

加熱すると、アルファルファのビタミンCと葉酸が最大50%以上損失します。
アルファルファはマメ科ウマゴヤシ属のスプラウト野菜で、ペルシャ語で「最良の草」を意味します。アメリカでは「植物の父(Father of All Foods)」と呼ばれるほど、多彩な栄養素をバランスよく含む野菜として知られています。日本ではまだなじみが薄いですが、スーパーの野菜コーナーで「糸もやし」として販売されているあの細いスプラウトがそれです。
注目すべきはそのカロリーと栄養のバランスです。100gあたりのエネルギーはわずか11kcalで、ごはん1口分(約20g)にも満たない低カロリー。それでいて、タンパク質・食物繊維・ビタミンK・葉酸・ビタミンE・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛など、体に必要な栄養素がほぼ網羅されています。
| 栄養素 | 含有量(100gあたり) | 主な働き |
|---|---|---|
| エネルギー | 11kcal | 超低カロリー |
| タンパク質 | 1.6g | 筋肉・ホルモン合成 |
| 食物繊維 | 1.4g | 腸内環境・コレステロール低下 |
| ビタミンK | 47μg | 骨形成・血液凝固補助 |
| 葉酸 | 56μg | 細胞生成・貧血予防 |
| ビタミンE | 1.9mg | 抗酸化・老化防止 |
| 鉄 | 0.5mg | 貧血予防 |
| カルシウム | 14mg | 骨・歯の強化 |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
スプラウトは種が発芽した直後の「赤ちゃん野菜」です。発芽のタイミングに植物は集中して栄養素を合成するため、成熟した野菜と比べて栄養密度が高くなります。つまり「小さい見た目の割に、栄養の詰まり方がすごい」ということですね。
特に葉酸は56μg含まれており、妊娠中や授乳中の女性にとっても注目すべき数字です。日本人の妊娠可能年齢の女性に推奨される葉酸の1日の摂取量は240μgで、アルファルファ100gで推奨量の約23%をカバーできます。
また、アルファルファのタンパク質には9種類の必須アミノ酸が含まれており、「良質なタンパク質」に分類されます。植物性食品でこれだけのアミノ酸バランスを持つのは、大豆と並んで珍しいレベルです。これは使えそうです。
参考:アルファルファの栄養成分と効果効能に関する詳細な解説
アルファルファの栄養と効果効能・調理法・保存法 | なにわサプリ
アルファルファに含まれる栄養素は、日常的な健康課題への対策に役立つものが多くあります。主婦の方が気になる「コレステロール」「むくみ」「老化・肌荒れ」の3つについて、具体的に解説します。
まずコレステロール対策です。アルファルファにはサポニンというポリフェノールが豊富に含まれており、腸内でコレステロールの吸収を阻害し、排出を促す作用が確認されています。また、食物繊維の働きで善玉菌が増え、腸内環境が整うことで血中コレステロールの低下も期待されます。実際に脂質異常症患者15名を対象にした臨床試験では、アルファルファ種子40gを1日3回・8週間摂取したところ、LDL(悪玉)コレステロールが平均18%、総コレステロールが17%低下したという報告があります。最大では総コレステロール26%、LDLコレステロール30%の低下が見られました。つまり、継続摂取がコレステロール管理に有効ということです。
次にむくみ改善です。アルファルファにはカリウムが含まれており、カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する作用があります。塩辛いものを食べた翌日の顔のむくみが気になる方や、夕方に足がむくみやすい方にとってうれしい働きですね。加えて、クロロフィル(葉緑素)には有害物質を吸着して体外に排出するキレート効果もあり、デトックス食材として評価が高いです。
抗酸化作用については、アルファルファに含まれるβ-カロテン・ビタミンE・クロロフィルが三重の抗酸化バリアを形成します。活性酸素が細胞を傷つけることで進む動脈硬化や肌の老化を防ぐうえで、これらの成分は欠かせません。研究では、クロロフィルの抗酸化活性はβ-カロテンよりも強いという報告もあります。意外ですね。
さらに注目したいのが、消化酵素アミラーゼ(ジアスターゼ)の存在です。アルファルファの根には消化を助ける酵素が含まれており、食欲不振や胃もたれが気になる日の食事に取り入れると、消化の助けになる可能性があります。
参考:アルファルファのコレステロール低下効果に関する臨床試験の詳細
アルファルファの効果と副作用 | 楽天市場・エクセレントメディカル
せっかくの栄養も食べ方を間違えると大幅に損失します。これが基本です。
アルファルファに豊富に含まれるビタミンC・葉酸はどちらも水溶性ビタミンで、熱に弱い性質があります。加熱すると最大50%以上が失われるケースもあります。食物繊維や脂溶性ビタミン(E・K)は加熱しても比較的残りますが、酵素類は熱で失活します。栄養を最大限に活かすなら、生食がベストです。
【おすすめの食べ方】
洗い方については、ボウルに水を張ってゆするように洗うのがコツです。種が残っていることがありますが、浮かんで取り除きやすくなります。力を入れてもみ洗いすると細い茎が折れてしまうため、優しく扱うのが原則です。
保存方法は「なるべく早く食べる」が鉄則です。アルファルファは日持ちしない野菜で、購入当日に食べ切るのが理想です。どうしても保存するなら、空気を抜いた保存袋に入れて野菜室へ。それでも2〜3日が限度です。冷凍保存は3ヶ月ほど可能ですが、解凍すると水分が出て食感が悪くなります。冷凍した場合は生食には使わず、炒め物やスープに凍ったまま使うようにしましょう。
加熱不可避の場合は、スープのように汁ごと摂取できる料理にするのが栄養の損失を最小限にする方法です。ビタミンが溶け出した汁ごと飲めば、捨てずに摂れます。これは使えそうです。
参考:スプラウトの栄養成分と生食のメリットについての解説
アルファルファや豆苗などの新芽「スプラウト」の栄養 | まごころケア食
スーパーのスプラウトコーナーには、アルファルファ以外にもブロッコリースプラウトやかいわれ大根が並んでいます。それぞれの特徴を把握しておくと、目的に合った使い分けができます。
| 種類 | カロリー(100g) | 注目栄養素 | 主な期待効果 |
|---|---|---|---|
| アルファルファ | 11kcal | 葉酸・ビタミンK・サポニン・クロロフィル | コレステロール低下・むくみ改善・抗酸化 |
| ブロッコリースプラウト | 18kcal | スルフォラファン・β-カロテン | がん予防・解毒酵素誘導・強力な抗酸化 |
| かいわれ大根 | 21kcal | イソチオシアネート・ビタミンC・鉄 | 解毒・免疫強化・メラトニン生成促進 |
アルファルファはほかのスプラウトと比べてβ-カロテンが少ない(56μg)という点が誤解を生みやすい部分です。かいわれ大根(1900μg)やブロッコリースプラウト(1400μg)と比べると大幅に少ないのは事実です。しかし、サポニン・クロロフィル・植物性エストロゲン(イソフラボン類)・葉酸などアルファルファ特有の成分もあり、それぞれに異なる機能性があります。どれが一番良いとは言い切れません。
ブロッコリースプラウトには「スルフォラファン」という強力な抗がん成分が含まれており、がん予防目的ならブロッコリースプラウトが優位です。一方で更年期以降のコレステロール管理や日常的なデトックスを重視するなら、アルファルファのサポニンとクロロフィルが効果を発揮します。
また、風味の面ではアルファルファは3種の中で最もクセが少なくマイルドです。スプラウト初心者の方や、子どもにも食べさせたい方にはアルファルファが最もハードルが低いと言えます。いいことですね。複数のスプラウトをローテーションして取り入れるのが、栄養バランスの観点からも賢い選択です。
参考:スプラウト各種の栄養成分比較と機能性についての詳細
牧草の女王は栄養価の高い機能性野菜〜アルファルファ | クロイターハウス
栄養豊富なアルファルファですが、食べすぎは逆効果になることがあります。注意が必要です。
まず「植物性エストロゲン」の問題があります。アルファルファにはイソフラボン類(クメストロール・ゲニステインなど)という植物性エストロゲンが含まれており、体内でエストロゲン様の作用を持ちます。女性ホルモンとよく似た働きをするため、更年期の症状緩和に役立つ一方で、過剰摂取した場合は乳がん・子宮がん・卵巣がんのリスクになる可能性が指摘されています。現在これらのがん治療中・既往歴のある方や、妊娠中・授乳中の方は過剰摂取を控えることが推奨されています。
次に「カナバニン」という成分です。アルファルファの種子には天然毒素であるカナバニンが含まれています。カナバニンは通常量では問題ありませんが、全身性エリテマトーデス(SLE)やリウマチなどの自己免疫疾患がある方が摂取すると、症状を悪化させる可能性があります。これは医師にも確認すべき情報ですね。
さらに注目すべきが「ビタミンKとワーファリンの相互作用」です。アルファルファ100gには47μgものビタミンKが含まれています。ビタミンKは血液凝固を助けるビタミンですが、心臓や血管の病気などで血液をサラサラにする薬「ワーファリン(ワルファリン)」を服用している方にとっては、薬の効果を妨害する成分です。ワーファリンを処方されている家族や本人がいる場合は、アルファルファを大量に食べることは医師・薬剤師に相談してから判断するのが原則です。
健康な方が適量(1パック20〜30g程度)を毎日の食事に加える分には、これらのリスクは過度に心配しなくて大丈夫です。大量摂取に注意が条件です。サプリメントで摂る場合はパウダータイプで1日大さじ山盛り1杯(約10g)が目安とされており、過剰になりやすいサプリは特に注意が必要です。
ワーファリン服用者や自己免疫疾患のある方は、かかりつけ医に相談のうえで取り入れるようにしましょう。
参考:アルファルファの禁忌事項と薬との相互作用に関する専門的解説
健康食品の有効成分と注意事項(アルファルファ) | 愛知県薬剤師会

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