

堀川ゴボウは京都の伝統野菜の一つで、直径が5〜8cmほどになる「短くて太い」ゴボウとして知られます。中に空洞ができ、先端が分岐しやすく、表面にひび割れが見られる個体もあるのが見分けポイントです。
肉質はやわらかく香りが良いことが特徴で、厚めの輪切りでも味が染みやすく、一般的な細長いゴボウとは食感の狙いどころが変わります。
太くなる理由も面白く、途中で一度引き抜いて横向きに植え替えるという独特の栽培方法で、横方向へ太らせる工夫が紹介されています。
料理目線での最大の利点は「空洞がある=詰め物ができる」ことです。輪切りにして中心を抜き、肉だねやすり身を詰めて煮含めると、外側のゴボウに味が入り、内側の具にも香りが移って一体感が出ます。
堀川ゴボウの収穫(出回り)の目安は11月〜12月頃とされ、冬の短い期間に集中します。
JA京都の産品図鑑では、太さ・重量だけでなく、表面のヒビ割れや内部の空洞化など「一般のゴボウと大きく異なる産品」であることが明確に説明されています。
また堀川ゴボウは水に弱く、浸水が続くと腐敗や根の増加で品質が落ちるため、うねを高く保ち水はけを良くする管理が第一条件、という生産現場の具体論が載っています。
この「水が苦手」という情報は家庭の扱いにも応用でき、買ってきた後に水分を抱えさせすぎる保存(濡れたまま密封など)を避け、乾燥させすぎない範囲で新聞紙+袋で包む、という方向が理にかないます。
ゴボウの下処理は「香りを残すか」「色を整えるか」で設計すると失敗が減ります。一般論として、切ったゴボウを水(または酢水)に1〜2分さらす手順が紹介されており、さらしすぎを避けやすい目安になります。
色よく仕上げたい、または量が多い時は、酢と塩を加えた熱湯に数秒〜1分程度通してアクを抜く方法も提案されています(目安:水500mlに酢大さじ1/2、塩小さじ1)。
堀川ゴボウは太く、火の通り方が「表面は早いが中心は遅い」形になりやすいので、輪切り・筒切りにする場合は、中心をくり抜く工程を想定して“加熱前に抜くか、加熱後に抜くか”を決めておくと段取りが良いです。
実際の料理例では、圧力鍋で短時間加圧してから筋に沿って中を抜く手順が示されており、太物ならではの効率化として参考になります。
堀川ゴボウは「部位で料理を分ける」と素材の強みが最も出ます。JA京都の説明では、太い胴は肉質がち密でやわらかく肉詰めなどの煮物に向き、先端の細い部分はさっと炒めてきんぴらにすると食感・香りが良い、と部位別の推奨が明記されています。
肉詰めの実例として「肉詰め照り焼き」が掲載され、筒状にした堀川ゴボウに片栗粉をつけて具を詰め、輪切りにして焼き、調味液で短く煮絡める流れが紹介されています。
この手法の要点は、ゴボウ側に“片栗粉の薄い膜”を作り、肉だねの肉汁が外へ逃げすぎるのを抑えつつ、調味液のとろみで照りを作ることです。煮物の「味しみ」と照り焼きの「香ばしさ」を同居させられます。
一方で、厚切り輪切りの含め煮は、堀川ゴボウが「厚めでも味が染みやすい」性質を持つため相性が良いです。だし系の含め煮にすると香りが立ち、年末の食卓にも寄せやすい設計になります。
検索上位が肉詰め・煮物に寄りがちな中で、意外に使い勝手が良いのが「ポタージュ化」です。JA京都の掲載レシピには、堀川ゴボウの芯や先(100〜150g程度)を薄切りにし、バターと玉ねぎで炒めて煮てから、コーンクリーム缶と牛乳を合わせる“お手軽ポタージュ”が載っています。
ポイントは「香りの強い根菜を、甘みのあるコーンと乳で丸める」ことです。煮物では出し切れない香気が、温かいスープとして立ち上がり、家族向けにも出しやすい一皿になります。
さらにこのレシピ内の“ひとくちメモ”では、堀川ゴボウは普通のゴボウよりやわらかく栄養価も多く、あくも少ない、という評価が添えられています。
詰め物に向かない端材や、細い部分が多い個体を引いた時ほど、ポタージュ・スープに逃がすとロスが減り、仕込みの手間が報われます。
栽培・産地・栄養や部位別の食べ方(公式の産品図鑑)。
JA京都「堀川ごぼう|京の産品図鑑」
特徴(太さ、空洞、植え替え栽培、選び方、保存、旬)。
野菜ナビ「堀川ごぼう」
ごぼうのアク抜き(酢水・湯通しの目安)。
PIETRO「ごぼうのアク抜き方法」