ピアノ調律久しぶり|放置期間別の費用と時間

ピアノ調律久しぶり|放置期間別の費用と時間

ピアノ調律を久しぶりにする場合

久しぶりの調律で知っておくべきこと
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追加料金の発生

5年以上放置すると5,500円前後、10年以上で11,000円前後の追加料金がかかります

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作業時間の増加

通常1〜2時間の調律が、放置期間が長いと3〜4時間かかることもあります

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複数回の調律が必要

10年以上放置したピアノは、3ヶ月後や半年後に再度調律が必要になるケースが多いです

久しぶりにピアノの調律をする場合、定期的にメンテナンスしているピアノとは異なり、さまざまな追加費用や時間が必要になります。ピアノは約230本の弦が張られてり、全体で約20トンもの張力がかかっている楽器です。この弦は時間の経過とともに徐々に緩み、音程がずれていくため、弾いていなくても調律が必要なんです。
参考)https://piano-at.com/tuning-price-10years/

長期間放置されたピアノは、弦のテンションが大幅に低下しており、ピッチ(音の高さ)が正常な440Hz前後から大きく下がっていることが多いです。例えば、50年間調律していなかったピアノでは410Hzまで下がっていたケースもあり、正しいピッチに戻すまでに3年かかった実例もあります。
参考)https://note.com/294piano/n/na00ca155d903

放置期間が長いピアノは、調律だけでなく内部の清掃や部品の経年劣化による修理も必要になることが多いです。鍵盤の動きが悪くなっていたり、ハンマーのフェルトが硬化していたり、木製部品に変形が見られることもあります。そのため、調律師は最初の1時間ほどを掃除や簡単な修理に費やし、その後調律作業に取り掛かるという流れになります。
参考)https://www.piano-t.net/mame_03_ryoukin.html

ピアノ調律の放置期間別の費用相場

久しぶりの調律で最も気になるのが費用です。放置期間によって基本料金に追加料金が加算される仕組みが一般的になっています。
参考)http://katayamapiano.com/tuning.html

通常の定期調律の基本料金は、アップライトピアノで15,000円〜18,000円程度、グランドピアノで18,000円〜23,000円程度が相場です。これは1年以内に調律を受けているピアノの料金で、前回の調律から期間が空くと追加料金が発生します。
参考)https://www.yamahapianoservice.co.jp/column/tuning-price/

具体的な追加料金の目安として、5年放置で5,500円、10年放置で11,000円程度が加算されます。つまり10年ぶりの調律では、基本料金15,000円に追加料金11,000円を合わせて26,000円前後かかる計算になるんです。
参考)https://pia-note.com/compare-piano-tuning/

20年以上放置したピアノの場合、さらに複雑な作業が必要になります。弦の錆びや損傷、フェルト材料の硬化、木製部品の変形などの問題に対処するため、部品交換や修理が必要となり、調律費用も大幅に上昇します。ケースによっては、1回の調律で完了せず、3ヶ月後や半年後に再度調律が必要になることも多く、トータルで5万円以上かかることもあります。
参考)https://good-appeal.co.jp/music/piano-tuning/

ヤマハピアノサービスの料金体系では、アップライトピアノが16,500円、グランドピアノが20,350円となっており、前回の調律からの空き年数やピッチの低下度により追加料金が発生します。
参考)https://edyclassic.com/9636/

参考情報として、調律料金の詳細はこちらをご覧ください。

 

ピアノの調律にかかる値段は?どれくらいの費用か相場を解説 - ヤマハピアノサービス

ピアノ調律に必要な作業時間の目安

調律にかかる時間も、ピアノの状態によって大きく変わります。定期的にメンテナンスされているピアノであれば、1〜2時間程度で作業が完了しますが、久しぶりの調律では3〜4時間かかることも珍しくありません。
参考)https://www.yamahapianoservice.co.jp/column/tuning-time/

調律師によって作業時間への考え方は異なりますが、初めて訪問するピアノの場合、状態に関わらず3時間を確保する調律師もいます。この時間配分は、最初の1時間を準備と清掃に充て、2時間目に調律と整調の基礎作業、3時間目に仕上げの調律と微調整を行うという流れです。
参考)https://note.com/294piano/n/ne85fd7f4b8fa

10年以上空いているピアノの場合、2日間に分けて調律と整調を行うケースもあります。1日目に下律(準備調律)と清掃、簡単な修理を行い、2日目に本調律と整調を実施するという方法です。これは一度に無理な力をかけず、ピアノに負担をかけないための配慮でもあります。​
短時間で調律を終える業者もいますが、1日に3〜4件の調律をこなす場合、1件あたり1時間半程度しか時間を取れません。しかし、清掃や調律、整調をしっかり行うには、やはり2〜3時間以上は必要というのが現場の実情なんです。
参考)https://piano-at.com/what-is-piano-tuning/

作業時間中は、調律師が微妙な音程を聴き取るため、できるだけ静かな環境を保つことが大切です。テレビやラジオの音量を控えめにし、普通の生活音であれば問題ありませんが、大きな音は避けるようにしましょう。
参考)https://www.piano-t.net/mame_06_junbi.html

ピアノ調律業者の選び方と注意点

調律業者選びは、ピアノを長く良い状態で保つための重要なポイントです。一般的に、同じ調律師に継続して依頼することが推奨されています。なぜなら、調律師がそのピアノの特性や癖を理解していると、より適切なメンテナンスができるからです。
参考)https://www.pianochoritsu110.com/piano-iraisaki

調律師を探す方法は主に3つあります。まず、インターネットで地域の調律事務所や楽器店を検索する方法です。過去の実績や口コミをチェックできるため、比較検討がしやすいメリットがあります。次に、ピアノを購入した楽器店に依頼する方法で、購入履歴があるため安心感があります。最後に、ピアノの先生や知人からの紹介を受ける方法で、身近な人の口コミを参考にできます。​
業者選びで最も重要なのは、料金について事前に明確な説明がある調律師を選ぶことです。修理や追加料金が必要な調整がある場合も、その必要性をわかりやすく説明し、予算を考慮して提案してくれる調律師が信頼できます。​
ヤマハのピアノをお持ちであれば、ヤマハピアノサービスの利用がおすすめです。経験豊富なヤマハ認定の調律技術者が担当し、自社工房で培った技術やノウハウを生かした高品質なサービスを提供しています。対応エリアは首都圏、中京圏、関西圏(京阪神)です。​
調律師選びの基準として、技術力と経験、価格、サービス力、ピアノへの愛情、評価の5つを総合的に判断することが大切です。特に技術力は、調律後の音の安定性や仕上がりの質に直結するため、口コミや実績を確認するようにしましょう。
参考)https://www.piano-t.net/mame_04_yoichouritu.html

信頼できる調律業者を見つけるためのポイントをまとめた情報はこちらです。

 

ピアノ調律はどこに依頼する?信頼できる業者の選び方のポイント

ピアノ調律前の準備と当日の過ごし方

調律をスムーズに進めるための事前準備も大切です。まず、ピアノの上や周囲に置いてある楽譜や小物を片付け、調律師が作業しやすい環境を整えましょう。ピアノにカバーがかけてある場合は、事前に外しておくと調律師がすぐに作業に取り掛かれます。
参考)https://piano-t.com/about/piano-prepare

調律作業では内部の清掃も行うため、掃除機と雑巾を用意しておくと調律師が助かります。長年放置されたピアノの場合、内部にかなりの埃が溜まっていることが多く、清掃に時間がかかります。​
室温管理も重要なポイントです。夏場や冬場に冷暖房を使用する場合は、調律開始の2〜3時間前に入れて室温を安定させておきましょう。ピアノは温度変化に非常に敏感で、調律中に室温が急激に変化すると調律が不安定になり、作業が困難になるからです。ただし、扇風機や赤外線ヒーターなど、室内全体に大きな温度変化をもたらさない冷暖房器具であれば問題ありません。​
調律師が車で来る場合は、駐車場の確保も考えておくとスムーズです。当日、駐車場探しに苦労するケースは意外と多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。​
調律作業中の過ごし方として、静かにしている必要はありますが、その場にいても問題ありません。ただし、調律師が集中できるよう配慮し、大きな音でテレビをつけたりしないようにしましょう。​

ピアノ調律が必要な理由と頻度の考え方

ピアノはバイオリンやギターと同じように弦が振動して音を鳴らす楽器ですが、自分でチューニングできないため調律師による定期的なメンテナンスが必要です。ピアノの弦にかかる張力は1本あたり70〜90kgもあり、全体で約20トンにも及びます。この強い張力により弦は徐々に伸び、音程が狂っていくんです。
参考)https://www.kawai.jp/support/service/piano/maintenance/m02/

ピアノは「生きている」と言われるほど、温度や湿度の影響を受けやすい楽器です。木材、皮革、フェルトなどの天然素材で作られているため、環境の変化によって響板や木部が微妙に変化し、音の狂いや鍵盤の動きに影響を与えます。​
調律の必要頻度は、演奏頻度や保管環境によって変わりますが、一般的には1〜2年に1回が推奨されています。週に2〜3回、1回あたり2時間ほど演奏する場合や、毎日1時間ほど弾く場合は年1回、毎日長時間演奏するなら年2回がおすすめです。ほとんど弾かない場合でも、2〜5年に1度は調律した方が良い状態で保管できます。
参考)https://utaten.com/live/piano-tuning-frequency/

興味深い提案として、8ヶ月に1回(2年間で3回)という頻度を推奨する調律師もいます。この頻度のメリットは、毎回違う季節に調律できることです。ピアノは季節によって状態がかなり変化するため、異なる季節の状態を見られることが理想的な調律調整の助けになるんです。また、この期間設定なら多少遅れても1年ちょっと過ぎくらいで調律できるという柔軟性もあります。
参考)https://www.toshisanblog.com/how-many-times/

長期間調律していないピアノは、弦が大きく緩んで音そのものが低い状態になっており、調律してもかなり早く狂ってしまいます。そのため、久しぶりの調律後は短いスパン(3ヶ月〜半年後)で再度調律することで、徐々に安定した状態に戻していく必要があるんです。
参考)https://www.toshisanblog.com/long-time-no-tuning/

調律の適切な頻度について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

調律師が本音で思うピアノ調律の頻度について

10年以上放置したピアノ特有の問題点

10年以上調律していないピアノには、特有の問題が発生します。保管状態にもよりますが、「内部環境に関する状態」と「音・演奏に関する状態」の両方に必ず問題を抱えているケースが多いです。
参考)https://kyo-tuning.com/10%E5%B9%B4%E4%BB%A5%E4%B8%8A%E9%95%B7%E6%9C%9F%E6%94%BE%E7%BD%AE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E8%AA%BF%E5%BE%8B%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%EF%BC%9F

まず音程面では、全体的に大幅なピッチダウン(音の高さの低下)が起きています。正常なピッチは440Hz前後ですが、10年放置されたピアノでは420Hz前後、さらに長期間だと410Hz以下まで下がっていることもあります。このように大きくピッチが下がったピアノを一度に正しい音程まで持っていこうとすると、弦やピンに過度な負担がかかり、調律が安定しにくくなります。
参考)https://www.pianochoritsu110.com/piano-repair

弦とチューニングピン(弦を巻いているピン)の柔軟性も失われています。長年動かされていなかった弦は、正しい位置に調整しても元の低い音程に戻ろうとする性質があるため、調律後すぐに狂ってしまうことが多いんです。
参考)https://www.toshisanblog.com/7reasons/

内部の清掃面では、鍵盤の下や弦の周辺に大量の埃が溜まっていることがほとんどです。埃が部品の動きを妨げ、鍵盤のタッチが重くなったり、音が出にくくなったりする原因になります。また、鍵盤に使われている潤滑剤が古くなって固まっていることもあり、新しく塗り直す必要があります。​
ハンマーのフェルトやダンパーのフェルトも経年劣化により硬化していることが多く、音色が硬くなったり、余韻が長すぎたりする問題が生じます。木製部品については、温湿度の変化により変形や裂けが発生していることもあり、場合によっては部品交換が必要になります。​
こうした問題を抱えたピアノは、1回の調律では直らず、数年かけて少しずつ正常な状態に戻していく必要があるんです。初回の調律でできる範囲の調整を行い、3ヶ月後や半年後に再調律することで、徐々にピッチを上げていき、最終的に安定させるという方法が一般的です。
参考)https://www.piano-t.net/article/melma_bn_1906_qa_0012.html

10年以上放置したピアノの復活について詳しく知りたい方はこちらが参考になります。

 

10年以上放置したピアノを調律する流れと費用の相場