サメの種類一覧と生態・危険性を知る完全ガイド

サメの種類一覧と生態・危険性を知る完全ガイド

サメの種類一覧と特徴・生態・危険性まとめ

「サメの種類はせいぜい数十種類でしょ」と思っているなら、実はその知識、売り場での選択肢を大きく狭めています。


🦈 この記事でわかること
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世界・日本のサメの種類数

世界約500種以上、日本近海だけで130種。9つの目(もく)に分類されます。

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代表的なサメ8種の特徴

ジンベエザメ・ホホジロザメ・シュモクザメなど人気種の大きさ・生態・性格を解説。

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危険なサメ・おとなしいサメの見分け方

危険なのはごく一部の種類。実際に人を襲うサメのランキングと生態の違いを紹介。


サメの種類の数一覧:世界・日本近海にいる全9目まとめ


「サメって何種類いるの?」という疑問、まず数字から整理しましょう。


世界中に確認されているサメの種類は、2026年現在で約553種(ウィキペディア・Fishbaseなどの分類による)にのぼります。日本近海だけでも130種が確認されており、特に沖縄近海には91種が生息しているとされています。意外ですね。


サメはすべて「軟骨魚類」というグループに属し、一般的な魚(硬骨魚類)とは骨格の構造が根本的に異なります。体の芯となる骨格がすべて軟骨でできているため、レントゲンで中をのぞいてもほとんど映らないという珍しい特性があります。


これら500種以上のサメは、分類上「9つの目(もく)」に整理されています。以下が一覧です。


| 目(もく)の名前 | 代表的なサメ | 特徴のポイント |
|---|---|---|
| ネコザメ目 | ネコザメ | 底生・小型・臼歯で貝を食べる |
| テンジクザメ目 | ジンベエザメ・トラフザメ | 温和な種類が多い |
| ネズミザメ目 | ホホジロザメ・ウバザメ・ラブカ | 巨大種・深海種が含まれる |
| メジロザメ目 | シュモクザメイタチザメ・ヨシキリザメ | 種数最多・人への危険種も多い |
| カグラザメ目 | カグラザメ・ラブカ | 深海性・古代型に近い形態 |
| ツノザメ目 | ダルマザメ・オンデンザメ | 深海~冷水域に多い |
| キクザメ目 | キクザメ | 深度400~900mの深海に生息 |
| カスザメ目 | カスザメ | 体が平べったくエイに似ている |
| ノコギリザメ目 | ノコギリザメ | 吻(ふん)がノコギリ状に長い |


9目に分類されるということですね。


この中でもっとも種数が多いのが「メジロザメ目」で、全サメの約6割がここに含まれます。日常的に「危険なサメ」として話題になるホホジロザメはネズミザメ目、テレビや水族館で人気のジンベエザメはテンジクザメ目と、よく知られたサメが実は別々の「目」に分散しているのが面白いところです。


参考:サメの分類と種数(サメぺディアによる2026年版まとめ)
【2026年版】サメは何種類いるの?世界や日本の海にいる数は? – サメぺディア


サメの種類一覧①:ジンベエザメ・ウバザメなど「巨大でおとなしい」種類

「大きいサメ=怖い」という印象を持つ方も多いですが、世界最大のサメであるジンベエザメは人に対して極めて温和です。これが基本です。


ジンベエザメ(テンジクザメ目)は記録上の最大個体が18.8mにもなる、現生魚類最大の種類です。体長10mを超える個体はバスが丸ごと1台入るほどの大きさですが、主食はプランクトンや小型の甲殻類。大きな口を開けたまま泳ぎ、えらにあるクシ状の器官「鰓耙(さいは)」でプランクトンをこし取って食べます。泳ぐ速さは平均時速4km(人の徒歩とほぼ同じ)と、あの巨体からは想像もできないのんびり屋さんです。


寿命は70~80年、なかには150年以上生きる個体もいると推測されており、人間よりもずっと長生きします。大阪の海遊館や沖縄の美ら海水族館でも飼育されており、水槽越しに一緒に泳ぐような体験ができる場所もあります。これは使えそうです。


ウバザメ(ネズミザメ目)はジンベエザメに次ぐ世界第2位の大きさを持つサメで、全長は平均7.9m・最大10mにもなります。こちらもプランクトン食で、大きな口をあんぐりと開けながらゆっくり泳いで海水ごとプランクトンを取り込む「濾過摂食」をおこないます。水温10~15℃の冷たい水域を好み、日本近海にも回遊してきます。


ジンベエザメもウバザメも人を襲う危険性はほぼありません。巨大なサメ=危険、は思い込みだということです。


参考:サメの生態と種類(Marine Diving web)
サメについて知ろう!~種類や生態を詳しく紹介 – Marine Diving web


サメの種類一覧②:ホホジロザメ・イタチザメなど「危険な」種類の特徴

危険なサメは全体のごく一部です。サメ約500種のうち、実際に人への死亡事故が記録されているのは10数種類にすぎません。


世界で最も人への被害が多いのがホホジロザメ(ネズミザメ目)で、フロリダ自然史博物館の記録(ISAF)によると過去の被害記録は351件・うち死者59件です(2025年末時点)。体長は平均4~4.8m、最大6mになるとされており、体重は700kg~1トン以上になる個体もいます。映画「ジョーズ」(1975年)の主役として一躍有名になったサメですが、正式な和名は「ホホジロザメ」(頬の部分が白いことが由来)です。「ホオジロザメ」と呼ばれることもあります。


イタチザメ(メジロザメ目)は死亡事故数ではホホジロザメに次ぎ、記録上142件・死者39件。最大全長は7.4mに達した記録もあります。食べ物を選り好みしない雑食性で、死骸はもちろんプラスチックゴミすら飲み込んでしまうことから「ヒレのついたゴミ箱」とも呼ばれています。


オオメジロザメ(メジロザメ目)は死亡事故119件・死者26件の第3位。世界三大危険ザメの一角で、淡水域にも侵入できる唯一のサメとして知られます。アマゾン川やミシシッピ川にも生息しており、海岸のリゾートだけでなく内陸の川にも出没することがあります。


三大危険ザメが基本です。ただ、これらも「人間を好んで食べる」わけではなく、大型の海洋動物をエサと間違えて噛みつくことがほとんどです。


サメの名前 事故合計 うち死亡 最大全長
ホホジロザメ 351件 59件 約640cm
イタチザメ 142件 39件 約750cm
オオメジロザメ 119件 26件 約400cm
シロワニ 36件 0件 約325cm
ヨシキリザメ 13件 4件 約380cm

(出典:Florida Museum "International Shark Attack File" / サメぺディア編集)


参考:危険なサメの事故記録と種類(サメぺディア)
サメ図鑑 – サメぺディア by シャーク・アクティビストReino


サメの種類一覧③:シュモクザメ・ラブカなど「個性的な形態」を持つ種類

サメの世界でとくに「形が変わっている」といえば、シュモクザメとラブカは外せません。意外ですね。


シュモクザメ(メジロザメ目)は「ハンマーヘッドシャーク」の名で世界的に有名です。Tの字または金槌のような横に張り出した頭部が最大の特徴。和名は、鐘などを叩くときに使うT字形の道具「撞木(しゅもく)」に由来します。世界に全9種が存在し、それぞれ微妙に頭部の形が異なります。


目が頭の両端についているため視野が非常に広く、優れたハンターでもあります。大きな群れをつくって季節回遊をおこなう珍しい習性を持ち、四国水族館では「水槽を見上げると群れが頭上を泳いでいる」という独特の展示が人気です。


ラブカ(カグラザメ目)は「生きた化石」とも呼ばれ、最大全長約2mでウナギに似た細長い体形をしています。エラ孔が6対ある(一般的なサメは5対)という原始的な特徴を持ち、深度500~1000m以上の深海に生息しているため生態の詳細はほとんどわかっていません。約3億6000万年前の古代サメ「クラドセラケ」に形が近いとされています。


ミツクリザメ(ネズミザメ目)は1000m以上の深海に住み、口を突き出すように前方へ大きく伸ばしながら獲物に噛みつく独特の捕食スタイルで知られます。最大全長3.1m程度です。


ダルマザメ(ツノザメ目)は全長わずか50cm以下の小型サメながら、自分より何倍も大きなイルカやクジラ、さらには原子力潜水艦のケーブルにまで噛みつくことで知られています。特殊な唇で獲物の体に吸い付き、ドーナツ型のかみ傷を残すことから「クッキーカッタービシャーク(クッキー型抜き鮫)」という英名を持ちます。小さいサメだからと油断は禁物です。


参考:サメ全9目の種類一覧(生物学芸員監修)
【サメ種類図鑑・全9目一覧】生物学芸員が各種を解説 – sfphes.org


サメの種類一覧④:ネコザメ・ドチザメなど「日本近海で見られるおとなしい」種類

日本近海に130種のサメが生息しているといっても、そのほとんどは温和な種類で、私たちが普段目にする機会も少なくありません。おとなしいなら問題ありません。


ネコザメ(ネコザメ目)は伊豆半島周辺などでよく見られる体長1.2m以下の小型種です。鋭い歯ではなく奥歯が臼歯(きゅうし)状になっており、サザエやウニを食べることから別名「サザエワリ」とも呼ばれています。夜行性で、昼間は岩陰でじっとしていることが多いです。胸ビレを使って海底を歩くように動く姿が愛らしく、水族館でも人気があります。


ドチザメ(メジロザメ目)は最大1.5mの小~中型で、日本海・東シナ海を中心に日本近海に広く分布しています。おとなしく臆病な性質で、ダイビングや漁業でも頻繁に目にする機会がある種類です。


ネムリブカ(メジロザメ目)は「ホワイトチップリーフシャーク」の名でダイバーに親しまれているサメです。最大1.6mで、昼間はサンゴ礁の砂地や岩陰でじっと休んでいることが多く、その寝ているような姿から「眠り鱶(ふか)」の名がつけられました。夜行性で、夕方以降に岩やサンゴの隙間を這い進んで魚や甲殻類を捕食します。


ナヌカザメ(メジロザメ目)は北海道から南西諸島にかけて広く分布する底生性の小型サメです。危険を感じると海水を飲み込んでお腹を膨らませるフグのような習性を持ちます。卵は「人魚の財布」と呼ばれる独特の形をしており、孵化までに約1年かかります。


日本近海のサメは危険な種類ばかりではないということです。これらの温和な種類は釣りやダイビングで出会うことも多く、むやみに怖がる必要はありません。


参考:日本の海にいるサメの種類と見分け方
日本の海にいるサメの種類と見分け方 – samezukan.jp


サメの種類と絶滅危惧:実はヨシキリザメの「フカヒレ」が食卓に関係している

サメの種類を知るうえで、「食卓との関係」は主婦の視点として見落とせません。知っていると、食材選びのときに役立ちます。


フカヒレ中国料理の高級食材)は主にヨシキリザメ(メジロザメ目)のヒレが原料として最も広く流通しています。ヨシキリザメは全長最大3.8mのスリムなサメで、「世界一美しいサメ」とも評されます。IKEAのサメのぬいぐるみ「BLÅHAJ(ブローハイ)」のモデルでもあります。さらにフカヒレには、ジンベエザメ・ウバザメ・アオザメ・シュモクザメなど多くの種類のヒレが使われます。


問題はここにあります。現在、世界全体では年間約8000万匹のサメが漁業によって死んでいると推計されており(2024年ナショナルジオグラフィック調べ)、そのうち約2500万匹は絶滅危惧種です。「ヒレだけ切り取って魚体を海に投棄する」シャークフィニング(フィニング)という漁法は特に問題視されており、多くの国や地域で規制が進んでいます。


日本ではサメは食用にも使われています。宮城県気仙沼は国内有数のサメの水揚げ地で、フカヒレ加工が地域産業として定着しています。また、三重県伊勢地方では「さめのたれ」という干物が郷土食として食べられており、神宮の神饌(しんせん・神様へのお供え物)にも使われる伝統食品です。


🔍 「フカヒレ入りスープ」を外食で選ぶかどうかは個人の判断ですが、成分・由来に関心がある方は外食時にメニュー表記を確認する習慣をもつと、自分の食の選択に一貫性が生まれます。


参考:シャークフィニングとフカヒレ問題
サメのヒレだけ取る残酷なシャークフィニングとフカヒレ問題 – サメぺディア


参考:年間約8000万匹のサメが漁業で死ぬという研究
漁で死ぬサメは年間約8000万匹、研究 – ナショナルジオグラフィック日本版




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