

津田カブは島根県松江市周辺で栽培される伝統野菜で、勾玉(まがたま)のように曲がる形と、上部が赤紫で先に向かって白くなる見た目が大きな特徴です。
果肉は白くて緻密、やわらかいのに煮崩れしにくく、特有の香りとほのかな甘みがあるため、漬物(浅漬け・甘酢漬け・ぬか漬け・ピクルス)に向きます。
旬はおおむね秋〜冬で、10月中旬〜12月頃が目安、12月が収穫の最盛期とされます。
料理する人向けの「特徴の使い分け」を整理すると、津田カブは“香りを残す料理”と相性が良いです。
参考)【津田かぶ】は漬物にピッタリ!島根の伝統野菜の特徴や食べ方を…
例えば、火を入れすぎると香りが飛びやすいので、煮物にするなら「短時間で芯まで温める」設計にして、最後に葉や茎を合わせて香りの層を作るとまとまりが出ます。
参考)津田かぶ |かぶ カブ 蕪 品種の特徴 食べ方 選び方
一方で、漬物は香りと食感の両方が出やすく、赤紫の皮を活かすと色もごちそうになります。
参考)津田かぶ漬け(つだかぶづけ)|にっぽん伝統食図鑑:農林水産省
あまり知られていない観点として、津田カブは「形が曲がる」こと自体が欠点になりにくい野菜です。
曲がりがある分、薄切りにしたときに断面の厚みが微妙に変化し、浅漬けで“食感のリズム”が出やすい(同じ皿でもシャキ・やわが混ざる)ので、食べ飽きにくい仕上がりを狙えます。
見た目を揃えたい場合は、曲がりの内側を下にして置き、包丁を寝かせず垂直に入れると厚みが安定します。
津田カブを保存や調理に回す前に、葉を付けたままだと根の水分が葉に奪われやすいので、まず根(かぶ)と葉を切り分けるのが基本です。
根は表面の張りがあり、上部の赤紫が鮮やかなもの、葉や茎がみずみずしくしおれていないものが新鮮の目安になります。
津田カブは漬物で皮の色を活かせるため、皮を厚く剥きすぎない方が“津田カブらしさ”が残ります(ただし傷や硬い部分は落とします)。
切り方で仕上がりが変わるので、目的別に使い分けます。
✅食感を前に出す(浅漬け・ピクルス寄り)
✅“しっとり”寄り(甘酢漬け・ぬか漬け寄り)
また、津田カブの漬物は「口当たり」に差が出ます。市販の津田かぶ浅漬の説明でも、かぶと茎の間や先端などの“がさがさした部分”を丁寧にそぎ落とすと舌ざわりや見た目が良くなるとされています。
参考)津田かぶ浅漬
家庭でも同じで、皮を全部剥くのではなく“硬い筋っぽい部分だけ整える”発想にすると、色も食感も残せます。
津田カブ漬けは、天日干し(はで干し)の後に葉を付けたまま、ぬかと塩で約1週間漬け込む「本漬け」が伝統的なスタイルとして紹介されています。
一方、今は浅漬け、甘酢漬けなど多様なバリエーションが広がり、お茶漬けに添えるなど新しい食べ方も紹介されています。
家庭では、まずは浅漬けか甘酢漬けが失敗しにくく、津田カブの香りと甘みが分かりやすい入口になります。
ここでは「料理する人向け」に、味の設計だけ具体化します(レシピの分量暗記より、考え方が大事です)。
🍶浅漬け:香りを立てる
🍯甘酢漬け:甘みを強調する
🥣ぬか漬け:旨味を厚くする
意外性のある小技として、浅漬け→甘酢→ぬか、の順に“移行”させると、忙しい家庭でも食品ロスを減らせます。
例えば「浅漬けで食べ切れなかった分」を甘酢に移すと味の方向性が変わり、さらに残ったらぬか床で旨味寄りに着地させる、という流れです。
同じ津田カブでも味の軸が変わるので、飽きが来にくいのが利点です。
参考:津田かぶ漬けの伝統工程と食べ方(はで干し、本漬け、浅漬け・甘酢漬け、お茶漬け等)
津田かぶ漬け(つだかぶづけ)|にっぽん伝統食図鑑:農林水産省
津田カブは葉を付けたままだと根の水分が葉に奪われやすいため、保存前に切り分けるのが推奨されています。
根は新聞紙やラップで包んで野菜室で保管し、葉は新鮮なうちに固めに茹でて冷凍すると長く保存できる、という整理がされています。
一般的なかぶの保存でも、身と葉を分け、キッチンペーパーで包んで袋に入れ野菜室へ、葉は苦味を和らげたいなら短時間ゆでて冷凍、という方法が紹介されています。
家庭での運用を、もう一段だけ具体化します。
🧊冷凍の向き・不向き
参考)https://www.amanofoods.jp/season/26252/
📅保存期間の目安
🥬葉の使い切り(“主役”にしないのがコツ)
参考:かぶ全般の下処理と冷蔵・冷凍保存(身と葉を分ける、キッチンペーパーで包む、葉は短時間ゆでて冷凍など)
https://www.amanofoods.jp/season/26252/
津田カブは「特有の高い香りと甘み」が特徴として語られ、漬物だけでなく生食や煮物にも向くとされています。
ただ、料理現場では“津田カブらしさ”が消える失敗が起きがちで、原因の多くは火入れ時間の長さと切り方の選択ミスです。
そこで、香りと色を守るための設計を、漬物以外にも横展開します。
🍳炒める:香りを閉じ込める
🍲煮る:緻密さを活かす
参考)津田カブの特徴・旬の時期まとめ|島根県の特産で「まが玉状」を…
🥣汁にする:保存と相性が良い
この「香りと色を守る」発想で献立を組むと、漬物だけに偏らず、津田カブを主菜の脇役としても回しやすくなります。
結果として、冷蔵・冷凍・漬物の保存ラインが繋がり、旬の時期にまとめて買っても使い切れる設計になります。