

クレソンは、香りの強い葉物という印象に反して、栄養面では「緑黄色野菜としての実力」がはっきり出る食材です。βカロテンやビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウムなどが挙げられ、特にβカロテンの多さがよく紹介されています。
実際に、クレソンのβカロテンは100gあたり2,700µgというデータで解説されることがあり、体内で必要に応じてビタミンAに変換される「プロビタミンA」として位置づけられます。
料理をする人にとって重要なのは、これらが“単体の栄養自慢”で終わらず、料理の組み立てに使える点です。例えば、脂溶性のβカロテンは油や脂と相性がよく、肉料理の付け合わせにすると「味の相性」と「食べ方の理にかなった組み合わせ」が一致します。
さらにクレソンは、ビタミンCやビタミンK、ミネラルも話題になりやすく、少量でも献立全体の栄養バランスに“差し込みやすい”野菜です。
クレソンの効能を語るとき、誤解が起きやすいのが「効く=治る」という言い回しです。ここでは、栄養素の“体内での働き”として押さえるのが安全で、ビタミンKは血液の正常な凝固に働き、骨の健康にも働く、と厚生労働省の情報で説明されています。
また、ビタミンKは血液凝固因子を活性化すること、骨のたんぱく質(オステオカルシン)を活性化し骨形成にも関与することが、公的資料の解説でも示されています。
ここにカルシウムが重なると「骨の材料(カルシウム)+働きを支える要素(ビタミンK)」という組み立てが見え、クレソンを“骨のための食卓の一部”として扱いやすくなります。
ただし、ビタミンKは医薬品との相互作用で注意が必要なケースがあり、ビタミンK製剤はワルファリンとの併用禁忌、ワルファリン服用者は納豆・青汁などの摂取を医師に相談、という注意喚起があります(クレソンもビタミンKが多い葉物として、同じ文脈で配慮が必要です)。
ビタミンKの働き(血液凝固・骨との関係)の根拠。
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-027.html
クレソンの話題ではβカロテンやビタミンに注目が集まりがちですが、料理の設計ではカリウムも便利な存在です。上位記事では、クレソンにカリウムが含まれること、塩分調整(ナトリウムとの関係)の文脈で紹介されることがあります。
濃い味の主菜(焼肉、ステーキ、ソテー)にクレソンを合わせると、口の中がさっぱりするだけでなく、「塩気が強い献立に葉物を足す」という整え方がしやすいのも現実的なメリットです。
食物繊維も、便通サポートとして触れられる代表格で、クレソンの栄養解説では“便秘対策”として挙げられることがあります。
一方で、栄養成分は「100gあたり」と「実際に食べる量」の差が出やすいので、クレソンを“少量の香味野菜”として扱うのか、“サラダでしっかり量を食べる”のかを決めると、栄養の狙いもブレにくくなります。
クレソンは鮮度が落ちると香りが抜けやすいため、買ってからの保存で味の満足度が変わります。コツとして、グラスに少量の水を入れて茎を挿し、袋をかぶせて野菜室に入れ、水を毎日替える、といった保存が紹介されています。
同様に、湿らせたキッチンペーパーに包んで袋に入れ、立てて冷蔵保存する方法も一般的で、「立てる」ことがポイントとして解説されています。
下処理としては、生食だと苦味を感じる場合があるため、水に浸けてアクを抜くやり方が提案され、15分ほど水に浸けるという目安が示されることもあります。
料理への落とし込みはシンプルで、まずは以下を試すと“添え物止まり”を脱しやすいです。
・🥩 肉の仕上げに生のクレソン:香りで脂を切り、口をリセットしやすい。
・🍳 さっと加熱(炒め・かき揚げ系):香りが穏やかになり、量を食べやすい(食べ方の提案として紹介あり)。
・🥗 サラダ:保存状態が良いほど香りが立つので、購入直後~翌日が特に向きます。
あまり語られにくいポイントとして、「野菜で食べる」ことと「サプリでまとめて摂る」ことは、同じ“抗酸化”の言葉でも評価が分かれます。厚生労働省eJIMでは、抗酸化サプリメントががん予防に役立つ考えは支持されておらず、抗酸化物質の一つであるβカロテンの大量摂取は肺がんリスクを高めるかもしれない、と注意喚起されています。
この話はクレソン自体を怖がるためではなく、「クレソンのβカロテンが良いらしい→サプリで大量に」という短絡を避けるために役立ちます。クレソンは料理としての量・頻度で取り入れやすく、香りや辛味で“食べ過ぎにくい”特性もあるため、食卓で自然に続ける方が現実的です。
また、国立がん研究センターの大規模研究の紹介では、α-カロテン・β-カロテンを多く含む野菜の高摂取グループで肝がんリスク低下が示された、という結果が説明されており、「野菜として摂る」方向の考え方を補強します(特定の病気を治す話ではなく、食習慣の研究として読むのがコツです)。
料理の作り手としては、クレソンを“機能性だけで選ぶ食材”にせず、香り・苦味・辛味をレシピのアクセントとして使いながら、結果的に栄養も乗せる、という設計が最も失敗しにくいです。
抗酸化サプリとβカロテン大量摂取の注意(独自視点セクションの根拠)。
https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c02/02.html