
フィナンシェとマドレーヌは、一見似ているように見えますが、使用する材料に大きな違いがあります。この材料の違いが、それぞれの風味や食感を特徴づけています。
フィナンシェの主な材料は以下の通りです。
一方、マドレーヌの主な材料は。
最も大きな違いは、フィナンシェが卵白のみを使用するのに対し、マドレーヌは全卵を使用する点です。この違いにより、フィナンシェはあまり膨らまず、表面はサクッと、中はしっとりとした食感になります。対してマドレーヌは、全卵とベーキングパウダーの効果でふんわりと膨らみ、ケーキに近い食感になります。
また、フィナンシェにはアーモンドパウダーが多く使われるのが特徴です。このアーモンドパウダーが香ばしい風味を生み出し、フィナンシェ特有の味わいを作り出しています。マドレーヌはアーモンドパウダーを使わないことが多く、代わりにレモンの皮やバニラエッセンス、はちみつなどを加えることで風味を豊かにします。
バターの使い方も異なります。フィナンシェは焦がしバター(ブールノワゼット)を使用することで、深い香ばしさを引き出します。一方、マドレーヌは溶かしバターを使うことで、優しい甘さと風味を生み出しています。
これらの材料の違いにより、フィナンシェは香ばしく濃厚な味わい、マドレーヌはふんわりと優しい甘さが特徴となっているのです。
フィナンシェとマドレーヌは、その形状にも明確な違いがあり、それぞれの由来も異なります。この形状の違いは、見分ける際の最も分かりやすい特徴となっています。
【フィナンシェの形状と由来】
フィナンシェは一般的に金の延べ棒(インゴット)を模した長方形の形状をしています。「フィナンシェ」というフランス語は「金融家」や「金持ち」という意味を持ち、その名前の由来には諸説あります。
最も有名な説は、17世紀頃のフランスで、パリの証券取引所近くの菓子職人が、忙しい金融家のために「背広を汚さず、大急ぎで食べられるようなお菓子」として開発したというものです。また、その形が金の延べ棒に似ていることから名付けられたとも言われています。
ただし、フィナンシェの起源は、実は17世紀にフランスの修道女が生み出した「ヴィジタンディーヌ」という焼き菓子だとも言われています。当時のヴィジタンディーヌは花型や丸型の焼き菓子でした。
【マドレーヌの形状と由来】
マドレーヌは、貝殻(特にホタテの貝殻)の形をしているのが特徴です。横に広いホタテ型のほか、縦に長い貝殻型のマドレーヌもあります。日本では菊型を使用したカップタイプのマドレーヌも親しまれています。
マドレーヌの名前の由来には諸説ありますが、最も有名なのは1755年にポーランド王スタニスラス・レクチンスキーの宮廷で仕えていた「マドレーヌ・ポルミエ」という召使いの女性が関わっているという説です。彼女が急遽お菓子を作る必要があった際に、厨房にあったホタテの貝殻を型として使用したことから、現在も貝殻の形が継承されているとされています。
このお菓子を気に入った王様は、作り手の名前にちなんで「マドレーヌ」と名付け、パリのヴェルサイユ宮殿に住む娘、マリー・レチンスカ王妃に送ったことから、フランス全土に広まったと言われています。
現代では、両方のお菓子ともに様々な形のバリエーションが存在しますが、基本的にはフィナンシェは長方形、マドレーヌは貝殻型という特徴が維持されています。形だけで判断が難しい場合は、材料を確認すると見分けることができます。
フィナンシェとマドレーヌのカロリーを比較すると、一般的にはマドレーヌよりもフィナンシェの方がカロリーが高い傾向にあります。ただし、これは製品のサイズや材料の配合によって大きく変わることがあるため、一概には言えません。
【100gあたりのカロリー比較】
一般的な栄養成分表によると、100gあたりの比較では以下のようになります。
この数値を見ると、実は100gあたりではマドレーヌの方がカロリーが高いことがわかります。これは、マドレーヌに使用される全卵や溶かしバターの量が影響していると考えられます。
【1個あたりのカロリー比較】
しかし、1個あたりで比較すると、一般的なサイズでは。
このように、1個あたりのカロリーは製品によって大きく異なります。ある製品ではフィナンシェの方が高カロリーであり、別の製品ではマドレーヌの方が高カロリーということもあります。
【栄養成分の比較】
カロリー以外の栄養成分も比較してみましょう。ある商品の例では、1個あたり。
フィナンシェ。
マドレーヌ。
この例では、フィナンシェの方が脂質が多く、そのためカロリーも高くなっています。これはアーモンドパウダーと焦がしバターの使用量が影響していると考えられます。
【他の焼き菓子との比較】
フィナンシェとマドレーヌを他の焼き菓子と比較すると、100gあたりでは。
焼き菓子 | カロリー | 糖質 | 脂質 |
---|---|---|---|
マドレーヌ | 420kcal | 36.05g | 27.01g |
パウンドケーキ | 414kcal | 44.04g | 23.62g |
ブラウニー | 407kcal | 31.55g | 29.38g |
フィナンシェ | 376kcal | 38.47g | 22.11g |
マフィン | 354kcal | 44.38g | 16.38g |
ダックワーズ | 258kcal | 37.66g | 9.4g |
カヌレ | 220kcal | 30.1g | 7.2g |
この比較から、フィナンシェとマドレーヌは他の焼き菓子と比べて中程度のカロリーであることがわかります。
ダイエット中の方は、どちらのお菓子も適量を楽しむことが大切です。フィナンシェは一つのサイズが小さめなので、カロリーも抑えられる傾向があります。甘みもしっかりあるので満足感は得られやすく、1日1つまでと決めて食べるのが良いでしょう。
フィナンシェとマドレーヌは、材料の違いから風味や食感にも明確な違いが生まれています。それぞれの特徴的な味わいを詳しく見ていきましょう。
【フィナンシェの風味と食感】
フィナンシェは、焦がしバター(ブールノワゼット)とアーモンドパウダーの組み合わせによる、深い香ばしさが最大の特徴です。焦がしバターは、バターを加熱して茶色く変色させたもので、ナッツのような香ばしい風味を持っています。これにアーモンドパウダーの風味が加わることで、より複雑で奥行きのある味わいになります。
食感については、表面はカリッとした軽い食感があり、中はしっとりともちっとした食感が楽しめます。卵白のみを使用するため、マドレーヌほど膨らまず、密度の高い食感になるのが特徴です。
近年では、プレーンなフィナンシェだけでなく、抹茶やチョコレート、フルーツなどを加えたバリエーションも人気を集めています。特に、アーモンドの風味と相性の良いチョコレートを組み合わせたものは、より深みのある味わいを楽しめます。
【マドレーヌの風味と食感】
マドレーヌは、溶かしバターの優しい風味と全卵のふんわりとした甘さが特徴です。レモンの皮を加えることが多く、爽やかな柑橘系の香りが楽しめるのも魅力の一つです。また、はちみつを加えることで、より深みのある甘さを出すレシピも人気があります。
食感については、ベーキングパウダーと全卵の効果で、ふんわりと軽く膨らんだスポンジケーキのような食感になります。外側はサクッとしていて、中はしっとりとした二層の食感が楽しめるのが特徴です。マドレーヌの裏側には「へそ」と呼ばれる山形の膨らみがあり、これが理想的な形とされています。この「へそ」を美しく作るために、生地を1日休ませてから焼くこともあるそうです。
【食べ比べるとわかる違い】
両方のお菓子を食べ比べると、その違いがより明確に感じられます。フィナンシェは香ばしく濃厚な味わいで、噛みしめるとアーモンドの風味が広がります。一方、マドレーヌはふわっと軽い食感で、優しい甘さとバターの風味が口いっぱいに広がります。
どちらも紅茶やコーヒーとの相性が良く、午後のティータイムにぴったりのお菓子です。フィナンシェはやや濃厚な味わいのため、すっきりとした緑茶や烏龍茶とも合わせやすいでしょう。マドレーヌは優しい甘さのため、ミルクティーとの相性も抜群です。
フィナンシェとマドレーヌは、家庭でも比較的簡単に作ることができる焼き菓子です。それぞれの基本レシピと、失敗しないためのコツ、そして適切な型の選び方についてご紹介します。
【フィナンシェの基本レシピ】
材料(8個分)。
作り方。
【マドレーヌの基本レシピ】
材料(8個分)。
作り方。