
ささげは漢字で「大角豆」と書き、その名前の由来には諸説あります。最も有名なのは、畑でなっているときの若さやの付き方が、手に持ったものを捧げるときの形に似ていたため「ささげる」が変化してささげになったという説です。また、細い牙のような形を「細々牙(さいさいげ)」と呼んでいたものが、ささげに変わったという説もあります。北関東や東北では「ささぎ」と呼ぶ地域もあるようです。
ささげの品種には様々なものがあり、代表的なものとしては以下のようなものがあります。
特に「十六ささげ」は愛知県の特産品として知られており、流通時期は7月下旬から8月末頃までと短いのが特徴です。この品種は種子の味が悪いため、若いさやを食用とします。
インゲンは、江戸時代初期に中国から帰化した隠元禅師が持ち込んだといわれており、その名前も隠元禅師に由来しています。ただし、実際に隠元禅師が持ってきたのはインゲンではなく藤豆(ふじまめ)だったという説もあります。
インゲンには大きく分けて「丸鞘インゲン」と「平鞘インゲン」の2種類があります。一般的に関東や関西で「インゲン」と呼ばれているのは丸鞘インゲンで、平鞘インゲンは「モロッコインゲン」と呼ばれることが多いです。
インゲンの主な品種
「モロッコインゲン」という名称は実はタキイ種苗の商品名であり、平鞘インゲンの総称として使われるようになりました。北海道や沖縄を含む関東関西以外の地域では、この平鞘インゲンが一般的に広く栽培されています。
ささげとインゲンは見た目がとてもよく似ていますが、いくつかの特徴で見分けることができます。
形状の違い
硬さの違い
色の違い
豆の特徴
北海道では「ささげ」と呼ばれているものは、実は平鞘インゲンの一種である「まんずなるインゲン」や「大平鞘五寸(おおひらさやごすん)」という品種であることが多いようです。一方、沖縄では平鞘インゲンを「平三度(ひらさんど)」や「まーさんど」(美味しいという沖縄方言にかけた名称)と呼んでいます。
ささげとインゲンはどちらも栄養価が高い野菜ですが、それぞれに特徴があります。
ささげの栄養と健康効果
ささげは特に以下のような栄養素が豊富です。
ささげは特に免疫力を高める効果があるとされており、身体を強くする効果が期待できます。また、カロリーが非常に低く、栄養価が高いため、ダイエット食品としても注目されています。腹持ちも良いため、美容と健康を気にする方におすすめの食材です。
インゲンの栄養と健康効果
インゲンにも以下のような栄養素が含まれています。
インゲンにはα-アミラーゼ・インヒビターという成分も含まれており、これは炭水化物の消化を遅らせる効果があります。そのため、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
両者とも低カロリーで栄養価が高く、健康的な食生活に取り入れることで様々な健康効果が期待できます。
ささげとインゲンは調理法や食べ方に地域による特色があります。
ささげの調理法
ささげの若いさやは以下のような調理法で楽しめます。
ささげの種子(豆)は、赤飯の材料として広く使われています。特に東日本では、ささげを使った赤飯が好まれる傾向があります。これには歴史的な背景があり、あずきが裂けた状態が切腹をイメージさせるため縁起が悪いとされ、武士の家ではささげで赤飯を炊くことが多かったという説があります。
また、ささげは盆飾りとしても使われることがあります。
インゲンの調理法
インゲンは様々な料理に活用されています。
地域による食文化の違い
地域によってささげとインゲンの呼び方や使い方に違いがあります。
また、ささげの調理法として、昔は夕食の主菜として胡麻和えが出されることもあったようです。これは、肉が週に一度しか食べられなかった時代の食文化を反映しています。
インゲンは色を活かした料理に使われることが多く、五目寿司の彩りとしても重宝されています。
ささげとインゲンの旬の違い
ささげの旬は主に夏(7月下旬〜8月末頃)で、インゲンは品種や栽培方法によって異なりますが、路地栽培の場合は6月頃から秋までが旬とされています。旬の時期に収穫されたものは、風味や食感が最も良いとされています。
ささげとインゲンは日本の食文化において長い歴史を持ち、様々な伝統料理に使われてきました。また、現代では新しいアレンジレシピも生まれています。
ささげの伝統料理
インゲンの伝統料理
現代のアレンジレシピ
これらのレシピは、伝統的な味わいを大切にしながらも、現代の食のトレンドを取り入れたものです。ささげとインゲンの特性を活かした調理法で、日々の食卓に彩りを加えることができます。
特に、ささげは日持ちがあまりしないため(3日もするとしなびてしまう)、購入したらなるべく早く調理することをおすすめします。また、インゲンは緑色を活かした料理に向いているため、色鮮やかな一品に仕上げるのがポイントです。
両者とも、シンプルな調理法でその風味を楽しむことができる素材ですが、様々な食材と組み合わせることで、無限の可能性を秘めています。ぜひ、あなたのオリジナルレシピを開発してみてはいかがでしょうか。