ジュゴンが見られる水族館は世界でたった2か所だけ

ジュゴンが見られる水族館は世界でたった2か所だけ

ジュゴンが見られる水族館は世界に2か所だけ、その驚きの現実

世界中の水族館を全部回っても、ジュゴンに会える場所は今この瞬間たった2か所しかありません。しかも日本にある鳥羽水族館(三重県)のセレナは、飼育日数が世界記録を更新し続けている奇跡の存在です。


🐋 この記事の3ポイント要約
🌏
世界でジュゴンに会える水族館は2か所だけ

日本・三重県の鳥羽水族館と、オーストラリアのシーライフ・シドニー水族館のみ。国内では鳥羽水族館の「セレナ」1頭しか飼育されていない超レアな動物です。

🏆
鳥羽水族館のセレナは飼育日数の世界記録を更新中

1987年4月に入館したセレナは、2025年で入館38年を迎えました。2018年に世界記録を達成し、今もそのまま更新中。世界最長飼育のジュゴンです。

🧜‍♀️
鳥羽水族館はジュゴン×マナティを同時展示できる世界唯一の水族館

ジュゴンとアフリカマナティーを同時に見られるのは世界でも鳥羽水族館だけ。どちらも人魚伝説のモデルとされる海の哺乳類で、一度に比較できる世界で唯一の場所です。


ジュゴンが見られる水族館は世界に今2か所しかない理由


「水族館でジュゴンを見た」という人に会ったことはあるでしょうか。実は、それはかなりレアな体験です。現在、世界中でジュゴンを飼育している水族館は、日本の鳥羽水族館(三重県鳥羽市)とオーストラリアのシーライフ・シドニー水族館の、たった2か所しか存在しません。


なぜこれほど少ないのでしょうか?ジュゴンは非常に神経質な動物であることが最大の理由です。野生のジュゴンは海の浅瀬に生えるアマモなどの海草だけを主食としており、体重の10〜16%を毎日食べ続けます。鳥羽水族館ではセレナのために毎日約30〜35kgもの海草やレタスを用意していますが、嫌いな草が混ざっているとそれだけ残してしまうほど好き嫌いも激しいのです。


加えて、ストレスに弱い性質があり、飼育環境の変化や刺激にとても敏感です。過去には世界各地の30施設以上がジュゴンの飼育を試みましたが、いずれも短期間で命を落としてしまいました。つまり、長期飼育そのものが極めて困難ということですね。




















水族館名 飼育頭数 備考
鳥羽水族館 🇯🇵 日本(三重県) 1頭(セレナ) 世界最長飼育記録を更新中
シーライフ・シドニー水族館 🇦🇺 オーストラリア 1頭(ピッグ) オスのみ飼育


かつては沖縄のシーワールドや他施設でも見られた時代もありましたが、現在では上記の2か所に絞られています。これが現実です。旅行の計画を立てるとき、「いつでも会いに行ける」と思っていたなら、少し考え直した方がいいかもしれません。


参考:ジュゴン飼育の世界的な希少性と歴史的背景について
第3回 水生生物との関わり ジュゴン|日本建築家協会東海支部


ジュゴンの世界記録を更新中の鳥羽水族館セレナとはどんな存在か

鳥羽水族館で暮らすジュゴン「セレナ」は、メスのジュゴンで、1987年4月15日に入館しました。当時はまだ体長148cm・体重わずか67kgという小さな子供でした。嵐の中一人ぼっちで漂流しているところを保護されたのがきっかけで、職員が哺乳瓶で授乳しながら育てたという、なんとも心温まるエピソードがあります。


あれから38年が経った現在、セレナは体長260cm・体重379kgに成長しました。体重でいうと、だいたい成人男性5〜6人分に相当する大きさです。そして2018年9月15日、飼育日数が1万1476日を超えたことで「世界最長ジュゴン飼育記録」を達成し、今もその記録を毎日更新しています。


ジュゴンの寿命は最大70年以上とされています。セレナの推定年齢は記事執筆時点でおよそ39〜40歳前後とみられるので、まだまだ中年期です。これは長生きできる余地が十分あるということですね。


🐠 セレナのプロフィールまとめ


| 項目 | 詳細 |
|------|------|
| 名前 | セレナ(Serena) |
| 性別 | メス |
| 入館日 | 1987年4月15日 |
| 現在の体長 | 約260cm |
| 現在の体重 | 約379kg |
| 飼育日数 | 世界記録更新中(2018年に1万1476日達成) |
| 特技 | 仰向けになってのんびりする姿 |


セレナは現在、隣の新しい水槽に移動しており(2025年夏に引越し)、以前よりも広い観覧スペースで多くの来館者に姿を見せています。「ニコニコしているように見える」「仰向けになってぷかぷか浮いている姿が可愛い」と来館者に大人気で、SNSでも頻繁に話題になっています。


参考:鳥羽水族館の公式飼育日記でセレナの最新の様子が見られます
鳥羽水族館 飼育日記|鳥羽水族館公式サイト


ジュゴンとマナティの違いを水族館で楽しむポイント

「ジュゴンとマナティって何が違うの?」とよく聞かれます。実は鳥羽水族館は、世界で唯一ジュゴンとアフリカマナティーの両方を同時に見られる施設でもあります。野生ではジュゴンとマナティが同じ海域で出会うことは絶対にないため、これは本当に奇跡の共演です。


2種の最も分かりやすい違いは尾びれの形です。


- ジュゴンの尾びれ:三日月形(クジラやイルカと同じ形)、外洋をすいすい泳ぐのが得意
- マナティの尾びれ:うちわ型・丸みのある形、沿岸の浅い水域でゆったり動くのが得意


生息環境も大きく異なります。ジュゴンは完全な海水域(インド洋・太平洋の熱帯〜亜熱帯の浅海)に棲み、アマモなどの海草だけを食べる草食動物です。一方マナティは、淡水・汽水・海水のどの環境にも適応でき、藻類や水草など幅広い植物を食べます。意外ですね。


口の形にも違いがあります。ジュゴンは下を向いた独特の形をしており、海底の砂地から海草を掘り起こして食べるのに適しています。マナティはやや前向きの口で、水草を器用に手繰り寄せて食べます。


鳥羽水族館では2025年にジュゴン×マナティのコラボグッズも発売され、両者の違いを楽しめるマスコットが人気を集めました。水族館に行く前にこの違いを頭に入れておくと、観察がぐっと深まります。それが条件です。


参考:ジュゴンとマナティの生態的違いについて
ジュゴンについて|WWFジャパン


ジュゴンが絶滅危惧種に指定されている理由と世界の現状

ジュゴンは現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「危急種(VU)」に指定されている絶滅危惧種です。日本国内では環境省のレッドリストで最も深刻なランクである「絶滅危惧IA類(CR)」に分類されており、文化財保護法の天然記念物にも指定されています。


世界全体では現在約8万5千〜10万頭が生息していると推定されますが、その約70%がオーストラリアとパプアニューギニアの海域に集中しています。残りの約3万頭が、インド洋・紅海・アフリカ東岸・東南アジアなど30か国以上に分散して暮らしているのです。


日本国内、特に沖縄では状況がさらに深刻です。かつては沖縄全域で見られたジュゴンですが、現在は本島北部の東海岸などごく限られた海域にしか生息が確認されておらず、個体数は50頭以下と推定されています。2025年10月にはボン条約事務局が「沖縄のジュゴン集団は回復困難な状態にある」とする報告書を公表し、国際的にも注目されています。


減少の主な原因は以下の通りです。


- 🌿 餌場となる海草藻場の消失(埋め立てや開発)
- 🚢 船舶との衝突による外傷
- 🎣 漁業の網への混獲
- 🌡️ 水温上昇による海草の枯死


ジュゴンが減れば海草藻場の生態系にも大きな影響が出ます。海草は光合成によりCO₂を吸収し、海底の炭素を固定する重要な役割を担っているため、ジュゴンの保護は地球環境全体にとっても意義があるのです。


参考:日本のジュゴンの絶滅危惧状況についての詳細


ジュゴンに会うために鳥羽水族館に行くときの知っておきたいポイント

鳥羽水族館は三重県鳥羽市にある老舗水族館で、2025年に開館70周年を迎えました。飼育種類数は約1,200種と日本最多クラスを誇り、入館者数は長年にわたって国内上位を維持しています。ジュゴンとマナティを同時に見られる「世界唯一の水族館」という看板は、他のどんな施設でも真似できない強みです。


🎯 鳥羽水族館でジュゴンをより楽しむためのポイント


| ポイント | 詳細 |
|----------|------|
| 展示場所 | セレナは2025年夏に新しい広い水槽へ移動済み |
| 見どころ | 仰向けで浮かぶ姿・ゆったりとした泳ぎ方 |
| おすすめ | 1日2回の給餌タイムで食事の様子を観察 |
| 合わせて見たい | アフリカマナティー(世界唯一の同時展示) |
| グッズ | セレナのぬいぐるみ・キーホルダーが人気 |


アクセスは、近鉄鳥羽駅から徒歩約10分で到着できます。伊勢神宮と合わせて訪れる旅程を組む方も多く、伊勢志摩エリアの王道観光コースのひとつとなっています。


注意点として、ジュゴンは野生個体が保護されている動物であるため、繁殖のための新たな個体搬入は非常に難しいのが現状です。鳥羽水族館でもジュゴンの繁殖プログラムを目指しながら、現在は「セレナをいかに長く健康に飼育するか」が最大の目標とされています。


つまり、今この瞬間に会いに行くことが、最善のチャンスということです。


また、鳥羽水族館の70周年記念として2025年には「ジュゴン&マナティー バックヤードツアー」も実施されました。飼育施設の裏側からセレナを間近で観察できる特別体験で、参加者から大変好評だったとのこと。定期的に実施される可能性があるため、公式サイトのお知らせをチェックしておくことをおすすめします。


参考:鳥羽水族館の公式サイトで最新イベント情報が確認できます
鳥羽水族館 公式サイト




天草の魅力を探る 自然科学と食文化ガイドブック