

冷蔵庫で冷やしてから食べると、甘みが約30%も損なわれることがわかっています。
ドラゴンフルーツを買ってきて食べてみたら「全然甘くない…」という経験をしたことはないでしょうか。実はこれ、非常によくある話です。
ドラゴンフルーツが甘くない原因として、最も多いのが「未熟なまま収穫・出荷されている」ことです。日本に流通するドラゴンフルーツの多くはベトナムや台湾、タイなどから輸入されており、輸送中に追熟が進むことを計算して、まだ熟しきっていない段階で収穫されます。
つまり、店頭に並んだ時点ではまだ熟度が不十分なことがあるということです。
さらに、ドラゴンフルーツは他の果物と比べて糖度が低めな果物です。完熟した状態でも糖度は10〜13度程度で、これはスイカ(約12度)やメロン(約15度)と比べてやや低め〜同等程度の水準です。もともと「ほんのり甘い」程度の果物であるため、「甘い果物」を期待して食べると物足りなさを感じやすいのです。
加えて、品種による甘さの違いも大きな要因です。日本でよく見かける白肉種(ホワイトドラゴン)は比較的淡白な甘さであるのに対し、赤肉種(レッドドラゴン)は同じドラゴンフルーツでも甘みが強く感じられることが多いです。
品種と熟度、この2つが甘さの鍵です。
スーパーでドラゴンフルーツを選ぶとき、なんとなく大きそうなものを選んでいませんか?実は、甘いドラゴンフルーツを選ぶにはいくつかの明確なポイントがあります。
まず注目すべきは「品種」です。ドラゴンフルーツには主に3つの品種があります。
| 品種名 | 果肉の色 | 甘さの目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 白肉種(ホワイトドラゴン) | 白〜クリーム色 | ★★☆(淡白) | 日本で最も流通量が多い。クセが少ない。 |
| 赤肉種(レッドドラゴン) | 濃いピンク〜赤 | ★★★(やや甘い) | 甘みが強く、色鮮やか。食べ映えする。 |
| 黄肉種(イエロードラゴン) | 白〜淡黄色 | ★★★★(甘い) | 外皮が黄色。糖度が最も高く、希少品種。 |
甘さを重視するなら、黄肉種(イエロードラゴン)が最もおすすめです。糖度が14〜18度と高く、ほかの品種より明確に甘みを感じられます。ただし流通量が少なく、スーパーよりもネット通販や輸入食材店での入手が主になります。
次に確認したいのが「熟度のサイン」です。熟しているドラゴンフルーツは、外皮のウロコ状の部分(鱗片)が緑色から黄色・茶色に変わり始めます。鱗片の先端が枯れて乾いているものは完熟に近いサインです。
また、手で軽く押してみてわずかに弾力があるものが食べ頃です。硬すぎるものはまだ未熟で、逆にぶよぶよしているものは熟しすぎです。これが選び方の基本です。
外皮の色が鮮やかで、形がふっくらしているものを選ぶのも大切なポイントです。
ドラゴンフルーツの食べ方に迷っている方は多いですが、実はとてもシンプルです。正しい手順で食べることで、甘みをしっかり感じられるようになります。
基本の切り方と食べ方
まず、ドラゴンフルーツをまな板に置き、縦半分にカットします。次に、スプーンで果肉をそのまますくって食べるか、皮をはいで一口大に切って食べます。皮はかなり厚く、アボカドのようにするりとむくことができます。
切ってから食べるまでの手順は次の通りです。
ここで多くの人がやってしまうのが「切ってすぐ冷たい状態で食べる」ことです。実は冷やしすぎると甘みを感じにくくなります。これは意外ですね。
舌が冷えると味覚受容体の感度が下がり、甘みが30%程度弱く感じられるという研究結果があります(東京農業大学の味覚研究より)。食べる前に15〜20分ほど室温に置いてから食べると、同じ果物でも格段に甘く感じられます。
室温に戻してから食べる、これだけで変わります。
種は黒いゴマ状のものですが、食べても問題ありません。口の中でプチプチとした食感があり、これがドラゴンフルーツ独特の楽しみのひとつです。
どうしても甘みが薄いドラゴンフルーツを買ってしまった場合も、捨てないでください。アレンジ次第で十分においしく食べられます。
まず試してほしいのが「はちみつとレモン汁をかける」方法です。ドラゴンフルーツ特有の淡白な甘みに、はちみつの濃厚な甘さとレモンの酸味が加わることで、味の輪郭がはっきりします。はちみつ小さじ1杯とレモン汁数滴をかけるだけで、まるで別の果物のように感じられます。
これは使えそうです。
次におすすめなのが「スムージー」にすることです。甘くないドラゴンフルーツ1/2個(約150g)にバナナ1本を組み合わせると、バナナの糖度がドラゴンフルーツの淡白さを補ってくれます。牛乳か豆乳を100ml加えてブレンドすれば、きれいなピンク色の栄養満点スムージーのできあがりです。
さらに「ヨーグルトとの組み合わせ」もおすすめです。プレーンヨーグルトの酸味によってドラゴンフルーツの甘みが相対的に引き立ちます。見た目もきれいで、朝食やおやつにもぴったりです。
塩をかけると甘みが増すというのは、料理の対比効果(コントラスト効果)と呼ばれる現象です。スイカに塩をかけると甘く感じるのと同じ原理で、ドラゴンフルーツにも応用できます。ひとつまみの塩で甘みが引き立つということです。
甘くなくても、使い道はたくさんあります。
まだ硬くて甘みが足りないドラゴンフルーツは、正しく保存することで追熟させることができます。保存方法を間違えると、せっかくの果物が台無しになってしまいます。
常温での追熟が基本です。未熟なドラゴンフルーツは、直射日光を避けた涼しい場所(25度以下が目安)で2〜4日程度常温保存すると追熟が進みます。冷蔵庫に入れてしまうと低温によって追熟がほぼ止まってしまうため、未熟な状態では冷蔵保存は逆効果です。
冷蔵保存に向いているのは「食べ頃になってから」です。食べ頃のサイン(鱗片が茶色くなり始め、軽く押すと少し弾力がある状態)になったら冷蔵庫の野菜室に移し、3〜5日以内に食べ切りましょう。
冷凍保存もできます。一口大にカットしてから保存袋に入れて冷凍すると、約1ヶ月保存可能です。冷凍したものはスムージーやシャーベット代わりとして活用できます。
また、追熟させる際にリンゴやバナナと一緒に置いておくと、これらの果物が発するエチレンガスの影響で追熟が2倍程度早まることがあります。エチレンガスは果物の熟成を促進する植物ホルモンで、追熟が遅いと感じたときはこの方法を試してみてください。
追熟にはエチレンガスが効果的ということです。
ドラゴンフルーツの栄養面についても触れておきます。ドラゴンフルーツはビタミンC、食物繊維、マグネシウム、鉄分などを含み、特にベタシアニンという赤い色素成分は強い抗酸化作用があることで知られています。甘みが薄くても、栄養価は変わりません。便秘気味の方には食物繊維の摂取源としても優秀な食材です。
栄養価の観点からも食べて損はない果物です。
ドラゴンフルーツ選びや追熟の見極めに自信がない場合は、産地直送のフルーツ専門店や定期便サービスを使うと、熟度を管理した状態で届くため失敗が少なくなります。フルーツの完熟具合にこだわりたい方は一度試してみる価値があります。
以上の内容を参考にする際に役立つ情報源として、農林水産省や大学の食品栄養に関する研究なども参照することをおすすめします。
ドラゴンフルーツの追熟・保存方法の部分の参考として。果物ごとの適切な追熟温度と方法について詳しく説明されています。
農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構):熱帯・亜熱帯果樹の品質管理
ドラゴンフルーツを含む熱帯果実の品質・糖度・保存に関する研究内容の参考として。