加水分解ベタベタはパーツクリーナーで除去できる?対処法と注意点

加水分解ベタベタはパーツクリーナーで除去できる?対処法と注意点

加水分解ベタベタとパーツクリーナー対処法

この記事でわかること
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加水分解の仕組み

湿気と可塑剤が反応してベタベタが発生するメカニズムを解説

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パーツクリーナーの使い方

効果的な除去方法と適切な使用手順をご紹介

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注意すべきポイント

素材によって使えない場合や代替方法を詳しく説明

加水分解によるベタベタ発生のメカニズム

古いプラスチック製品やゴム製品を触ると、表面がベタベタしていた経験はありませんか。このベタベタの正体は「加水分解」という化学反応なんです。
参考)https://recyfit.com/maintenance/hydrolysis/

加水分解とは、物質が水分と反応して起きる分解反応のこと。プラスチックやゴムには、柔軟性を与えるために「可塑剤」という油性の物質が混ぜられています。この可塑剤が空気中の湿気と反応し、表面に溶け出すことでベタベタが発生するんです。
参考)https://kawashimasangyo.co.jp/permalinks-remove-sticky-residue/

日本は特に夏場の湿度が高いため、加水分解が起きやすい環境なんですよね。輪ゴムを放置していたら机に貼りついていた、なんて経験があるかもしれませんが、それも加水分解によるものです。
参考)https://www.amberpiece.com/content/change_grip.html

加水分解ベタベタにパーツクリーナーは効果的か

パーツクリーナーは加水分解によるベタベタに一定の効果があります。有機溶剤が含まれているため、表面のベタつきを剥がして除去できるんです。​
ただし、注意点があります。パーツクリーナーには主に「速乾性」と「樹脂対応」の2種類があり、一般的な速乾性のものはプラスチックやゴムを溶かしてしまう可能性があるんです。特にPS(ポリスチレン)、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などは溶解や変形、白化、ひび割れを起こすリスクがあります。
参考)https://yebisu-tool.jp/blogs/useful/parts-cleaner-cautions

使う場合は、樹脂パーツ対応のパーツクリーナーを選ぶか、目立たない部分で試してから使用することをすすめします。加水分解が進んでいるものは、ベタつきを洗浄すると素材が白くなることもあるため注意が必要です。
参考)https://www.handscraft.jp/news/parts-cleaner-kinds-features/

パーツクリーナーの正しい使い方と手順

パーツクリーナーを使う際は、以下の手順で行います。まず、清掃する部品を安定した場所に置き、換気の良い場所で作業を始めましょう。
参考)https://www.yoro-store.com/blogs/useful/howtouse-partscleaner

直接部品に吹きかけるか、布やブラシに含ませて塗布します。ベタつきが濃い部分には、パーツクリーナーを十分に浸透させて数分間放置することがポイントです。その後、柔らかい布やブラシで表面の汚れを丁寧に擦り取ります。​
作業中は火気厳禁で、保護具(手袋、マスク)の着用も必要です。パーツクリーナーは揮発性が高いため、吸い込まないよう十分な換気を心がけてください。洗浄後は部品を乾いた布で拭き上げ、完全に乾燥させることが大切です。
参考)https://www.yoro-store.com/blogs/useful/partscleaner-and-degreasing

重曹やエタノールを使った代替除去方法

パーツクリーナーが使えない素材には、重曹や無水エタノールが効果的です。重曹を使う方法では、重曹を水に溶かしたぬるま湯に製品を浸し、軽くこすることでベタつきを除去できます。
参考)https://eririn25.com/kaden/betabeta/

無水エタノールは揮発性が高く、精密機器の清掃にも適しています。乾いた布にエタノールを染み込ませて拭くだけで、ベタベタが布に移ります。ただし、エタノールには「プロテイン塗装」を溶かす作用があるため、拭いた後に少し待ってからベタベタをこするように落とすと良いでしょう。
参考)https://www.kajitaku.com/column/housework/housework-cleaning/10609

重曹とエタノール、それぞれにメリットとデメリットがあるため、素材や状況に合わせて使い分けることをおすすめします。電化製品でなければ、洗濯機に入れて洗う方法もあります。​
エタノールによる除去方法の詳細はこちら

加水分解を予防する保管方法とメンテナンス

加水分解を防ぐには、日頃の保管方法が重要です。ゴムやプラスチック製品は、湿気の少ない場所で保管することが基本。
参考)https://www.fujigom.co.jp/manufacturing/20240912-3008/

風通しの良い場所で保管したり、定期的に空気の入れ替えをすることで、湿気による劣化を防げます。直射日光も避けるべきで、紫外線に長時間さらされると急激に加水分解が進んでしまいます。
参考)https://www.exseal.co.jp/blog/taxonomy-15/7947/

意外なポイントとして、定期的に使用することが一番の予防法なんです。毎日触っていれば、加水分解で発生した微少の化合物が手に付着して取れていくため、何年たってもゴムはさらりと乾いた状態を保てます。逆に、何年も放置していると化合物が表面に溜まってベタベタになってしまうんですね。​
合成皮革など、ウレタンゴムコーティングされた製品が汚れた際は、水拭きを避けて速乾性のあるアルコール除菌シートで拭くのも効果的です。
参考)https://www.fujigom.co.jp/manufacturing/20241118-3607/

素材別の注意点と使えない製品の見分け方

パーツクリーナーは金属部品の洗浄には効果的ですが、プラスチック部品、ゴム部品、塗装面などには使用を控える必要があります。特にスチロール樹脂やアクリル樹脂はクラックや白濁が発生しやすく、ゴムは劣化、硬化、膨潤を起こします。​
バイクや車のメンテナンスでは、樹脂パーツが多く使われているため注意が必要です。燃料タンクやホイールなども塗装されているため、パーツクリーナーを吹きかけるのはNGです。チェーンの清掃でも、グリスを封入しているゴム製のOリングが傷む危険があるため、チェーン専用のクリーナーのみ使用可能です。
参考)https://bike-news.jp/post/353204

ブレーキキャリパー周りも要注意で、直接吹きかけるとブレーキパッドに成分が浸透してブレーキの効きが悪くなる可能性があります。ダストシールやオイルシールを傷める危険もあるため、ウエスにパーツクリーナーを吹きかけてから拭く方法が安全です。​
パーツクリーナーの注意点について詳しくはこちら

劣化が激しい場合の対処法と交換のタイミング

加水分解が進み、パーツクリーナーやエタノールでもベタベタが取りきれない場合は、交換を検討する時期かもしれません。劣化が激しい場合は、表面を清掃するだけでなく、塗装を剥がして再塗装する方法もあります。
参考)https://cleandevice.jp/dashboard-sticky/

再塗装の手順は、まずダッシュボードなどの表面塗装をシンナーですべて剥がし、プライマーを吹き付けてからプラスティック用塗料で塗るという流れです。古くなった塗料自体を取り除いて新たな塗料でカバーすれば、ベタベタを根本から解決できます。​
ただし、初めての方が車の塗装を剥がしたり再塗装したりするのは難しいため、不安な場合は専門の業者に依頼するのが安心です。修理費用が高額になる場合は、修理よりも新品パーツに交換したほうが安くなることもあります。​
バイクのグリップなどは、加水分解での劣化を交換の1つの目安として捉えるのも良いでしょう。グリップが新しくなると気分も上がりますし、安全性の面からも定期的な交換をおすすめします。​

市販クリーナー製品の選び方と比較

市販のクリーナー製品を選ぶ際は、用途と素材に合わせた選択が重要です。パーツクリーナーには「速乾性タイプ」と「樹脂対応タイプ」があり、速乾性タイプは金属の洗浄に最適ですが、樹脂部品を劣化させる可能性があります。​
樹脂部品対応のパーツクリーナーは、プラスチックやゴムを傷めずに汚れやグリスを安全かつ効果的に除去できるよう特別に配合されています。樹脂製品が含まれている場合は必ず樹脂パーツ対応のものを使用してください。​
無水エタノールは薬局で購入でき、家庭での使用に適しています。ただし、コロナウイルスの影響で一時期は品切れになり、500mlが税込み1400円弱だったのが4000~6000円と高騰したこともありました。
参考)https://www.wholenotism.com/blog/2016/04/remove-sticky-surface-from-rubber.html
​youtube​
重曹は100均でも購入でき、コストパフォーマンスに優れています。キッチンハイターや除光液なども効果がありますが、素材への影響を考慮して選ぶ必要があります。
参考)https://www.bsfuji.tv/tsb/bn/346.html
​youtube​

製品タイプ 適した素材 価格帯 入手しやすさ
速乾性パーツクリーナー 金属部品 300-800円 ホームセンター、カー用品店
樹脂対応パーツクリーナー プラスチック、ゴム 500-1200円 専門店、通販
無水エタノール 幅広い素材 1000-1500円(500ml) 薬局、ドラッグストア
重曹 家庭用品全般 100-300円 100均、スーパー

実際に試した人の口コミと効果

30代女性・主婦の方からは「子どもの古いおもちゃがベタベタになってて困ってたんですけど、重曹水で拭いたらすっごくキレイになりました。100均で買えるし、安心して使えるのが嬉しいです」という声がありました。
参考)https://www.fujigom.co.jp/manufacturing/20241118-3612/
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40代男性・会社員の方は「バイクのグリップがベタベタで気持ち悪かったんだよね。パーツクリーナー使ってみたら、あっという間に取れてびっくりした。ただ、ゴム製品には樹脂対応のやつじゃないとダメらしいから、次からは気をつけるわ」とのこと。​
20代女性・OLの方は「車のダッシュボードがベタベタで、最初は水拭きしてたんですけど全然ダメで…。無水エタノールで拭いたらすぐ落ちました!しかも乾きが早いから助かります。ちょっとお値段高めだけど、効果は抜群でした」という感想です。​
50代男性・自営業の方からは「録音機材が半年押入れに入れてたらベタベタになっちゃってさ。重曹と無水エタノール両方試したけど、どっちも変わらず落とせたよ。湿度が低い環境で保管してたほうは全然大丈夫だったから、やっぱり保管方法が大事だね」という経験談がありました。youtube​
加水分解について詳しく解説した専門記事はこちら