〜350g)でおおよそ3,000〜4,000円が相場です。少し高いと感じるかもしれませんが、使い方次第で十分コスパよく楽しめます。


まず、1〜2週間にわたって少量ずつ食べ継げることが大きなポイントです。毎日少し取り出してバゲットに乗せたり、週末のホームパーティーのメインにしたりと、1つのホールで複数回楽しめます。一度に食べきる必要はありません。


特に有名なのが「ベルトー社」のエポワスです。エポワスの復興に尽力し、現在もフランスで最もポピュラーなエポワスブランドとして知られています。国内ではチーズ専門店やデパートの食品売り場、楽天市場などのネットショップで取り扱いがあります。近くの店舗にない場合はオンライン購入が確実です。


カルディコーヒーファームでも扱いがある時期があり、比較的手に入りやすい機会があります。贈り物にも喜ばれる存在感があるため、グルメな友人へのプレゼントや、ちょっとしたご褒美チーズとして選ぶのにも向いています。これは使えそうです。


なお、食べる量が少ない場合はハーフカットで販売している店舗もあるため、初めてなら少量から試すのがおすすめです。


おいしいけりゃ.com|エポワスの値段・購入先・ベルトー社についての詳細情報があります


エポワス チーズを食べるときの注意点|妊婦・健康面での知識

エポワスのような加熱殺菌されていない輸入ナチュラルチーズには、リステリア菌が存在する可能性があります。健康な成人にとっては通常問題になりにくいですが、妊娠中の方は注意が必要です。


リステリア菌は冷蔵庫の温度でも増殖できる特性があり、妊娠中に感染すると流産・早産のリスクが高まるとされています。厚生労働省も妊娠中の方に対して、加熱殺菌されていないナチュラルチーズの摂取を控えるよう呼びかけています。妊婦さんはエポワスを加熱して食べるか、もしくは控えることを選択しましょう。リステリア菌は75℃以上1分以上の加熱で死滅するため、加熱調理して食べるなら比較的安全です。


また、固形分中の乳脂肪が50%以上と非常に高い食品なので、食べ過ぎに気をつけることも大切です。一度に大量に食べるものではなく、少量ずつ丁寧に味わうのがエポワスとの正しい付き合い方です。塩分も高めなので、食事全体のバランスを意識してください。


強い香りが気になる方は、まず中身だけをパンに少量乗せて試すところから始めるのが無理のない入門方法です。健康面に注意しながら、自分のペースで楽しめば問題ありません。




ベルトー社 エポワス AOP ウォッシュチーズ フランス産 250g