無塩せきで食中毒が起こることがあるって、ホント??
健康に気をつけようと、と無塩せきハムを朝食に取り入れ始めた山田さん。添加物や発色剤を避け、自然な味を求めた結果ですが、思わぬ落とし穴が。
いつものようにサンドイッチに無塩せきハムを挟んで、パクッと一口。
「うーん、普通…?」
一般的なハムに比べて色も薄くてピンク色だけど、味は普通です。山田さんは「けど、体にはいいのよね」と自分に言い聞かせました。
しかし、数日後。「うっ、お腹が痛い…」。食中毒でした。
検査の結果、無塩せきハムに潜んでいた菌が原因であることが判明しました。無塩せきハムは、発色剤を使わない代わりに賞味期限が短く、調理方法にも注意が必要です。山田さんは、そのことを知らずに冷蔵庫で保存し、そのままサンドイッチにして食べてしまったのです。
火を通してから食べるべきでした。
健康志向で選んだ無塩せきハムが、まさか食中毒の原因になるとは…。
「無塩せき」はなんとなく健康に良さそうだけど、別にそういうこともなく、逆にデメリットもあるということですね。
いやでも、無塩せきのほうが安全ってことには変わりないでしょう?
たしかに安全っぽいイメージあるけど、わりとハンパな言葉なんです。「無塩せき」って。
「無塩せき」とは、塩で漬け込むときに発色剤を使わないもののことです。一般的なハムやウインナーは、塩を漬け込むために発色剤を使いますが、無塩せきはその発色剤を使わずに作られています。
発色剤を使わないため、鮮やかな色が出ません。肌色っぽくなるというか…くすんでいて、あまり美味しくなさそうに見えます。が、その分、添加物は少ないことになります。
無塩せきだから添加物のうち、発色剤を使ってないんですよ!
他の添加物は、(言わないけど)使ってるかもしれないけど…
そんな戦略的な安全さをアピールする言葉のように思えます。
添加物が少ない=安全とは、必ずしも言えないんですね。
さらに、添加物が入っていないことで、不都合が起こることもあるんです。
無塩せきとは、発色剤を使わずに塩漬けすることですが、他の添加物がフツーに使われています。
もともとハムやソーセージは「塩せき(塩漬)液」という調味液につけて作ります。その塩せき液に「発色剤」が使われていなければ、「無塩せき」となります。
発色剤以外の何かが入ってても、無塩せきになるというルール。
リン酸塩や酸化防止剤が入ってても無塩せき。
発色剤はもちろん、その他の全ての添加物が入ってないのが「無添加」になります。
でも、無添加は高いし…
マトモに作ると、無添加ウインナーはこのくらいの値段になります。
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ドイツ伝統の作り方で、無添加ウインナーにしている例。お祝いの日でもないと食卓に出せないレベルかも。
国内産の無添加だと、平田牧場のウインナーが有名。
添加物にメッチャうるさい生活クラブが提携しているとこです。
平田牧場の通販サイトで買えます。これも結構な値段。
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平田牧場の無添加ハム・ソーセージ(
平田牧場 公式通販)
平田牧場のウインナーは、ときどき生活クラブに資料請求するともらえるアイテムとして出てくるので、知っている人もいるかも知れませんね。
大量まとめ買いして、どうにか日常使いできるレベルまで価格を下げている生協です。
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無塩せきで、保存料が入ってない場合、賞味期限の目安は10日程度(冷蔵庫で保存した場合)
保存料が入っていれば、それよりも賞味期限は伸びます。
なお、パッケージしてあるハムやソーセージの場合、開封すると賞味期限はさらに短くなります。
無塩せきで保存料が入っていない場合、必ずしも安全でないという理由のひとつがボツリヌス菌。
保存料が入っていれば、まずボツリヌス菌の心配はないですが、夏場など気温と湿度が高い場所では、ボツリヌス菌が発生しやすくなります。
ボツリヌス菌は、温暖かつ湿度のよい場所で増殖することができます。ボツリヌス菌は、嫌気性の菌で、ハムの内部など空気に触れない場所で増殖していくんですね。また、温度が37度以上の場所では、より増殖しやすくなります。
ボツリヌス菌の中毒になると、筋肉が麻痺し、運が悪いと呼吸ができなくなって死に至ります。筋肉を麻痺させる部分を女性向けのシワ取り美容に使われたりもしていますが、かつては細菌兵器として研究されていたこともあるほどの強い毒性を持っています。
が…!ボツリヌス菌は熱に弱いので、もしも心配なら、しっかり火を通してから食べれば、問題なし。
ハムとサラダなんかはありがちな組み合わせですが、無塩せきハムとサラダは少し注意が必要かも知れません。
じゃあ、保存料を使ったほうがいいんじゃん!
ということでもありません。
実は、発色剤(亜硝酸塩)は保存料でもあるのですが、亜硝酸塩に発がん性があるのでは?という指摘があります。
ただし、現時点ではWHO合同食品添加物専門会合(JFCFA)としては、「発がん性があるとは言えない」という微妙なコメントを出しています。
結局、無塩せきが良いとも悪いとも言えないという、スッキリしない状態になっています。
パルシステムなんかは、無塩せきのウインナーを推してて、「色が美味しそうに見えない」(もっと言えば、色が肌色で不気味)という大きな欠点があるのですが、すごく美味しいんです。(使ってる肉が美味しいだけという可能性もあります) 子供に食べさせる食材として、安全と価格のバランス的には、パルのウインナーはちょうど良いですね。
千葉のパルシステム野田店で買えるので、近所の人は試してみるといいかも。
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