オーラルフレイル予防に食事と咀嚼習慣が健康長寿を左右する

オーラルフレイル予防に食事と咀嚼習慣が健康長寿を左右する

オーラルフレイル予防と食事の関係で見落とされがちな盲点

やわらかい食事ばかり食べる患者ほど、咀嚼機能の低下が3倍速く進みます。


この記事の3つのポイント
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40代でも3人に1人が該当

サンスター2024年調査では、40代のオーラルフレイル・予備軍該当率が33.0%に達する。高齢者だけの問題ではない。

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咀嚼機能が低下すると栄養素が10%以上不足する

噛めないグループはたんぱく質・ビタミンA・鉄などで10%以上の摂取差が生じ、低栄養・サルコペニアへの悪循環が始まる。

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食品多様性スコア(DVS)7点以上が目標

10食品群の摂取多様性をスコア化するDVSは、患者指導に活用しやすいフレイル予防の実践ツール。目標は7点以上。


オーラルフレイル予防の出発点:「口のささいな衰え」が食事を変える


オーラルフレイルとは、滑舌の低下・食べこぼし・むせ・口腔乾燥といった"ささいな口の衰え"が積み重なって口腔機能全体が低下し、栄養不足や全身のフレイルへとつながる一連の過程を指します。2024年に日本老年医学会・日本老年歯科医学会・日本サルコペニア・フレイル学会の3学会合同ステートメントで「Oral Frailty 5-item Checklist(OF-5)」が公表され、歯科専門職が不在の場でも評価が可能になりました。


OF-5の5項目は「残存歯数の減少」「咀嚼困難感」「嚥下困難感」「口腔乾燥感」「滑舌低下」で構成され、2項目以上に該当するとオーラルフレイルと判定されます。重要なのは、このチェックリストを活用することで患者が「自分ごと」としてリスクを認識できるようになる点です。


2024年のサンスター調査(800人対象)では、40代ですでに33.0%がオーラルフレイルまたは予備軍に該当していました。これは「高齢者の問題」という認識がいかに危険かを示しています。同調査では、81.5%の人が「自分はオーラルフレイルではない」と回答しており、自己認識と実態の大きなギャップが確認されています。


こうした実態は、歯科従事者がオーラルフレイルの早期発見と食事指導を積極的に行う必要性を示しています。予防の鍵は「口の問題が食事を変え、食事の変化が口の問題をさらに悪化させる」という悪循環を断ち切ることです。つまり予防の出発点が重要です。


参考:3学会合同ステートメント(2024年)およびOF-5の概要については、日本老年歯科医学会のサイトで確認できます。


一般社団法人 日本老年歯科医学会 — オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント(OF-5掲載)


オーラルフレイル予防に欠かせないたんぱく質摂取の本当の落とし穴

咀嚼機能が低下すると食品の選択が無意識に狭まり、栄養摂取量が目に見えて変化します。東京都健康長寿医療センター研究所の調査では、咀嚼機能が低いグループは高いグループと比べて、たんぱく質・脂質・鉄・ビタミンA・ビタミンCで10%以上の摂取差が生じることが確認されています。食品群別では、いも類・緑黄色野菜・その他野菜・海藻類・豆類・介類・肉類・種実類の摂取量が有意に低い傾向にありました。


10%という数値はピンとこないかもしれません。たとえば1日のたんぱく質推奨量が60gの高齢男性の場合、10%不足すると6gの欠落になります。これはゆで卵ほぼ1個分(約6g)に相当する量です。この欠落が毎日続けば、数週間で筋肉量の低下が始まります。


さらに見落とされがちな点として、やわらかい食事への依存が咀嚼機能をさらに低下させるという「負の連鎖」があります。噛まない食事が続くと咀嚼筋や舌・頬の筋力が落ち、唾液分泌量も減少します。唾液が減ると口腔乾燥・嚥下困難・口臭・味覚異常といった症状が連鎖的に出現します。これが悪循環の正体です。


歯科従事者が患者に伝えるべき具体的なアドバイスとして、「調理のやわらかさを工夫しながらも素材は噛み応えのあるものを選ぶ」という視点が有効です。たとえば肉の筋を切って柔らかくしながらも塊肉を使う、野菜の繊維を断ち切るように切る、こんにゃく・ごぼう・れんこんなど歯ごたえのある素材を意識的に取り入れるといった方法です。ひき肉よりも塊肉、ペーストよりも適度な食感のある素材を選ぶことが、咀嚼機能の維持につながります。


たんぱく質摂取のポイントは毎食必ず含めることです。朝食・昼食・夕食・間食すべてに動物性たんぱく質源(肉・魚・卵・乳製品)を少しずつ組み込む工夫が基本です。食事指導の際は「そうめん+卵+肉」「おかゆ+豆腐+かに風かまぼこ」のように、低咀嚼負荷でもたんぱく質が摂れる献立例を提示すると患者に伝わりやすくなります。


参考:咀嚼機能と栄養摂取量の関連データについては、東京都健康長寿医療センター研究所の解説ページに詳細があります。


オーラルフレイル予防を支える食品摂取多様性スコア(DVS)の活用法

フレイル予防の食事指導において、「バランスよく食べてください」という抽象的な指示では患者は動きません。そこで実用的なツールとして登場するのが「食品摂取の多様性スコア(Dietary Variety Score:DVS)」です。


DVSは10食品群(肉類・魚介類・卵類・牛乳・大豆製品・緑黄色野菜類・果物・海藻類・いも類・油脂類)の習慣的な摂取頻度を点数化するもので、毎日食べる食品群に1点、食べない日がある場合は0点を付けて合計します。東京都健康長寿医療センター研究所の研究では、フレイルのグループはDVSが3.9点、プレフレイルは4.3点、健常グループは4.5点であり、スコアが低いほどフレイルリスクが高まることが示されています。


目標スコアは7点以上です。また、たんぱく質を多く含む5食品群(肉・魚介類・卵・大豆製品・牛乳)がす






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