

草刈りするたびに、もっと勢いよく再生してくるのがジョンソングラスです。
ジョンソングラスとは、イネ科モロコシ属の多年生外来植物「セイバンモロコシ(学名:Sorghum halepense)」の英語名です。地中海沿岸原産で、日本では1943年に千葉県で初めて確認されました。現在は本州・四国・九州に広く定着しており、道端・河川敷・庭先と生育場所を選びません。
草丈は条件が整うと2mを超えることもあります。葉の長さは20〜70cmほどあり、ススキに似た見た目ですが、大きな違いがあります。それは「葉の縁がざらつかない」という点です。ススキの葉は縁がギザギザで手を切りやすいのに対し、ジョンソングラスの葉は比較的なめらか。また、葉の中央に白くはっきりした主脈(中央の筋)が走っているのも識別のポイントです。夏から秋にかけて赤みを帯びた茶褐色の円錐形の穂を伸ばし、穂の高さは20〜50cmになります。
繁殖力は非常に高く、1株あたり1万3,000粒以上の種子をつけることが報告されています。種子はとても軽く、風に乗って広い範囲に飛散します。これはおよそA4用紙1枚の重さよりはるかに軽い種子が、1株から大量に風散布されるイメージです。さらに地下茎(ちかけい)という根のような地下の茎を横に伸ばし、そこから新しい芽を出して群落を広げます。多年生なので冬に地上部が枯れても、地下茎が春になると必ず再萌芽します。
環境省のリストでは「その他の総合対策外来種」に分類されており、生態系への影響が懸念される草です。庭や菜園に侵入すると、他の植物の生育を妨げるアレロパシー物質(化学物質)を土壌に放出する性質も持ちます。つまり「いるだけで周囲の植物が育ちにくくなる」という厄介な特徴があります。
外来種シリーズ・セイバンモロコシの生態と防除について(日本緑化センター)
ジョンソングラスの防除で多くの家庭が失敗するのは、「一般的な雑草対処法をそのまま当てはめてしまう」パターンです。これは条件が違います。
まず一つ目は、草刈りだけで終わらせることです。地上部を刈り取っても、地下茎が生きている限り数週間のうちに再生します。ジョンソングラスの地下茎は白く太く、節から節へと横に伸び続け、刈り取りのストレスを受けると逆にエネルギーを蓄積して再成長しようとします。刈り込んだ直後から葉が再び伸び始める様子に「なぜこんなに早い?」と驚く方は多いです。草刈りのみの対処が逆効果というのは痛いですね。
二つ目は、除草剤を「地下茎が出てくる前」に使うことです。グリホサート系などの茎葉処理剤(液体タイプ)は、葉や茎から薬剤を吸収させて根まで枯らす仕組みです。葉がまだほとんど出ていない状態で散布しても、吸収される面積が少なく効果が弱くなります。葉がある程度展開した時期に散布するのが条件です。
三つ目は、除草剤を1回だけ散布して終わりにすることです。ジョンソングラスの地下茎は地中深くに蓄えられており、1回の散布で根絶するのは難しいことが多いです。特に株が大きくなっている場合は、葉が十分に生い茂った時期に複数回繰り返して対処するのが原則です。また、除草剤を散布した後すぐに大雨が降ると、薬剤が葉に定着する前に流れてしまうことがあります。散布後少なくとも数時間は雨の降らない晴れた日を選ぶことが必須です。
セイバンモロコシ(ジョンソングラス)の毒性・人体・ペットへの影響(PictureThis)
ジョンソングラス防除に最も効果が期待できるのは、グリホサート系の茎葉処理除草剤です。グリホサートは葉・茎から吸収され、植物全体に移行して地下茎まで枯死させる「浸透移行性」の成分です。これが基本です。
代表的な商品としては「ラウンドアップマックスロード」や、そのジェネリック農薬(製造特許切れで同等成分を安価に販売)の「サンフーロン」があります。サンフーロンはラウンドアップに比べて価格がかなり安く、コストを抑えたい場合に有効な選択肢です。ただし、ラウンドアップマックスロードは散布後1時間で雨が降っても効果が維持されるのに対し、サンフーロンは散布後6時間は雨が降らない状態が必要です。天気予報を確認したうえで選びましょう。
散布する際は、50倍希釈で葉・茎全体にしっかり薬液がかかるよう散布します。霧吹きのような細かいノズルより、広い面に均一に届く噴霧器が使いやすいです。除草剤散布後、葉が枯れ始めるまでには通常1〜3週間程度かかります。完全に枯れるまでには1ヶ月ほど見ておきましょう。これは使えそうです。
散布のタイミングとして最適なのは、初夏(5〜6月)の草丈が30〜50cm程度の時期です。この時期はまだ地下茎にエネルギーが蓄積される前で、葉の展開面積が十分にあります。薬剤を吸収する葉の表面積が多いほど根までの移行量も増えるため、早すぎず遅すぎずのタイミングが重要です。また晴れた日の朝から午前中の散布が、雑草の吸収が活発で効果的です。
なお、農薬として登録された除草剤は農作物の栽培・管理目的にのみ使用が認められています。「農薬ではない」と表示された一般向けの除草剤は、家庭の庭や非農耕地での使用を想定した製品です。購入前にラベルの用途区分を確認することが大切です。
セイバンモロコシ(ジョンソングラス)の除草剤と発生防止方法まとめ(IHS)
ジョンソングラスには見た目以上に知っておきたいリスクがあります。それは青酸配糖体という成分です。
ジョンソングラスの若い芽・葉・茎には「青酸配糖体(シアン配糖体)」という成分が含まれています。この成分は、分解されると猛毒のシアン化水素(青酸)を生成します。もともとは家畜(牛・馬など)が食べて中毒を起こす問題として知られており、踏みつけや刈り取りなどのストレスを受けた個体ほど多量に含まれることが確認されています。
つまり草刈り直後の刈り取ったジョンソングラスには、青酸配糖体が通常より高い状態で含まれている可能性があります。これは意外ですね。庭でペットを飼っていたり、子供が遊ぶ環境であれば、刈り取った草を放置しないよう注意が必要です。刈った草はすぐに袋に入れてまとめ、庭に散らかったままにしないようにしましょう。
人体への直接的な経皮毒性(肌に触れただけで毒性が出る)は通常の使用範囲では大きな問題にはなりませんが、大量に刈った直後の草はペットが食べないよう管理するのが安心です。特に犬や猫が口にしないよう、刈り草の後処理は当日中に行うことが条件です。
作業時は念のため手袋を着用し、草刈り後は手をよく洗うことをおすすめします。特に小さな子供がいるご家庭では、刈り取り直後の草が庭に散乱した状態で遊ばせないよう気をつけてください。
セイバンモロコシ(ジョンソングラス)の青酸成分について(野田市)
除草剤で地上部・地下茎を枯らしたとしても、「それで終わり」ではありません。ジョンソングラスの種子は土中でかなり長い間生き続けます。このため、隣の空き地や河川敷から種子が飛んでくると、除草後の地面に再び発芽する可能性があります。再発防止が条件です。
そこで有効なのが防草シートの活用です。除草剤で枯らした後の地面に防草シートを敷くことで、飛来してきた種子が発芽するための光を遮断できます。ただし、注意したいのが「ホームセンターで売っている安価な織布タイプのシート」を選んでしまうことです。目が粗いタイプや薄すぎるシートは、強害雑草の芽が隙間を突き破って出てくることがあります。
防草シートは不織布構造(繊維の隙間がない構造)のものを選ぶと、スギナやチガヤなどの強害雑草にも対応できます。耐用年数の目安は、不織布タイプで10〜20年程度。織布タイプは3〜5年程度です。初期費用が多少かかっても、長く使えるものを選んだほうが結果的にコスト面で得です。
シートを敷く前に、できる限り地下茎を掘り起こして取り除いておくことも大切です。完全には難しくても、地表から15〜20cm(はがきの縦サイズほどの深さ)程度の地下茎を取り除くと、再萌芽のリスクが下がります。シートを敷いたら、ピンでしっかり固定し端部が風でめくれないよう施工しましょう。シートの継ぎ目は10〜15cm以上重ねて固定するのが原則です。
| 種類 | 耐用年数 | 特徴 | 向いている場所 |
|---|---|---|---|
| 織布タイプ | 3〜5年程度 | 軽量・安価・引っ張りに強い | 一時的な使用・砂利下など |
| 不織布タイプ | 10〜20年程度 | 厚み・耐久性・防草力が高い | 強害雑草が多い庭・長期使用 |
防草シートは薬剤を使わず、空気と水は通しながら光だけを遮断します。子供やペットがいる家庭でも安心して使える点が魅力です。除草剤(駆除)と防草シート(再発防止)を組み合わせた「2ステップ対策」が、ジョンソングラス防除の基本になります。
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