

「大きい方がオオハクチョウ」と思って見ていると、8割の場面で判断ミスしてしまいます。
白鳥を公園や川で見かけたとき、多くの方が最初に「大きさ」で種類を判断しようとします。ところが、コハクチョウとオオハクチョウを大きさだけで見分けようとすると、ほとんどの場合うまくいきません。個体差や雌雄差があるため、大きさだけでは「ん…なんとなく大きいかな?」という程度の感覚しか得られないのです。
最も確実でわかりやすい見分け方は、くちばしの黄色部分の形です。これだけ覚えておけばOKです。
| 特徴 | コハクチョウ 🦢 | オオハクチョウ 🦢 |
|---|---|---|
| くちばしの黄色 | 根元のみ・黒い部分が多い・丸みを帯びる | 鼻孔を超えて先端まで鋭角に伸びる・黄色が半分以上 |
| 全長 | 約120〜130cm(学習机の横幅ほど) | 約140〜165cm(小学生の身長ほど) |
| 体重 | 約5〜7kg(お米5kgの袋とほぼ同じ) | 約8〜13kg(大きなオスは15kgを超えることも) |
| 首 | やや短め・カーブが緩い | 細く長い・優雅なS字カーブ |
| 鳴き声 | 「コォー、コォー」と低め | 「ラッパ」のような甲高い声 |
くちばしの黄色部分のポイントをもう少し詳しく説明します。オオハクチョウのくちばしは、黄色い部分が鼻孔(穴)のあたりを超えて、先端の黒い部分に向かって鋭角に食い込んでいます。まるで黄色いハートマークが尖った形に見えると覚えておくとわかりやすいでしょう。
一方、コハクチョウのくちばしの黄色は根元のごく限られた部分だけで、先端側は丸みを帯びた形に終わります。黄色部分の個体差は大きいものの、くちばしの半分以上が黄色になることはありません。比較的遠目からでも判断できるため、野外での観察に最も有効な見分けポイントです。
つまり「くちばしの黄色が先端まで鋭角か、根元だけか」が基本です。
参考:くちばしの模様と見分け方の写真解説(島根県の自然情報サイト)
見分けてみよう!コハクチョウとオオハクチョウ|島根の生き物
「オオハクチョウの方が大きい」というのは事実ですが、実際の野外観察ではその差を実感するのはなかなか難しいです。意外ですね。
図鑑上の数字では、コハクチョウが全長約120〜130cm、オオハクチョウが約140〜165cmです。差にして約20〜35cmほど。この差は、家庭用の定規(30cm)1本分とほぼ同じですが、実際に野外で並んでいるのを見ると「ちょっと大きいかな?」という程度にしか感じられません。遠近感や個体差の影響が大きいためです。
体重の差はもっと驚きます。オオハクチョウは体重が約8〜13kgあり、大きなオスになると15kgを超えることもあります。これは日本に自然分布する野鳥の中で最大の体重です。タンチョウヅルやオオワシでさえ体重は約7kg程度なので、オオハクチョウがいかに重い鳥かがわかります。
体重が重いため、ハクチョウが飛び立つ際には数十メートルの助走が必要です。まるで飛行機の離陸のような光景で、水面を蹴って勢いをつけながら飛び上がる姿は大迫力です。一度飛び立てばコハクチョウは約4,000km、オオハクチョウは約3,000kmもの長距離を飛んでシベリアまで渡ることができます。
体重が重いのに飛べる、ということですね。
コハクチョウの体重は5〜7kgほどで、スーパーのお米5kgの袋にちょっとプラスした重さとイメージするとわかりやすいでしょう。それがあの長い首と翼で空を飛ぶのですから、野生の力のすごさを感じます。
参考:オオハクチョウの大きさ・体重の詳細データ(tenki.jp)
大鳥と呼ばれたハクチョウの大飛来地が首都圏に!?|tenki.jp
ここで、多くの方が意外に思う事実があります。「大きいオオハクチョウの方が遠くまで渡る」と思いきや、実際は逆です。
より北の北極圏のツンドラ地帯で繁殖するコハクチョウの方が、越冬地は南に位置しており、西日本(琵琶湖、島根県の宍道湖など)まで渡ります。一方、それより南のシベリアやカムチャツカ・サハリンで繁殖するオオハクチョウは、越冬地が関東以北・主に北日本にとどまります。
つまり「繁殖地が北ほど、越冬地は南に渡る」という逆転現象が起きているのです。これは野鳥の渡りに見られる興味深い法則で、カモメの仲間でも同じパターンが確認されています。
日本に飛来する白鳥の総数は、2022年のデータで約76,000羽。このうちオオハクチョウが約27,000羽、コハクチョウが約46,600羽と、実はコハクチョウの方が数が多いです。西日本在住の方が見かける白鳥は、ほぼコハクチョウと考えてよいでしょう。
神奈川県藤沢市の「鵠沼(くげぬま)」という地名も、かつてコハクチョウが越冬のために飛来したことに由来すると言われています。白鳥が都市の地名にまで影響を与えていたとは、いいことですね。
参考:コハクチョウとオオハクチョウの繁殖地・越冬地の分布(Canon 野鳥写真図鑑)
コハクチョウ:オオハクチョウとの違い|Canon野鳥写真図鑑
白鳥は「つがいで生きる鳥」というイメージを持つ方が多いと思います。これは事実で、ハクチョウはパートナーが生きている限り一夫一婦制を貫く鳥です。しかし、それ以上に驚くのが子育ての方法です。
コハクチョウもオオハクチョウも、秋に日本へやってくるとき、シベリアで育てた子ども(幼鳥)を必ず連れてきます。つまり、日本の越冬地に家族単位で渡来するのです。越冬地では、この家族が何世帯も集まって大きな群れを形成します。
「コオォー、コオォー」「キャーン、キャーン」と盛んに鳴きかわす声は、隣の家族への挨拶であるとも言われています。これは家族の絆が強い証拠です。
幼鳥は飛来した直後、灰色がかった羽色をしており、遠目には別の種類の鳥のように見えることもあります。しかし、翌年の春に北へ戻る「北帰行」の時期までに徐々に白くなり、成鳥に近い姿になっていきます。
カモやスズメなど多くの野鳥では、親子関係は夏の繁殖期だけのものです。しかしハクチョウは、ツルやガンの仲間と同様に、冬を越えても親子で行動します。これが「ハクチョウの家族の絆は強い」と言われる理由です。成長が遅く、繁殖できるようになるまで2年以上かかることも、この長い絆と関係しているとされています。
参考:ハクチョウの家族行動と幼鳥の生態(Canon 野鳥写真図鑑)
コハクチョウ|野鳥写真図鑑(Canon)
冬に白鳥を見に行ったとき、「かわいいからパンをあげたい」と思う気持ちはとても自然です。しかし、パンをはじめとする人間の食べ物を白鳥に与えることは、実は健康被害につながる可能性があります。
パンや菓子パンは炭水化物と塩分・油分が多く、白鳥本来の消化器官では上手く処理できません。野鳥にパンを与えることで「アンジェルウイング(天使の羽症候群)」と呼ばれる翼の奇形が生じることも報告されています。さらに、餌付けによる肥満で体重が標準より3割ほど重くなり、心不全を起こして死んだコハクチョウが確認されたという記録もあります。人間の生活習慣病と同じことが白鳥にも起きているのです。
健康への影響だけではありません。
白鳥が本来食べているものは、水中の藻・水草・ヨシの茎や根・落穂・昆虫などです。これらは越冬地の自然環境に十分あります。餌付けが禁止されている飛来地も増えており、たとえば千葉県印西市の「白鳥の郷」でも飼育管理者以外の餌やりは禁止されています。
白鳥観察を楽しみたい場合は、飼育管理者以外の餌やりは控え、静かに遠くから観察するのが一番です。双眼鏡があれば、くちばしの模様もよく見えてコハクチョウとオオハクチョウの見分けも楽しめます。双眼鏡は8〜10倍程度のものがバードウォッチングには使いやすいとされています。Nikon・Vixenなどの国産メーカーから1万円前後のエントリーモデルも出ているので、白鳥観察のお供に検討してみてはいかがでしょうか。
参考:白鳥への餌やり禁止と理由(日本野鳥の会 栃木県支部)
【お願い】ハクチョウに餌を与えないで!|日本野鳥の会栃木県支部

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