

市販の粉末を使ってほうじ茶ラテを作っている方が多いですが、実は茶葉から丁寧に抽出したほうじ茶ラテは、香りも深みもまったく別物の飲み物です。ただし、同じ「ほうじ茶の茶葉」でも選ぶ種類や産地によって仕上がりは大きく変わります。この記事では、茶葉の基本知識から、ご家庭のキッチンで再現できる本格ほうじ茶ラテの手順まで、丁寧に解説していきます。
茶葉を正しく選ぶことができれば、コーヒーショップで飲むようなリッチなラテが自宅で毎日楽しめます。ぜひ最後まで読んでみてください。
茶葉をたくさん使えば美味しくなるわけではありません。
ほうじ茶ラテに使う茶葉を選ぶとき、まず知っておきたいのは「ほうじ茶」という名称は製法の名前であり、使う茶葉の部位によって風味がまるで変わるという点です。市場に流通しているほうじ茶の茶葉には大きく分けて「葉ほうじ茶」と「茎ほうじ茶(棒ほうじ茶)」の2種類があり、それぞれ向いている飲み方が違います。
葉を使ったほうじ茶は、濃厚な苦みとコクがあり、ミルクのまろやかさに負けないしっかりとした風味が特徴です。一方、茎(軸)を使った棒ほうじ茶は甘みと上品な香りが強く、ラテにするとほんのり甘くマイルドな仕上がりになります。どちらが正解というわけではなく、好みに合わせて選ぶのが基本です。
産地で選ぶなら、京都宇治産や静岡産が代表的です。宇治産は高級感のある深い香りが特徴で、スターバックスなどのカフェでも使用されているほど品質が安定しています。静岡産は比較的手に入りやすく、コスパのよいデイリー使いに向いています。つまり「いつも飲む用には静岡産、特別な日には宇治産」という使い分けがおすすめです。
焙煎の強さも重要なポイントで、「深煎り」のほうじ茶はほろ苦さとスモーキーな香りが際立ち、カフェラテのような仕上がりになります。スーパーで手に入る市販品でも深煎りタイプを探してみると、風味の違いがはっきり感じられます。
| 茶葉の種類 | 風味の特徴 | ラテ向き度 | おすすめシーン |
|---|---|---|---|
| 葉ほうじ茶(深煎り) | 苦み・コク・スモーキー | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 濃厚な本格ラテを作りたいとき |
| 棒ほうじ茶(茎) | 甘み・上品な香り・軽め | ⭐⭐⭐⭐ | 子どもと一緒に飲みたいとき |
| 粉末ほうじ茶 | 手軽・均一な風味 | ⭐⭐⭐ | 時間がないときのお手軽版 |
まずは「濃い目に出す」ことが最大のコツです。
茶葉からほうじ茶ラテを作るときに多くの方がやりがちな失敗が「お茶が薄すぎてミルクに負ける」というものです。ほうじ茶ラテに使うほうじ茶は、普通に飲むお茶の約2〜3倍の濃さで抽出するのが基本です。たとえば2人分のラテを作るなら、ティースプーン山盛り2〜3杯(約6〜8g)の茶葉を80〜90℃のお湯150ml程度で蒸らして抽出します。
蒸らし時間は30秒〜1分程度で十分です。長く蒸らしすぎると渋みや苦みが強くなりすぎるため、蒸らし時間のコントロールが味の決め手になります。抽出後はすぐに茶葉を取り除くのが原則です。
抽出したほうじ茶は小さなポット(あるいは耐熱ピッチャー)に移し、そこへ温めたミルクを注いで仕上げます。ミルクとほうじ茶の割合は、濃い味好みなら1:1、まろやか派は1:2(ほうじ茶:ミルク)が目安です。これは使えそうです。
以下に基本の作り方をまとめました。
ミルクを加熱しすぎると表面に膜が張り、風味が落ちます。温度計がない場合は「湯気が立ち始め、鍋の縁に小さな泡が出始めたら火を止める」が目安です。65℃程度が最も甘みを感じやすく、ラテに向いた温度です。
泡の質でラテの印象は大きく変わります。
カフェのほうじ茶ラテをイメージすると、表面にきめ細かい泡(ミルクフォーム)が乗っていますね。この泡があるだけで口当たりがまろやかになり、香りも立ちやすくなります。専用のミルクフォーマーがなくても、ご家庭にある道具で十分に再現できます。
最も手軽な方法は、蓋つきの瓶やシェイカーに温めたミルクを入れてよく振る方法です。ミルクは全体量の半分程度まで入れ、20〜30秒ほど上下に振ると細かい泡ができます。ただし、この方法では泡のきめ細かさに限界があります。
より本格的な泡を作りたいなら、電動ミルクフォーマー(1,000〜2,000円程度で購入可能)を使うのがおすすめです。温めたミルクにフォーマーを入れて10〜15秒ほど動かすだけで、カフェラテのような滑らかな泡ができます。毎日ラテを飲む方なら、1〜2週間で元が取れる計算です。
泡を作るときに注意したいのが「牛乳の脂肪分」です。全乳(普通の牛乳)がフォームしやすく、低脂肪乳は泡立ちにくい傾向があります。豆乳の場合は「バリスタ用豆乳」を使うと泡立ちが安定します。豆乳ならではのまろやかさも加わり、ほうじ茶との相性も抜群です。
開封後の茶葉は2〜3週間で使いきるのが理想です。
せっかく良質な茶葉を選んでも、保存方法が悪ければ香りは急速に落ちてしまいます。これは意外ですね。ほうじ茶は緑茶や抹茶と比べて酸化しにくいと思われがちですが、開封後は湿気・光・空気によって風味が劣化するのは同じです。
保存の基本は「密閉・遮光・冷暗所」の3つです。茶葉が入っていたパッケージのまま保管している方も多いですが、購入後は密閉できる茶缶や、ジッパー付きの遮光袋に移し替えることで鮮度が保てます。冷蔵庫保存は可能ですが、取り出すたびに結露が発生しやすいため、毎日使う場合は常温の冷暗所保存のほうがかえって向いています。
茶葉の保存場所として避けたいのはコンロや炊飯器の近くです。熱や水蒸気が茶葉に触れると急激に風味が落ちます。引き出しの中や食器棚の下段など、熱源から遠い場所が最適です。
また「茶葉が古くなってきたかな?」と感じたら、フライパンで弱火で軽く炒り直すと香りが復活することがあります。これを「再焙煎」と呼び、プロの茶師も行う方法です。30秒〜1分程度、焦がさないように混ぜながら炒るだけでほうじ茶特有の香ばしさが戻ってきます。試してみる価値あります。
| 保存場所 | 適否 | 理由 |
|---|---|---|
| 密閉茶缶+常温冷暗所 | ◎ 最適 | 湿気・光・熱を避けられる |
| 冷蔵庫(密閉袋入り) | ○ 可 | 長期保存向き・出し入れ時の結露に注意 |
| コンロ横の棚 | ✗ NG | 熱と水蒸気で風味劣化が早い |
| 開封パッケージのまま | △ 短期なら可 | 密閉性が低く香りが抜けやすい |
ほうじ茶はコーヒーよりカフェインが少ないとは限りません。
「ほうじ茶はカフェインが少ないから、夜でも安心して飲める」と思っている方は多いですが、これは条件次第で正確ではありません。農林水産省のデータによると、ほうじ茶のカフェイン含有量は100mlあたり約20mgです。これは煎茶(約20mg)とほぼ同程度であり、コーヒー(約60mg)よりは少ないものの、決して「ほとんどない」とは言えない量です。
注意が必要なのは、ラテを作るときに「濃く出す」ほどカフェイン量が増えるという点です。前述のとおり、ラテ用のほうじ茶は通常の2〜3倍濃く抽出します。つまり1杯のほうじ茶ラテには、通常のほうじ茶の2〜3倍のカフェインが含まれる可能性があります。カフェイン量に注意すれば大丈夫です。
妊娠中や授乳中の方、カフェインに敏感な方は、「カフェインレスほうじ茶」や「ほうじ茶風ルイボスティー」をベースにラテを作る方法がおすすめです。ルイボスティーはほうじ茶に近い香ばしさを持ちながら、カフェインがゼロという特徴があります。同様の手順でラテを作れるため、代替品として活用しやすいです。
また、子どもにも飲ませたい場合は、茶葉の量を通常の半分以下に抑えた薄めのほうじ茶を使い、ミルクの割合を多くした「ほぼミルクのほうじ茶ラテ」にアレンジするのが安心です。風味はしっかり残りつつ、カフェインをおさえた仕上がりになります。
参考:農林水産省によるカフェインの過剰摂取に関する情報ページです。飲料ごとのカフェイン含有量の目安が一覧で確認できます。
茶葉選びで毎月のコストが3倍以上変わることがあります。
ほうじ茶ラテを毎日楽しもうと思うと、茶葉のコストパフォーマンスは無視できません。スーパーで買える市販品から、通販や茶葉専門店のこだわり商品まで、価格帯は幅広いです。
たとえば、よく手に入る「辻利 ほうじ茶」(100g・700円前後)や「一保堂 ほうじ茶」(100g・1,200円前後)は、ラテ専用として使うにも香りのバランスが良く、初心者でも失敗しにくいブランドです。一方、スーパーで販売されている「伊藤園 おーいお茶 ほうじ茶 茶葉」(100g・300〜400円程度)も、コスパに優れた選択肢として実用的です。
1杯あたりの茶葉使用量(約6〜8g)をもとに計算すると、100gの茶葉で約12〜16杯のラテが作れます。スーパーの市販品なら1杯あたり約25〜33円、高級品でも1杯約75〜100円程度です。コンビニやカフェチェーンのほうじ茶ラテが400〜600円前後であることを考えると、週3杯飲む場合でも自家製なら月に1,000円以上節約できる計算になります。これは大きなメリットです。
参考として、Amazonや楽天などの通販サイトでは「ラテ用ほうじ茶」として販売されている粉砕タイプの茶葉も増えています。粉砕タイプは通常の茶葉よりも短時間で濃く抽出でき、茶葉のカスが残りにくい特徴があります。ただし、香りの持続時間が短いため、小容量のものを頻繁に購入するほうが品質を保ちやすいです。

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