

皮ごと真っ黒に焼いた野菜を、次の日に食べると甘みが3倍に増します。
エスカリバーダ(escalivada)は、スペインのカタルーニャ地方で古くから愛されてきた伝統的な料理です。名前の由来はカタルーニャ語の「escalivar(熱い灰の中で焼く)」という動詞にあり、もともとは炉の熱い灰の中に野菜を直接埋めて蒸し焼きにしていたのが始まりとされています。現代では、その調理をオーブンや直火が引き継いでいます。
日本語では「焼き野菜のマリネ」「野菜ロースト」などと紹介されることが多い料理です。使う野菜はパプリカ・なす・玉ねぎ・長ねぎが定番で、皮ごとオーブンや直火でじっくり高温に焼き上げます。表面が真っ黒に焦げるほどしっかり火を通すのがポイントで、焦げた皮をむくと中からトロトロに蒸し上がった甘い実が現れます。
これが美味しさの核心です。高温で焼くことで野菜の細胞が壊れ、中に含まれる糖分が凝縮・カラメル化されるため、生のままでは感じられない深い甘みが生まれます。塩とオリーブオイル、好みでビネガーを加えてマリネするだけで、シンプルなのに驚くほど味わい深い一皿に仕上がります。
「焦がして食べるなんて」と思う方もいるかもしれませんが、食べるのは焦げた皮の中身なので安心してください。つまり「焦がすのは皮だけ」が原則です。
料理の流れをシンプルにまとめると、以下のような手順になります。
材料がシンプルである分、「焼き方」と「皮むきのコツ」が美味しさを左右します。次のセクションでそれぞれ詳しく説明していきます。
オーブンを使う場合、設定温度は200〜230℃が基本です。野菜にはそれぞれ適切な焼き時間があります。
パプリカとなすはサイズによって火の通り方が変わります。大きなパプリカなら25分ほどかかることもあります。焼き上がりの目安は、表面全体が黒く焦げて、指で軽く押したときにふにゃっと柔らかく感じられる状態です。
玉ねぎは皮ごとアルミホイルでぴったり包んでから焼くのがポイント。こうすることで内側がじっくり蒸し焼き状態になり、甘みが格段に引き出されます。1時間という時間が長く感じるかもしれませんが、オーブンに入れてしまえばほとんど手がかかりません。
「オーブンの予熱を忘れずに」が条件です。冷えた状態から入れると温度が上がりきらず、余分な時間がかかってしまいます。
焼き上がったら、すぐに食べずにアルミホイルで包んで10〜20分休ませるのが大切なステップです。この「蒸らし」の工程で余熱が野菜の中心まで伝わり、皮もむきやすくなります。
プロシェフによるエスカリバーダの焼き時間・工程の詳細(ぐるなびシェフごはん)
なお、パプリカを焼く際に内側の水分を逃がしたくない場合は、丸ごとのまま焼くのが理想的です。丸ごとのほうがジューシーな仕上がりになります。半分に切った場合は水分がやや飛びますが、焼き時間が短くなり、種の処理も楽になります。どちらが良いかはお好みですが、ジューシーさにこだわりたいなら丸ごと焼きがおすすめです。
焼き上がってアルミホイルから取り出したパプリカやなす。真っ黒に焦げた皮が手に付いて、ついつい水で洗い流したくなりますよね。しかしこの「水洗い」こそ、エスカリバーダの美味しさを半減させる最大の失敗です。
焦げた皮をむいた後に水で洗ってしまうと、焼くことで凝縮された野菜の旨みと香ばしい香りが一緒に流れ去ってしまいます。「ここまでの手間が台無し」という状態になります。
正しいやり方は、キッチンペーパーで拭き取ることです。手が汚れるのが気になる場合は、使い捨て手袋をつけると便利です。多少焦げが残ってしまっても、それ自体に深みのある風味があるので問題ありません。むしろ少し残るくらいが香ばしくて美味しいとも言えます。
「多少の焦げは旨みです。」これがエスカリバーダの原則です。
また、焼いたパプリカからは甘い焼き汁が出ることがあります。この汁を捨てずにマリネ液と混ぜると、風味がグッと深まります。プロのシェフも焼き汁を活用することを推奨しているほどです。
皮むきの「水洗い厳禁」ポイントと理由(レシピサイトNadia)
皮むきは焦げた部分を指でポロポロとはがしていくと、しっかり焼けていればスムーズに取れます。剥がれにくい場合はまだ焼きが足りないサインです。追加でアルミホイルに包んだまま数分オーブンに戻すか、蒸らし時間を延ばしてみましょう。
「オーブンを持っていないから作れない」と思っていませんか? 実はエスカリバーダは、家のキッチンにある道具で代用できます。
最も手軽な代用方法が魚焼きグリルです。パプリカを半分に切って切り口を下に向け、強火で上面・下面合わせて10〜15分ほど焼けば、皮が真っ黒に焦げて中がとろとろになります。魚焼きグリルは上下から一気に強火が当たるため、焼き色がつくのが早く、オーブンより短時間で仕上げられます。これは使えそうです。
魚焼きグリルの場合、注意点が1つあります。丸ごとのパプリカは高さがあって入らないことがあります。その場合は半分に切って使いましょう。半分に切った状態でも、皮面をしっかり焦がせばエスカリバーダとして十分に美味しく仕上がります。
IHクッキングヒーターをお使いの家庭では、フライパンを使った蒸し焼き方法がおすすめです。オリーブオイルを薄くひいたフライパンにパプリカを入れ、ふたをして中火で蒸し焼きにします。全面を真っ黒に焦がすのは難しいですが、一部が適度に焦げてトロっと柔らかくなれば、皮をむいてエスカリバーダとして楽しめます。
直火焼きの場合はコンロに網を置き、パプリカを丸ごとのせてトングで回しながら焼く方法もあります。100円ショップで売っている焼き網(スタンド付き)を使えば安定して置けます。
どの方法でも仕上げの「アルミホイルで蒸らす」工程は共通です。焼き上がったら必ずアルミホイルに包んで10〜20分おいてから皮をむきましょう。
エスカリバーダの大きな魅力のひとつが、作り置きができる点です。作ったエスカリバーダをオリーブオイルごとタッパーに入れて冷蔵庫で保存すると、プロのレシピでは約1週間ほど日持ちするとされています。
冷蔵保存の際、オリーブオイルが冷えて白く固まることがありますが、常温に戻せばすぐに元の状態に戻るので問題ありません。保存容器は清潔なガラスやホーロー製のものを使うと、より衛生的で風味も保ちやすくなります。まとめて作っておけばOKです。
週末に1回作って冷蔵庫に常備しておくと、平日の食卓がぐっと豊かになります。
アレンジの幅も広いのがエスカリバーダの魅力です。代表的な食べ方と組み合わせをいくつかご紹介します。
ポイントは「冷やしたまま食べる」ことです。エスカリバーダは冷たい状態のほうが野菜の甘みが際立ち、口の中でとろけるような食感を楽しめます。温め直さずに冷蔵庫から出してそのまま使えるのも、作り置きとして優秀な理由のひとつです。これはラクですね。
また、エスカリバーダにアンチョビを加えるアレンジは、塩気と旨みがプラスされて野菜の甘みを引き立てる王道の組み合わせです。アンチョビが手元にない場合でも、ツナ缶で代用すると同じような効果が得られます。スーパーで手軽に手に入るので、ぜひ試してみてください。
あさりを加えたエスカリバーダのアレンジレシピ(オリーブオイル専門サイト)

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