

マダケ(真竹)の下処理は、最初に「土と産毛(付着物)を落とす」意識で、流水でしっかり洗うところから始めます。根元には固い部分が残りやすいので、まず根元の硬い部分を切り落とし、外側の皮を2〜3枚むいてから作業するとスムーズです(皮を全部むく必要はなく、外側の硬い層を外すイメージ)。これはレシピ手順としても定番で、根元カット→皮を数枚→穂先を斜め→縦半分、の流れが紹介されています。
切り方は、穂先を斜めに切り落としてから縦半分が基本です。縦半分にする理由は、火の通りを均一にし、後からえぐみの残りやすい中心部にゆで汁が当たりやすくなるからです。鍋に入らない大きさのときは、さらに半分に切って長さを調整してOKで、無理に曲げたり折ったりすると繊維が荒れて食感が落ちやすいです。
下処理の時点で「どこまで食べられるか」を見極めるのも重要です。一般にタケノコは外側ほど硬く、内側ほど柔らかいので、茹でた後に外側が硬ければ、内側だけ使う判断が正解になります。マダケは「苦竹」と書かれる通り、苦みの印象がある竹として説明され、市場に多く出回らないともされています。だからこそ、下処理で“食べる部分をきれいに選ぶ”だけでも完成度が上がります。
使う道具は特別なものでなくて構いません。包丁・まな板・大きめの鍋があれば成立します。落としぶた(または皿)を用意できると、浮き上がりを抑えられて茹でムラが減ります。
「竹の種類の話(建材・竹細工)と、食べるタケノコの話」が混ざりやすいですが、マダケは竹材として弾力性が評価される一方で、タケノコは苦みの印象がある、と公的情報でも整理されています。料理では、この“性格”を前提に段取りを組むのが近道です。
マダケのアク抜きは、米ぬかと唐辛子を使う方法が分かりやすく再現性も高いです。材料目安として、真竹500gに米ぬか1/2カップ、唐辛子1本という形で紹介されており、鍋にマダケ・米ぬか・唐辛子を入れ、かぶるくらいの水で茹でます。沸騰後は弱めの中火にして、落としぶたをし、ふたは少しずらして加熱を続けます。
茹で時間の目安は30〜40分で、「常にふつふつ」の状態を保ちながら、水が減れば足し水をして温度を安定させるのがコツです。茹で上がり判定は竹串で、スッと通ればOKとされています。ここで重要なのは、火を止めたらすぐに引き上げず、ゆで汁に入れたまま冷ます点です。ゆで汁に浸けて冷ますことで、急冷によるえぐみの再付着や食感の荒れを抑えやすくなります。
皮をむくタイミングは茹で後でも問題なく、米ぬかやアクを洗い流しながらむくよう案内されています。ぬかが残ると匂い移りや口当たりのざらつきにつながるので、ここは丁寧に行うほど仕上がりが安定します。
意外に差が出るのは「鍋のサイズ」です。鍋が小さいとタケノコが折れたり重なったりして、柔らかい場所と硬い場所が同時に生まれます。重なりやすい場合は、最初から鍋に入る長さに切る(“押し込まない”)のが正解です。
料理する人が混乱しやすいのが「同じタケノコでも、種類で旬も性格も違う」点です。マダケ(苦竹・真竹)は直径15cm・高さ20mになる大型種で、節に環が2つあり節間が長い、と整理されています。また、苦竹と書くようにタケノコが苦い印象があるため市場に出回ることは少ない、と公的ページで説明されています。
一方、モウソウチク(孟宗竹)は節に環が1つで、タケノコは“春一番”に発生し「春の味覚の王者」と言われる、と同じページで対比されています。つまり、スーパーでよく見る春タケノコの感覚(柔らかくて香りがよい前提)でマダケに入ると、「思ったより苦い」「下処理が雑だとえぐい」と感じやすいわけです。
ハチク(淡竹)は耐寒性があり比較的寒い地域にも生育、節に環が2つ、茶筅などに使われる、タケノコはおいしいと言われるが市場流通は少ない、と説明されています。料理の現場では、見分けを間違えると「茹で時間の感覚」「苦みの設計」「味付けの方向性」がズレやすいので、最低限の違いは押さえておくと失敗しにくいです。
マダケの皮が「黒褐色の斑点があり、無毛で、きれいな皮なので包装に使われてきた」という情報は、料理目線でも示唆があります。つまり、皮の状態(斑点の出方、傷、乾き)を見れば、鮮度や扱われ方の推測材料になり、買った後の下処理方針(早めに茹でる/小分け冷蔵にする)も決めやすくなります。
マダケは「苦みやあくが強いため、市場に出回ることは多くありません」と説明される通り、味の設計を“苦みゼロ”に寄せるより、料理として成立する方向に寄せる方が成功しやすいです。具体的には、油・だし・発酵(味噌や醤油系)を使うと、苦みが立体的な旨みに寄りやすく、単なるえぐみとして残りにくくなります。
食感面では、マダケは部位差が出やすいので、料理を分けると組み立てが簡単になります。穂先側は柔らかいので吸い物・若竹煮など“だしで食べる”方向、根元寄りのしっかりした部分は炒め物やきんぴらなど“噛む料理”に向きます。茹でた後に「硬い部分を無理に柔らかくしようとしない」ことが、結果的に満足度を上げます。
おすすめの使い分け(家庭でやりやすい順)を挙げます。
「苦い=失敗」ではありません。林野庁の説明でも“苦竹”という呼び名に触れており、マダケの個性として整理されています。だからこそ、味付けは淡くしすぎず、料理の骨格(油・だし・塩分)を先に作ってから、マダケを合わせるほうがブレません。
料理の現場で見落とされがちですが、マダケは「竹の皮には黒褐色の斑点があり、無毛で、きれいな皮なので、食料品等の包装に使われてきた」と公的に説明されています。ここから得られる実務的なヒントは2つあります。
1つ目は「皮の状態が品質管理の指標になる」ことです。無毛で比較的きれいな皮という特徴があるなら、ベタつき・異臭・過度な乾燥・カビ斑は“通常と違うサイン”として検知しやすいです。買ってすぐに茹でられない場合、皮が乾いてしなびやすい個体は苦みが立ちやすくなる傾向があるため、早めに下処理へ回す判断が合理的になります。
2つ目は「料理の周辺作業まで設計できる」ことです。竹皮が包装に使われてきた背景を踏まえると、マダケ調理の導線(皮をむく→清潔に洗う→可食部と皮を分ける)を整えるだけで、台所が散らかりにくく、作業が速くなります。料理は味だけでなく、処理の速度と清潔さも品質の一部なので、この視点は意外に効きます。
さらに、竹皮の話は“香り”とも相性があります。竹皮で包む文化がある地域では、包むことで乾燥や匂い移りを抑えるなど、食材の扱いに合理性がありました。マダケのタケノコを保存するときも、密閉しすぎず乾燥させすぎない(キッチンペーパー+袋、など)方向のほうが扱いやすいケースがあります。
参考:竹の種類(マダケの特徴、苦竹の由来、竹の皮の斑点や包装用途)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take/syurui.html
参考:真竹のアク抜き手順(皮むき、縦半分、米ぬかと唐辛子、30〜40分、ゆで汁で冷ます)
https://delishkitchen.tv/recipes/446500359397966928