山形県(村山地方)と宮城県の芋煮は、それぞれ独自の味があります。山形県は醤油味と牛肉を基本とし、具材は里芋、コンニャク、ネギなどシンプルなものが多いです。一方、宮城県の芋煮は味噌味と豚肉を基本とし、白菜やニンジン、シメジ、豆腐など豚汁風の具材が多く使われます。
福島の芋煮
福島県の芋煮は、きのこをたっぷり入れた豊富な具材が特徴です。また、醤油と味噌の両方を使用して味をつけることが多いとされています。
日本一の芋煮会フェスティバル
山形市では毎年9月の第3日曜日に「日本一の芋煮会フェスティバル」が開催されます。このイベントでは、直径6.5m、重さ4tの大鍋「三代目鍋太郎」を使用して、約3万食分の醤油味の芋煮が作られます。
宮城の芋煮は、仙台市の伝統的な郷土料理で、秋の風物詩とも言える一品です。山形の芋煮とは違い、味噌ベースで豚肉を使います。この独特の風味が宮城県民に愛され、その美味しさは広く知られています。
宮城の芋煮の魅力はそのシンプルさにあります。里芋8個、大根半本、にんじん1本、ごぼう1本、ぶなしめじ1株、豚肉約300g、ねぎ1本、板こんにゃく1枚、白菜4分の1個。このように、主に地元で取れる食材を活用しています。また、味付けは赤みそと顆粒だしで、お好みで調節できます。
このレシピのポイントは、ねぎを最後に入れることです。これにより、ねぎのしゃきしゃき感が引き立ち、一層味わい深い仕上がりになります。また、お供にはおにぎりがベスト。
山形県の秋の風物詩である「芋煮」は、地元では親しまれている一方で、全国的にはあまり知られていません。
この郷土料理には、地元の人々の生活や文化が息づいています。山形市の馬見ヶ崎河原では、9月から10月にかけて、仲間たちが集まり、鍋を囲む様子が見られます。この風景は、地元の秋の訪れを告げるシンボルとも言えるでしょう。また、9月には「日本一の芋煮会」が開催され、大勢の人々が集まります。これは、山形の人々が芋煮をどれだけ大切に思っているかを示しています。
芋煮の作り方ですが、里芋と牛肉が主な材料です。里芋は大きければ二つに切り、ぬめりを取るために塩でもんで洗います。そして、こんにゃくと牛肉を加えて煮込むことで、一つ一つの食材が絶妙に絡み合った味わい深い一品に仕上がります。独特のコツとしては、里芋が煮立ってきたらこまめにあくを取ること。これが芋煮の美味しさを引き立てます。
山形の芋煮は、地元の文化と風情を感じられる美味しい料理です
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芋煮の起源
芋煮の始まりは、江戸時代までさかのぼります。最上川で活動していた船頭たちが、荷物の到着を待つ間に、船着き場近くで地元の里芋と積み荷のマダラの干物を鍋で煮て食べていたと言われています。