
酸化防止剤は、食品成分の酸化を抑制するために添加される抗酸化物質です。食品が空気中の酸素に触れることで起こる酸化反応を防ぎ、色や風味、栄養価の劣化を抑制する重要な役割を担っています。
参考)https://pantry-lucky.net/blogs/column/antioxidant
酸化防止剤の主な効果として、以下の3つが挙げられます。
特に油脂類では、酸化が進むと過酸化物質などの体に有害な物質が発生し、過度に劣化した油を摂取すると吐き気や嘔吐などの中毒様症状を招くこともあります。
酸化防止剤は、それ自体が酸化することで食品を酸化から守っており、大きく油に溶けやすいもの(脂溶性)と水に溶けやすいもの(水溶性)に分類されます。
参考)http://www.iph.osaka.jp/s017/070/2023/08/20230904133553.html
脂溶性酸化防止剤の代表例。
水溶性酸化防止剤の代表例。
一部の酸化防止剤については、安全性に関する懸念が指摘されています。特に合成系の酸化防止剤であるBHTとBHAについては、発がん性を持つことが指摘されている一方で、日本では使用基準が厳格に定められており、基準に従って摂取する量については心配する必要はないとされています。
参考)https://www.mrso.jp/colorda/lab/3450/
BHAの懸念点。
内分泌攪乱作用があるため、妊娠中の方や子どもには避けたい酸化防止剤として注意喚起されています。主な使用食品は油脂、バター、干物、魚介塩蔵品、乾燥の裏ごしいも、魚介冷凍品などです。
参考)https://www.aomori.coop/kenmin/news/detail.php?p=947
BHTの問題。
カップ麺の容器などに安定剤として使われており、パッケージ類からBHTが食材へ移行する点が懸念されています。
L-アスコルビン酸の課題。
原料に遺伝子組換のジャガイモやトウモロコシを使用していることが問題視される場合がありますが、基本的には含有量は少ないため、すぐに人体への影響はないと考えられています。
近年、合成酸化防止剤に対する懸念から、天然由来の酸化防止剤への関心が高まっています。天然由来の酸化防止剤は、ハーブ、スパイス、種子、果物、野菜などの植物材料から抽出されます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6891691/
天然酸化防止剤の例。
参考)https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/shokuten/sankaboshizai.html
これらの天然由来酸化防止剤は、生物学的価値だけでなく、食品副産物や未利用植物種から抽出できるため経済的影響も注目されています。
酸化防止剤を含む食品との賢い付き合い方として、消費者レベルでできる対策があります。まず、食品ラベルの原材料表示を確認し、使用されている酸化防止剤の種類を把握することが重要です。
家庭でできる酸化防止対策。
意外な酸化防止効果を持つ食材。
きのこ由来のエルゴチオネインは、強力な抗酸化作用と退色防止効果を持つ天然の酸化防止剤として注目されています。また、コーヒー豆抽出物(クロロゲン酸)も天然の酸化防止剤として活用されており、日常的に摂取するコーヒーにも酸化防止効果があることが分かっています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/fc85d89bc8bd1b8c4f4c0134032d6e16a1282b3e
食品添加物としての酸化防止剤は、適切な使用基準の下で食品の安全性と品質保持に重要な役割を果たしています。消費者としては、天然由来の選択肢を意識しつつ、バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。
食品の酸化は避けられない自然現象であり、酸化防止剤は食中毒リスクの軽減や栄養価の保持において不可欠な存在です。重要なのは、各酸化防止剤の特性を理解し、個人の健康状態やライフスタイルに合わせて食品選択を行うことです。
参考)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/13a99ef4d95e548a6438f97a2ab9c3adbff35834