ささげとインゲンの違いと特徴や栄養と調理法

ささげとインゲンの違いと特徴や栄養と調理法

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ささげとインゲンの違い

ささげとインゲンの基本的な違い
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植物学的分類

ささげはマメ目マメ科インゲン連ササゲ属、インゲンはマメ目マメ科インゲン連インゲン属と、属が異なります。

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利用方法

どちらも若いさやを食べるサヤ用と、豆を食べる子実用があります。ささげの種子は赤飯に使われることが多いです。

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見分け方

ささげはインゲンより平たく幅広い形状で、インゲンは丸みを帯びています。ささげは細長く、最大1mほどになります。

ささげの特徴と品種について

ささげは漢字で「大角豆」と書き、その名前の由来には諸説あります。最も有名なのは、畑でなっているときの若さやの付き方が、手に持ったものを捧げるときの形に似ていたため「ささげる」が変化してささげになったという説です。また、細い牙のような形を「細々牙(さいさいげ)」と呼んでいたものが、ささげに変わったという説もあります。北関東や東北では「ささぎ」と呼ぶ地域もあるようです。

 

ささげの品種には様々なものがあり、代表的なものとしては以下のようなものがあります。

  • 十六ささげ:愛知県の伝統野菜で、長さが20cmにもなり、豆の数が16個あることからこの名前がついています。

     

  • 三尺(さんじゃく)ささげ:長さが約1mにもなる品種です。

     

  • 金時ささげ:赤い色が特徴的な品種です。

     

  • あきしまささげ:東京の伝統野菜です。

     

  • 姫ささげ:小型の品種です。

     

  • 柊野(ひいらぎの)ささげ:京都の伝統野菜です。

     

特に「十六ささげ」は愛知県の特産品として知られており、流通時期は7月下旬から8月末頃までと短いのが特徴です。この品種は種子の味が悪いため、若いさやを食用とします。

 

インゲンの特徴と品種の多様性

インゲンは、江戸時代初期に中国から帰化した隠元禅師が持ち込んだといわれており、その名前も隠元禅師に由来しています。ただし、実際に隠元禅師が持ってきたのはインゲンではなく藤豆(ふじまめ)だったという説もあります。

 

インゲンには大きく分けて「丸鞘インゲン」と「平鞘インゲン」の2種類があります。一般的に関東や関西で「インゲン」と呼ばれているのは丸鞘インゲンで、平鞘インゲンは「モロッコインゲン」と呼ばれることが多いです。

 

インゲンの主な品種

  • ケンタッキー・ワンダー:日本では「どじょういんげん」「尺五寸」とも呼ばれ、つるあり、丸鞘の代表的な品種です。スーパーでよく見かけるのはこの品種です。

     

  • モロッコインゲン:平鞘インゲンの代表的な品種で、タキイ種苗が昭和初期に命名しました。名前の由来は当時流行していた映画「モロッコ」にあやかったものだそうです。

     

  • 平ざやいんげん:平たい鞘が特徴の品種群です。

     

「モロッコインゲン」という名称は実はタキイ種苗の商品名であり、平鞘インゲンの総称として使われるようになりました。北海道や沖縄を含む関東関西以外の地域では、この平鞘インゲンが一般的に広く栽培されています。

 

ささげとインゲンの見分け方と形状の違い

ささげとインゲンは見た目がとてもよく似ていますが、いくつかの特徴で見分けることができます。

 

形状の違い

  • ささげ:平たく幅広い形状(幅が1cm程度)で、細長く、最大で1mほどになることもあります。

     

  • インゲン:丸みを帯びた形状で、ささげよりもメリハリのあるシルエットをしています。

     

硬さの違い

  • ささげ:風に吹かれればなびくほどやわらかい特徴があります。

     

  • インゲン:ささげと比べると固めです。

     

色の違い

  • どちらも緑色ですが、種類によって濃淡があります。

     

豆の特徴

  • ささげの豆(種子):角ばっており、ヘソ(白い部分)の周りが黒いのが特徴です。

     

  • インゲンの豆:ささげほど角ばっていません。

     

北海道では「ささげ」と呼ばれているものは、実は平鞘インゲンの一種である「まんずなるインゲン」や「大平鞘五寸(おおひらさやごすん)」という品種であることが多いようです。一方、沖縄では平鞘インゲンを「平三度(ひらさんど)」や「まーさんど」(美味しいという沖縄方言にかけた名称)と呼んでいます。

 

ささげとインゲンの栄養価と健康効果の比較

ささげとインゲンはどちらも栄養価が高い野菜ですが、それぞれに特徴があります。

 

ささげの栄養と健康効果
ささげは特に以下のような栄養素が豊富です。

  • タンパク質:体の組織を作るのに必要な栄養素
  • 食物繊維:腸内環境を整え、便秘予防に役立つ
  • カリウム:体内の余分な塩分を排出し、血圧の上昇を抑える
  • 鉄分:貧血予防に効果的
  • アントシアニン:赤色の種子に含まれる抗酸化物質

ささげは特に免疫力を高める効果があるとされており、身体を強くする効果が期待できます。また、カロリーが非常に低く、栄養価が高いため、ダイエット食品としても注目されています。腹持ちも良いため、美容と健康を気にする方におすすめの食材です。

 

インゲンの栄養と健康効果
インゲンにも以下のような栄養素が含まれています。

  • ビタミンC:抗酸化作用があり、免疫力を高める
  • ビタミンK:骨の形成に関わる
  • 葉酸:細胞の再生や成長に必要
  • カリウム:むくみの予防に効果的
  • 食物繊維:便秘の予防や改善に役立つ

インゲンにはα-アミラーゼ・インヒビターという成分も含まれており、これは炭水化物の消化を遅らせる効果があります。そのため、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

 

両者とも低カロリーで栄養価が高く、健康的な食生活に取り入れることで様々な健康効果が期待できます。

 

ささげとインゲンの調理法と地域による食文化の違い

ささげとインゲンは調理法や食べ方に地域による特色があります。

 

ささげの調理法
ささげの若いさやは以下のような調理法で楽しめます。

  • 胡麻和え:最も一般的な調理法の一つで、ささげの風味と胡麻の香りが絶妙にマッチします。

     

  • 煮物:やわらかく煮て、素材の味を楽しみます。

     

  • 炒め物:シンプルに塩味で炒めるだけでも美味しいです。

     

  • 天ぷら:サクッとした食感が楽しめます。

     

ささげの種子(豆)は、赤飯の材料として広く使われています。特に東日本では、ささげを使った赤飯が好まれる傾向があります。これには歴史的な背景があり、あずきが裂けた状態が切腹をイメージさせるため縁起が悪いとされ、武士の家ではささげで赤飯を炊くことが多かったという説があります。

 

また、ささげは盆飾りとしても使われることがあります。

 

インゲンの調理法
インゲンは様々な料理に活用されています。

  • 煮物:柔らかく煮崩れしにくいので、煮物に適しています。

     

  • 胡麻和え:ささげと同様に胡麻和えにすると美味しいです。

     

  • 揚げ物:天ぷらやフリッターにすると香ばしく仕上がります。

     

  • 炒め物:ベーコンや他の野菜と一緒に炒めると彩りも良く、栄養バランスも良い一品になります。

     

  • スープやシチュー:色合いを良くするために使われることも多いです。

     

  • フランス料理:ソテーにして肉料理の付け合わせとしてよく使われます。

     

地域による食文化の違い
地域によってささげとインゲンの呼び方や使い方に違いがあります。

  • 北海道:平鞘の大型インゲンを「ささげ」と呼ぶことが多く、本州のような小型インゲンはあまり栽培されていません。

     

  • 東日本:ささげを使った赤飯が好まれています。

     

  • 沖縄:インゲンを「三度豆」と呼び、平鞘インゲンを「平三度(ひらさんど)」や「まーさんど」と呼びます。年に3回収穫できることから「三度豆」という名前がついたそうです。

     

また、ささげの調理法として、昔は夕食の主菜として胡麻和えが出されることもあったようです。これは、肉が週に一度しか食べられなかった時代の食文化を反映しています。

 

インゲンは色を活かした料理に使われることが多く、五目寿司の彩りとしても重宝されています。

 

ささげとインゲンの旬の違い
ささげの旬は主に夏(7月下旬〜8月末頃)で、インゲンは品種や栽培方法によって異なりますが、路地栽培の場合は6月頃から秋までが旬とされています。旬の時期に収穫されたものは、風味や食感が最も良いとされています。

 

ささげとインゲンを使った伝統料理と現代のアレンジレシピ

ささげとインゲンは日本の食文化において長い歴史を持ち、様々な伝統料理に使われてきました。また、現代では新しいアレンジレシピも生まれています。

 

ささげの伝統料理

  1. 赤飯:ささげの煮汁でもち米を炊き、ささげの豆を混ぜた祝い事に欠かせない伝統料理です。小豆よりも皮が破れにくいため、特に東日本の武家社会では好まれていました。

     

  2. ささげの胡麻和え:シンプルながらも風味豊かな一品で、かつては主菜として食卓に並ぶこともありました。

     

  3. ささげの煮物:だし汁で優しく煮た素朴な味わいの料理です。

     

インゲンの伝統料理

  1. 五目煮:人参、こんにゃく、しいたけなどと一緒に煮た栄養バランスの良い料理です。

     

  2. インゲンの胡麻和え:すりごまやねりごまで和えた、和食の定番おかずです。

     

  3. きんぴらインゲン:ごま油で炒め、醤油と砂糖で味付けした香ばしい一品です。

     

現代のアレンジレシピ

  1. ささげとベーコンのアヒージョ:オリーブオイルとニンニクで香りづけし、ささげとベーコンを一緒に煮込んだスペイン風の一品です。

     

  2. インゲンとツナのサラダ:茹でたインゲンとツナ缶を和えた、簡単で栄養満点のサラダです。

     

  3. ささげのグリーンカレー:タイ風のグリーンカレーにささげを加えることで、彩りと食感のアクセントになります。

     

  4. インゲンのペペロンチーノ:パスタと一緒に唐辛子とニンニクで炒めた、シンプルながらも風味豊かな一品です。

     

  5. ささげとキヌアのサラダボウル:健康志向の方に人気のレシピで、茹でたささげとキヌア、様々な野菜を組み合わせた栄養満点のボウルです。

     

これらのレシピは、伝統的な味わいを大切にしながらも、現代の食のトレンドを取り入れたものです。ささげとインゲンの特性を活かした調理法で、日々の食卓に彩りを加えることができます。

 

特に、ささげは日持ちがあまりしないため(3日もするとしなびてしまう)、購入したらなるべく早く調理することをおすすめします。また、インゲンは緑色を活かした料理に向いているため、色鮮やかな一品に仕上げるのがポイントです。

 

両者とも、シンプルな調理法でその風味を楽しむことができる素材ですが、様々な食材と組み合わせることで、無限の可能性を秘めています。ぜひ、あなたのオリジナルレシピを開発してみてはいかがでしょうか。

 

農林水産省のささげに関する情報
ささげとインゲンの栽培特性に関する学術論文