

傘の皮をむかずに食べると、お腹を壊して1日中トイレから出られなくなることがあります。
ヌメリイグチは、夏から秋にかけてマツ林の地上に群生する食用キノコです。学名は *Suillus luteus*、イグチ目ヌメリイグチ科に属します。傘の直径は3〜9cm程度で、湿気が多い日はカサ表面全体が強い粘液(ぬめり)に覆われるのが最大の特徴です。色は黄褐色〜チョコレート色で、傘裏の管孔は淡いレモン色〜黄色みを帯びています。
発生時期は7月〜10月ごろが中心で、特に気温が10〜18℃前後に下がる秋口(9〜10月)に最も多く見られます。これは葉書一枚分(約14.8cm)の厚みもない地表の浅い層で菌糸が広がるため、雨上がりの翌朝にまとまって顔を出すことがよくあります。松の盆栽にまで発生した記録があるほど、マツとの共生関係が深いキノコです。
採取できる場所は、アカマツ・クロマツ・ゴヨウマツなどの松林が基本。ハナイグチがカラマツ林に限定されるのとは異なり、ヌメリイグチはさまざまな松林で見られます。地域によっては「ラクヨウ」「ジコボウ」と呼ばれることもあります。
ヌメリイグチを採取する際に注意したいのが、よく似たキノコとの混同です。同じマツ林に出るチチアワタケと間違えやすく、後述するように、チチアワタケは食べ方を誤ると下痢を引き起こすため注意が必要です。
きのこ図鑑 ヌメリイグチの特徴・形態について詳しく解説されています
ヌメリイグチを美味しく安全に食べるには、下処理がとても重要です。下処理を省いてそのまま調理すると、傘の表面にある粘膜(表皮)と傘裏のスポンジ状の管孔が消化されにくく、体質によっては腹痛・下痢などの消化器症状を起こすことがあります。下処理さえきちんとすれば安心です。
以下の手順で行うと、味も食感もぐっとよくなります。
①泥・ゴミ・虫の除去
採ってきたヌメリイグチは、まず塩水(水1Lに対して塩小さじ1程度)に10〜15分ほど浸けます。こうすると内部に潜り込んだ小さな虫が出てきます。その後、流水でやさしく洗いましょう。
②傘の表皮をむく
傘の表面のぬめりのある茶色い皮を指でつまんでむきます。これが最も重要な工程です。皮は消化に悪く、そのまま食べると胃腸に負担がかかります。皮は意外とつるんとむけますが、傘が若くて小さいうち(直径3cm程度以下)は皮が薄くてむきにくいため、その場合は次の茹でこぼし工程で十分です。
③管孔を取り除く(大きな個体の場合)
傘が大きく開いたもの(直径6cm以上目安)は、傘裏の黄色いスポンジ状の管孔も取り除きましょう。管孔も消化しにくい部位です。指でこそぐように取るだけで簡単に取れます。
④茹でこぼす
沸騰したお湯にヌメリイグチを入れ、1〜2分さっと茹でます。茹で汁は真っ黒に変色しますが、これは正常です。茹で汁は捨て、キノコをザルに上げてよく水気を切ります。茹でこぼしを行っても、ヌメリはキノコ本体の内部に残っているので食感は損なわれません。
⑤水気を切って調理へ
茹でこぼし後は、そのまま各種料理に使えます。すぐ使わない場合は、茹でた状態で冷凍保存が可能です(詳しくは保存のセクションで解説します)。
小ぶりで開く前の幼菌は特に旨みが凝縮されていて美味しいとされています。
おいしい山菜&きのこ図鑑 ヌメリイグチの食べ方・下処理コツが詳しく紹介されています
下処理が終わったら、いよいよ調理です。ヌメリイグチは強いぬめりが持ち味なので、そのとろみを活かした料理が最も美味しく仕上がります。ナメコと同じような調理法がそのまま使えると覚えておけばOKです。
🍲 キノコ汁・味噌汁(一番おすすめ)
ヌメリイグチを汁物に入れると、じっくり煮込むことで片栗粉を入れたようなとろみが自然に出ます。キノコ自体の出汁も濃厚で、ナメコ汁より食べ応えがあると感じる方も多いです。
作り方のポイントとしては、野菜などを加えすぎず、キノコ単体で作るとキノコの旨みが際立ちます。味付けは醤油とみりん、または味噌仕立てに。やや濃いめに味付けするとキノコの風味が引き立ちます。
🍜 麺類の具材
うどん・そばの具として入れると、とろみが麺によく絡んでとても美味しくなります。特にぶっかけうどんに合わせるのがおすすめです。
🥗 大根おろし和え
茹でたヌメリイグチを大根おろしと和えるだけのシンプルな一品。柚子の皮のすりおろしを少量加えると香りが増してさっぱりします。いくらをのせると見た目もきれいな和え物になります。
🥘 炒め物・洋風アレンジ
バターとニンニクで炒めてもよく合います。パスタやリゾットの具材として洋風に使うのも一つの手です。ただし炒め物にする場合は水分が多く出るため、強火で短時間炒めるのがポイントです。
| 調理法 | 特徴・ポイント | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 🍲 味噌汁・すまし汁 | とろみが出て出汁が濃厚。単体で作るのが◎ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 🍜 麺類の具 | とろみが麺に絡む。うどん・そばに最適 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 🥗 大根おろし和え | さっぱり。柚子を加えると香り豊かに | ⭐⭐⭐⭐ |
| 🥘 炒め物・洋風 | 強火短時間が鉄則。バター・ニンニクと相性◎ | ⭐⭐⭐ |
ヌメリイグチ単体では旨みがハナイグチほど強くないため、ハナイグチやアミタケと一緒に調理するとより旨みが増して美味しくなります。これは使える組み合わせです。
キノコ二題 その2 ヌメリイグチのすまし汁レシピの詳細が紹介されています
ヌメリイグチと最も混同しやすいのが、同じマツ林に生えるチチアワタケです。チチアワタケは広く食用とされていますが、傘の表皮と管孔を取り除かないまま食べると体質によって下痢を起こすことが多いキノコです。
両者の最大の見分けポイントはツバの有無です。
ただし、ヌメリイグチはツバが消失した個体もあるため、「乳白色の液が出るかどうか」も合わせて確認するのが確実です。傘の縁を少し傷つけて乳液が出れば、チチアワタケです。
チチアワタケが「当たる」原因は、傘の表皮と管孔層にある消化されにくい成分です。知らずに食べてしまった場合は腹痛・下痢にとどまるケースが多いですが、大量摂取は避けましょう。万が一、誤食して症状が出た場合は水分をしっかり摂り、症状が重い場合は医療機関を受診してください。
ヌメリコウジタケというよく似た名前のキノコも存在します。こちらはヌメリイグチに比べて酸っぱい味がし、柄に赤い繊維状の色がついているので区別できます。
野生のキノコは専門家の指導なしに採取・食用するのは本来リスクがあります。自信のないキノコは食べないのが大前提です。
Wikipedia チチアワタケ チチアワタケの食・毒性・管孔・表皮の消化しにくさについて詳しく解説されています
ヌメリイグチは鮮度が落ちやすいキノコです。採取後や購入後はなるべく早く処理するのが基本です。
冷蔵保存の場合
茹でこぼし後、水気をしっかり切ってからキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵庫へ。この状態で2〜3日程度を目安に使い切りましょう。
冷凍保存の場合(おすすめ!)
一番手軽で便利な保存方法が冷凍です。茹でこぼしてよく水気を切ったヌメリイグチを、1回使う分量ずつ小分けにして冷凍保存袋に平らに入れ冷凍します。冷凍すると旨みが凝縮されてさらに美味しくなるという利点もあります。冷凍での保存期間は約1か月が目安です。
使うときは解凍せず凍ったまま鍋や汁物に直接加えるのがポイントです。解凍すると旨みが水分とともに流れ出てしまうため、凍ったまま使うほうが美味しく仕上がります。これだけ覚えておけばOKです。
塩漬け保存
長期保存には塩漬けも有効です。茹でこぼし後、キノコを樽や保存容器に入れ、キノコ重量の約20〜25%の塩を加えて漬けます。使う際は塩抜きをしてから調理します。
ヌメリイグチの栄養面での注目ポイント
キノコ全般に言えることですが、ヌメリイグチにもβ-グルカンをはじめとする食物繊維が豊富に含まれています。β-グルカンには免疫機能の調整作用や腸内環境を整える効果が研究で報告されています。また、ヌメリの成分は鎮痛作用があるとも伝えられており、一部では関節炎の治療薬としても研究されています。
カロリーが非常に低く(きのこ類は100gあたり30kcal以下程度)、食物繊維が豊富なため、ダイエット中の方や食事の量を気にしている方にも取り入れやすい食材です。旨みが強い出汁が出るので、少量でも満足感のある汁物が作れる点も嬉しいポイントです。
旬の時期に大量に採れた場合は、茹でて冷凍しておき、冬の鍋物や味噌汁の具として少しずつ使うと、季節を超えて楽しめます。

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