「王将」という名称を持つ中華料理チェーンには「餃子の王将」と「大阪王将」がありますが、この2つは経営母体が異なる、独立したチェーン店です。
もともとは「餃子の王将」からのれん分けする形で「大阪王将」が開店し、今ではメニュー、戦略とも全く異なったものを採用するようになっています。
この記事では大阪王将と餃子の王将の戦略の違いから、競合との差別化をはかるための経営戦略について考察します。
大阪王将 | 餃子の王将 | |
---|---|---|
特徴 | ラーメンを扱う | 餃子を中心としたメニューを扱う |
メニューの違い | ラーメンやチャーハンなど | 餃子を中心としたメニュー |
戦略の違い | SNSを活用したプロモーション | 地域の情報誌などを活用した広告活動 |
裁判について | 名称を巡って裁判沙汰になり、独立した経営体制を持つことになった |
大阪王将は、ラーメンなどのメニューを扱っており、比較的若い世代に人気があります。一方、餃子の王将は、餃子を中心としたメニューを扱っており、比較的年配の世代に人気があります。
大阪王将は、見た目も味も濃い~ラーメンやチャーハンなどのメニューの扱いあり。お店毎にメニューが違ってます。お店毎の裁量があるって感じかな。
いっぽう、餃子の王将は、万人受けするように調整されたメニュー。どれを選んでも、大阪王将に比べるとクセがないです。
個人的には、大阪王将のほうが好き。毎日食べると体に悪そうだけど、府外から大阪に来た人を連れて行くなら、大阪王将かなぁ。
大阪王将は、若い世代を取り込むために、SNSを活用したプロモーションを行っています。一方で、餃子の王将は、地域の情報誌などを活用した広告活動を行っています。
大阪王将と餃子の王将は、それぞれ独自の戦略を採用しています。大阪王将は、若い世代を取り込むために、SNSを活用したプロモーションを行っています。具体的には、TwitterやInstagramで新商品の情報を発信し、フォロワーを増やすことで、若い世代にアプローチしています。また、大阪王将は、冷凍食品の販売も行っており、スーパーなどで手軽に購入できるようになっています。
一方、餃子の王将は、地域の情報誌などを活用した広告活動を行っています。店舗スタッフが地域の催し物やイベントに積極的に参加し、宣伝を行うことで、地域住民に親しまれる存在になっています。また、餃子の王将は、店舗に出向いて餃子を販売する「餃子の王将車」を運営しており、地域のイベントやフェスなどに出店することで、顧客との接点を増やしています。
お店の立地についても、餃子の王将は電車などでアクセスが良い場所が多いのに対して、大阪王将は車で行くような場所にお店がある印象。
デリバリーが充実しているので、どんなもんか食べてみたいというときはウーバーイーツなど経由で出前を取ることも可能です。
大阪王将と餃子の王将は、名称を巡って裁判沙汰になったことがあります。裁判の結果、2つのチェーンはそれぞれ独立した経営体制を持つことになりました。
1967年、京都を中心に餃子の王将がチェーン店を展開し始めました。その2年後、親族にのれん分けして大阪にも餃子の王将が開店しました。その後、大阪で開店した餃子の王将が、京都に進出してきたのです。最初は同じ「餃子の王将」という名称だったのですが、のれん分けをした大阪の餃子の王将が、京都に進出した際に、既に存在していた餃子の王将と名称が重複していたことから、裁判にまで発展しました。
結果、のれんわけされた餃子の王将が大阪王将と名称を変更することで落ち着きました。現在はライバル企業としてそれぞれ独自の方法で販売を行っています。この裁判は、餃子の王将と大阪王将の関係についての重要な出来事であり、両者の経営方針や店舗数に大きな影響を与えました。
餃子の王将は、主に店舗に出向いてもらったり、公式通販ショップで販売しています。一方、大阪王将はもっと積極的に販売活動を行っています。例えば、冷凍食品を販売しており、スーパーで、味の素餃子と並んで大阪王将の焼き餃子もよく見かけます。他にもチャーハンなど、味のバリエーションも豊富にそろえられています。
味については、餃子の王将と大阪王将で違いがあるとされています。餃子の王将の餡は、国産の豚・キャベツ・ニラ・にんにく・生姜を使用しています。一方、大阪王将も国産の豚・キャベツ・にんにく・生姜を使用していますが、ニラが入っていないことで味のアクセントが変わります。
餃子の王将と大阪王将の関係は、もともとは「仲間・同一企業」だったのですが、現在は別々の企業として競合しています。それぞれの企業が独自の経営方針を持ち、それぞれの味を追求しています。
冷凍餃子の通販も扱っています。