

「もってのほか(以ての外)」は、国語辞典系の定義では主に「とんでもないこと」「けしからぬこと」、または「そのさま」を指します。
さらに、同じ語でも「予想を越えて程度がはなはだしいこと(そのさま)」という意味が載る辞書もあり、「非難」だけに固定しないのがポイントです。
料理の現場でたとえるなら、味見の段階で“塩が強すぎる”など、常識的に許容しづらい状態を強く否定するときの語感に近い(=強めの言い方)と捉えると理解が速いです。
また、表記はひらがなでも通りますが、漢字では「以ての外」と書くことがあるため、読み書きが必要な場面(メモ・POP・説明文)では両方を知っておくと安心です。
参考)以ての外(モッテノホカ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
用例としては「遅刻するなど、もってのほかでした」のように、「〜など/〜とは」を受けて強く否定する型がよく見られます。
また「ましてや〜なんてもってのほかだ」のように、“ありえない度合い”を上げる形も典型で、会話では相手の行動・提案を強く制止するニュアンスになりやすいです。
この強さがあるため、家庭料理の会話でも「それはもってのほかだよ」と言うと、冗談のつもりでも相手には“叱責”に聞こえることがある点は注意です。
料理教室や職場のキッチンのように人間関係が絡む場では、代わりに「それは避けたほうがいい」「危ないかも」などに言い換えると、言葉の角が立ちにくいです。
一方で、安全面(食中毒・火傷・交差汚染など)の話なら、強い否定が必要な状況もあるので、「もってのほか」を使うかどうかは“状況の緊急度”で決めると実用的です。
やや意外ですが「もってのほか」は、山形県で生産される食用菊の呼び名(品種名が示されることもある)としても辞書に載っています。
この食用菊の名前の由来には諸説あり、「天皇家の紋章である菊を食べるとはもってのほか」という話などが挙げられます。
同時に「もってのほかおいしい(思いのほかおいしい)」のような方向の説も紹介されており、否定語の強さとは別に“褒め言葉に近い響き”で語られる文脈があるのが面白い点です。
料理する人にとって重要なのは、会話の「もってのほか」と食材の「もってのほか」は同音で、レシピ検索や買い物の場面で混線しやすいことです。
参考)もってのほかとは? 意味や使い方 - コトバンク
検索するときは「食用菊 もってのほか」まで入れると、言葉の意味解説と食材情報が分離しやすく、狙った情報に早く辿り着けます。
食用菊の特徴として、花びらが筒状で歯ごたえがあり、香りやほろ苦さがある、という説明が伝統野菜の紹介で見られます。
参考)https://www.yamagata.nmai.org/traditional_vegetables/y01_mottenohoka.html
この“香り+ほろ苦さ”は、酢の物やおひたしなどのさっぱり系で輪郭が立ちやすいので、野菜を料理する人ほど一度は試しておく価値があります。
【食用菊「もってのほか」の由来・食感の特徴(伝統野菜の解説部分)】
https://www.yamagata.nmai.org/traditional_vegetables/y01_mottenohoka.html
料理は段取りが命ですが、言葉も同じで、「もってのほか」を“否定語”として使うときは、相手に指摘が刺さりやすい強い言い方だと辞書的にも整理できます。
そこで、台所での実務に落とすなら「①事実(何が起きる)→②理由(なぜ危険/不適切)→③代案(こうしよう)」の順で伝え、最後に「もってのほか」を“強調”として添えると衝突が減ります。
例:生肉を切ったまな板でサラダ野菜を切る提案が出たとき、「それはもってのほかだ」だけで終えるより、「食中毒リスクが上がるから、まな板を洗ってから野菜に移ろう」とセットにするほうが現場は回ります。
また、食材としての「もってのほか(食用菊)」を扱う場面では、名称の由来が“禁止・不敬”に寄る説と、“思いのほかおいしい”に寄る説が併存するため、会話の小ネタとしても使えます。
たとえば季節の小鉢に食用菊を添え、「名前は強いけど、味は上品」という説明を添えると、言葉の意味と食材の背景が一緒に伝わり、食卓の情報量が増えます。
(ここから先、必要なら追記できます:食用菊「もってのほか」の下処理、色止め、酢の物・おひたし・天ぷらの使い分け、保存など)