

「カッペリーニ」と書くと、実はパスタではなく小さなケイパー(野菜)の名前になってしまいます。
スーパーや飲食店のメニューで目にする「カッペリーニ」という表記、実はイタリア語的に見ると大きな間違いです。正しい名前は「カペッリーニ(capellini)」——小さい「ッ」の位置が違うだけですが、意味がまったく変わってしまいます。
「カペッリーニ」の語源は、イタリア語の「capelli(カペッリ)」という単語です。これは「髪の毛」という意味で、そこに縮小辞の「-ini(イーニ)」がついた「細い髪の毛たち」が、このパスタの正式名称です。見た目の繊細さを「髪の毛」に例えたイタリア人らしいセンスあふれる命名といえます。
では「カッペリーニ」だとどうなるのか? 「capperi(カッペリ)」はイタリア語でケイパーという植物の実を指します。ケイパーとは、地中海料理でよく使われる酸味のある小さなつぼみのピクルスのこと。そこに「-ini」がついた「capperini(カッペリーニ)」は「小さなケイパー」という意味になってしまうのです。パスタ名と野菜名が、たった1文字で入れ替わってしまうというわけです。
つまり正解はシンプルです。
「カペッリーニ」——「ぺ」の後に小さな「ッ」が来るのが正しい表記です。
日本では長年「カッペリーニ」という表記が広まっており、パスタメーカーの商品パッケージにも「カッペリーニ」と書かれているほど一般化しています。それでも本場イタリアへの敬意という点では、正しい名前を知っておくと料理の理解がさらに深まります。ちなみに、大手ファミリーレストランのサイゼリヤはメニューに「カペッリーニ」と正確な表記を使っていることで一部の食通から高く評価されています。
参考になる詳細な語源解説はこちら。
「カッペリーニ」なのか「カペッリーニ」なのか。たった1文字の違いの意味(note・イタリア料理店オーナーによる解説)
カペッリーニが「髪の毛」と呼ばれるのは、その圧倒的な細さにあります。通常のスパゲッティが直径約2mm前後であるのに対し、カペッリーニの太さはメーカーによって異なりますが、おおよそ0.85mmから1.3mm以下。スパゲッティと比べると、ほぼ半分以下の細さです。
わかりやすくイメージするなら、鉛筆の芯(約2mm)とシャープペンシルの芯(0.5〜0.7mm程度)の違いを思い浮かべてみてください。その差がまさにスパゲッティとカペッリーニの関係に近いです。
また、カペッリーニには「カペッリ・ダンジェロ(capelli d'angelo)」という別名もあります。これはイタリア語で「天使の髪の毛」という意味で、英語では「エンジェルヘア・パスタ(angel hair pasta)」とも呼ばれます。繊細で細く、まるで天使の髪のようだという詩的なネーミングです。
なお、メーカーによってはカペッリーニとカペッリ・ダンジェロを別製品として区別しているケースもあります。たとえばディ・チェコ社ではカペッリーニの太さを0.85〜0.92mm、カペッリ・ダンジェロはさらに細い0.78〜0.88mmとして販売しています。このパスタは丸くコンパクトにまとめた巣状の形状(ニドという形)で売られていることも多いです。
極細のロングパスタの太さを細い順に並べると以下の通りです。
| パスタ名 | 太さ(直径) | イタリア語の意味 |
|---|---|---|
| カペッリ・ダンジェロ | 約0.78〜0.92mm | 天使の髪の毛 |
| カペッリーニ | 約0.9〜1.3mm | 細い髪の毛 |
| フェデリーニ | 約1.4〜1.5mm | 糸・薄い |
| スパゲッティーニ | 約1.6〜1.7mm | 細い紐 |
| スパゲッティ | 約1.8〜2.0mm | 紐・細い棒 |
カペッリーニが原則です。ただし市販品の多くは「カッペリーニ」と表記されているため、買い物の際は0.9〜1.3mm前後という太さを目安に選ぶのが確実です。
参考。
カペッリーニ - Wikipedia(太さの規格や語源に関する詳細解説)
カペッリーニといえば冷製パスタ——そう思っている方は多いはずです。確かに日本では夏の定番として、冷製トマトパスタや梅しそパスタなど冷たいメニューによく使われます。でも実は、カペッリーニの使い方はそれだけではありません。
カペッリーニに向いているのは、全体的に「軽めのソース」です。細すぎるために、ミートソースや濃厚なカルボナーラのようなどっしりしたソースには向きません。ソースの重みで麺が絡まったり、食感がぼやけてしまうためです。
相性のよいソースはこちらのとおりです。
さらに意外な食べ方として、イタリアのナポリではカペッリーニをパイ(タルト)の具材として使う伝統料理もあります。「パスタ・イン・クロスタ(pasta in crosta)」と呼ばれ、パイ生地の中にカペッリーニを詰めて焼いた料理です。日本では馴染みのない使い方ですが、知っておくと料理の幅が広がります。
一点注意が必要です。カペッリーニをオイルと一緒に炒める調理法(炒めパスタ)はNGとされています。細すぎるため、鍋の中でちぎれてしまい、ベタベタとした仕上がりになってしまうからです。炒めるのはダメ、というのが調理上の基本です。
カペッリーニは茹でるのが難しいパスタのひとつです。細すぎて茹ですぎるとすぐドロドロになり、逆に短すぎるとぼそぼそした芯が残ります。たった30秒の差でも仕上がりが変わってくる、繊細なパスタです。
まず茹で時間についてです。カペッリーニの標準的な茹で時間は2〜3分と非常に短いです。袋の表示時間を守ることが基本ですが、冷製パスタにする場合は表示時間よりも1分長めに茹でることが推奨されています。
これは理由があります。麺を水で締めると塩分が流れ出て麺の弾力が落ち、アルデンテのまま冷やすと麺が硬くなりすぎてしまうからです。冷製の場合、中心まで均一に火を通すことが重要です。
次に塩加減についてです。通常のパスタを茹でる場合、水1リットルに対して塩10g(塩分1%)が標準的な量とされています。しかし冷製パスタの場合は塩分2%——つまり水1リットルに対して塩20gが適切です。氷水で締める際に塩分が流れ出てしまうため、最初に濃いめに下味をつけておくのがコツです。
締め方にもひと工夫が必要です。茹で上げたらすぐに氷水に浸けて急冷しますが、長く浸けすぎると水っぽくなり塩気も抜けてしまいます。ここは手早く行うのがポイントです。さらに水気を切るだけでなく、キッチンペーパーやタオルで丁寧に水気を拭き取ることで、ソースとのからみが格段によくなります。
これは使えそうです。
手順をまとめると次のとおりです。
麺を入れた直後は麺同士がくっつきやすいため、入れてすぐにほぐすことも忘れずに。氷水は事前にたっぷり用意しておくことが準備の基本です。
参考。
カッペリーニはパスタじゃない?よくある勘違いから茹で方のコツまで(パスタソースキッチン公式ブログ)
「家にカペッリーニがないけど、そうめんで代用できないかな?」——夏になるとそんな疑問を持つ方も少なくないようです。結論からいえば、食感や用途の面でかなり近い関係にあります。
両者の共通点は「極細」という点です。カペッリーニの太さは0.9〜1.3mm以下で、日本農林規格(JAS)でそうめんは直径1.3mm未満と定められています。太さはほぼ同じ領域で、どちらも茹で時間が2〜3分程度と短い点も似ています。
ただし原材料と食感に違いがあります。カペッリーニはデュラムセモリナ粉と水が主原料で、グルテン量が多くモチっとした弾力があります。一方、そうめんは一般的な小麦粉(薄力粉〜中力粉)を使い、塩と油が加わることで、なめらかでつるっとした独特の食感になります。
代用としての観点では、和風ソース(めんつゆ、大葉、梅、みょうがなど)を使う場合はそうめんで十分に近い仕上がりになります。逆に、トマトやオリーブオイル、チーズなどイタリアン系のソースには、やはりカペッリーニのほうがソースとの相性・食感ともにまとまりよく仕上がります。
SNSや料理ブログでも「そうめんで冷製カペッリーニ風を作った」というレシピが多数見られ、日常的な代用レシピとして定着してきています。茹で時間も似ているので料理の失敗リスクが低く、主婦の方にとって使いやすい知識といえます。
コスト面でも差があります。カペッリーニ(500g・輸入品)はスーパーで250〜400円程度が相場です。対してそうめん(300g束・国産)は100〜200円前後で手に入ることが多く、価格は国産そうめんのほうが割安です。ただしカペッリーニを使うことで料理全体のクオリティが格段に上がる場面もあるため、場面に応じた使い分けが賢い選択です。
そうめんが余っている夏以外の季節は、カペッリーニを使ったソースパスタで本格イタリアンを自宅で楽しんでみてください。細麺ならではの繊細な食感は、一度試すとやみつきになります。

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