
とんかつに使用される豚肉は、主にロース肉とヒレ肉の2つの部位に分けられます。ロース肉は背中から肩にかけての部位で、脂肪の割合が適度に含まれているため、揚げた際にジューシーで柔らかな食感を楽しめるのが特徴です。
参考)https://tonkatu-sora.com/column/f0dfc4f5-68cc-4749-a8bb-e7d0b0d2c172
一方、ヒレ肉は豚の背骨の内側にある最も柔らかな部位で、脂肪分が少なくヘルシーな選択肢として人気があります。ヒレは赤身が中心のため、あっさりとした味わいで、脂っこさを避けたい方に最適な部位です。
参考)https://tonkatsu-nagi.com/column/detail/20250707234659/
選び方のポイントとしては、まず肉の色つやを確認することが重要です。新鮮な豚肉は薄いピンク色で、表面に艶があります。また、脂身は白く透明感があるものを選ぶことで、より美味しいとんかつを作ることができます。
厚さは3cm程度が理想的で、厚すぎると火の通りが悪くなり、薄すぎると肉汁が逃げやすくなってしまいます。購入時は、肉の厚みが均一であることも確認しましょう。
参考)https://www.tenpos.com/foodmedia/newstrend/29313/
豚肉の品種によっても、とんかつの仕上がりは大きく変わります。一般的な白豚は流通量が多く価格も手頃で、バランスの良い味わいが特徴です。
参考)https://www.tonkatu-kyk.co.jp/img/web/tonkatu/foodarea/czo2NToiSFDmjrLovIlf5Li76KaB6aOf5p2Q44Gu55Sj5Zyw5oOF5aCxKDIwMjXlubQx5pyI5bqmKV_jgajjgpPjgYvjgaQiOw.pdf
特に注目すべきは黒豚で、鹿児島県や宮崎県産のものが代表的です。黒豚は一般的な豚肉に比べて肉質がきめ細かく、脂身の甘みが強いのが特徴です。とんかつにすると、より濃厚な旨味とコクのある仕上がりになります。
参考)https://www.tonkatu-kyk.co.jp/img/web/tonkatu/foodarea/czozMDoi44Go44KT44GL44GkS1lL5Y6f55Sj5Zyw5oOF5aCxIjs.pdf
また、琉香豚(沖縄県産)やゆめの大地(北海道産)など、地域特有のブランド豚も存在します。これらの豚肉は、それぞれ独自の飼育方法や飼料にこだわっており、通常の豚肉とは異なる風味や食感を楽しむことができます。
興味深いことに、豚肉の品質向上にはイベリコ豚の影響も大きいとされています。日本国内でも、飼料や飼育環境の改良により、以前よりもはるかに美味しい豚肉が生産されるようになりました。
参考)https://intojapanwaraku.com/rock/gourmet-rock/132747/
美味しいとんかつを作るためには、下処理が非常に重要です。まず最初に行うのが、脂身と赤身の境目にある筋を切ることです。この作業を怠ると、揚げた際に肉が縮んで固くなってしまいます。
参考)https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1880020663/
筋切りは、包丁の先を使って細かく切り込みを入れていきます。特に脂身と赤身の境界線に沿って、2cm間隔程度で切り込みを入れるのがポイントです。この際、肉を切り落とさないよう注意しながら、筋だけを切断します。
次に重要なのが肉叩きです。包丁の背や肉叩き器を使って、肉の繊維を壊すように叩きます。縦横まんべんなく叩くことで、肉が柔らかくなり、火の通りも良くなります。ただし、叩きすぎると肉がボロボロになってしまうため、適度な力加減が必要です。
下味付けも忘れてはいけません。塩、こしょう、酒、みりんを基本とした調味料を使用します。酒は肉の繊維をほぐし、みりんは甘みを加えつつ肉を柔らかくする効果があります。前日から仕込むと、より深い味わいのとんかつを作ることができます。
参考)https://tonkatu-sora.com/column/7e08654b-d4f6-4226-8503-e73c1b1b1528
とんかつの仕上がりを左右する重要な要素の一つがパン粉選びです。パン粉には大きく分けて「細かいパン粉」と「粗いパン粉」の2種類があり、それぞれ異なる食感を生み出します。
細かいパン粉は、衣がきれいに付きやすく、均一に揚がるため外観が美しく仕上がります。しかし、サクサク感は控えめになる傾向があり、より上品な食感を求める場合に適しています。高級レストランなどでは、細かいパン粉を好んで使用することが多いようです。
一方、粗いパン粉は揚げた際に空気を多く含み、ボリューム感のあるサクサクとした食感が楽しめます。家庭でとんかつを作る場合、この粗いパン粉を使用することで、より食べ応えのある衣に仕上がります。
パン粉の原料となるパンの種類も重要な要素です。食パンを乾燥させて作った生パン粉は、揚げた時の食感がより軽やかになります。一方、完全に乾燥したドライパン粉は、長期保存が可能で安定した品質を保てる利点があります。
専門店では、自家製パン粉を使用するところも多く、店舗独自の食パンを使って作ったパン粉は、その店ならではの特色ある食感を生み出します。
プロのような仕上がりのとんかつを作るには、油温度の管理が極めて重要です。理想的な温度は160〜170℃で、この温度帯でゆっくりと火を通すことで、外はサクサク、中はジューシーなとんかつが完成します。
温度が低すぎると、衣が油を吸いすぎて重たい仕上がりになってしまいます。逆に温度が高すぎると、表面だけが焦げて中に火が通らない状態になってしまうため、温度計を使用して正確に管理することが大切です。
揚げ上がりの見極めポイントとしては、泡の大きさの変化があります。最初は大きな泡が出ますが、火が通ってくると泡が小さくなってきます。また、とんかつが浮いてきた時や、揚げ箸で持った際に振動を感じるのも揚げ上がりの目安です。
最後に油切りの工程も重要です。揚げたとんかつは重ならないように立てかけて置き、余分な油をしっかりと切ることで、よりサクサクとした食感を保つことができます。この工程を怠ると、時間が経つにつれて衣がべとついてしまう原因となります。
また、一度に大量のとんかつを揚げると油温が下がってしまうため、少量ずつ揚げることも美味しく仕上げるコツの一つです。家庭用のフライパンでは2枚程度が適量とされています。